できるだけごまかさないで考えてみる-try to think as accurately as possible

さまざまなことを「流さずに」考えてみよう。"slow-thinking"から"steady-thinking"へ

地震予知の「都市伝説化」

2005-04-12 03:26:21 | Weblog
7日以内にM6級地震が関東地方を直撃 (ゲンダイネット)

 本日のトレンドランキングで(ダントツでもないが)1位を走っているページがこれ。関東地方で今朝起こったM6.1の地震を、この「日本地震予知協会」が当てたのかどうかということだ。厳密に言えば、「3/31の時点から7日以内」ということだから、外れということになるが、「そのくらいは誤差範囲」という主張も当然あるだろうから、各ページで「当たった」「外れた」の議論になるのもうなずける。

上記記事より(引用ここから)

 佐々木代表は阪神大震災から福岡沖地震に至るまで、地震発生前に機関誌やホームページ上で警戒警報を発してきた。いずれも、予兆現象である“地震雲”を観察したという。

「地震雲とは飛行機雲のように空を横切る帯状の雲や、扇子を広げたような雲、あるいは白く細い絹織物のような雲を指します。地震発生直前は、地中に蓄積された強力な電磁波エネルギーが地殻の亀裂部から大気中に漏れ始める。磁力線の影響でヘンテコな雲が形成されるのです。地震予知協会は今月27日、東京全域や伊豆、相模など神奈川県の上空一帯で地震雲を確認したことで、警戒警報を発することにしました」(佐々木代表)

 だが、地震雲が発生しても地震が起きないこともあるという。なぜ今回の地震雲はM6級の巨大地震に結びつくのか?

「運が悪いとしか言いようがないのですが、地球全体がきのう(30日)から4月1日、4月4日と連続して“特異日”を迎えます。彗星が太陽のコロナ(外周をとりまく電離したガス層)と接触することで、大量の電磁波が地球に降り注ぐのですが、この電磁波は発生寸前の地震を誘発する。すでに関東地方は蓄えられた電磁波エネルギーが破裂しそうなゴム風船状態。いざ地震発生となればかなり大規模になることから、“M6級”と判断しました」(佐々木代表)

(引用ここまで)

 どうでもいいことだが、この、「特異日理論」って、もしやあの、「フォトンベルト説」系の話か?と思ってしまった。←長期読者だけの特典(爆)

 今考え直したら、結構重要なことか。ノストラダムスに始まる「予言系」の言説が当たったか外れたかも、事前に「当たり外れの基準」を明確に定めておかないと、事後的に、論者の都合のいいように「誤差範囲」が設定され、何でも「当たった」になってしまうからな。例えば今回の地震が4/7日に福島県で起こっていたらどうなったか?これも、論者によって「場所は少し違っていたが当たった」ということになるだろうし、昨日の地震が名古屋で起こっていても、「時期と場所は少し違っていたが当たった」ということになるだろう。

 こういう系統の話が盛り上がって、一番困るのは「都市伝説化」することで、善意に基づく資源と時間の無駄遣いを引き起こすことだ。この件を「当たった」と評価する人たちは、そう思いたいのなら思えばいいだけで、これからこういう情報をチェーンメールの形式で際限なく流布するのだけはやめてほしい。しかも送る方は「善意」でやっているのだから始末が悪い。転送するのを断られて逆ギレする連中も出てくるだろう。

 こんなことをわざわざ書くのも、数年おきにさまざまな地域で「当たり屋集団にご注意」というデマファクス&メールが流れていることを知っているからだ。

当たり屋情報は偽情報!(福島大学行政社会学部社会心理学研究室による調査研究の成果に基づく)

 こういう情報を、「嘘でも用心するに越したことはないんだから流した方がよくね?」と思う人が多いようで、以前私の知り合いの間でもそういうやりとりがあった。はっきり言って迷惑である。信頼度の低い情報を、善意で大量に流すことは、格好良くいえば「情報のインフレ」であり、正しい情報も信じられなくなりやすいという意味で危険だ。簡単に言えば「オオカミと少年」のエピソードと同じになるということだ。

 そんなわけで、地震予知情報も、単に「当たったってすごくな~い?」レベルにとどめず、当たり・外れの基準を定めるところから、地道にやって頂きたいものだ。

 そういえば、数年前に話題になった「FMだかAMだかの電波の空気中の反射率が変わると地震が起きる理論」はどうなったのだろう?とくダネ!などでけっこうしっかりレポートしていたが。ご存じの方がいらっしゃったら教えて頂きたい。

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2 コメント

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金シャチが降ろされると... (ykimata@goo)
2005-04-13 19:38:11
名古屋城の金のシャチホコが降ろされた年には地震がおきるらしい。

神戸の地震のときもそうだった。



あと、山を削って大規模公共事業をやると...。

六甲山を崩してポートピア。



今回は、海上(かいしょ)の森を削って万博。

本気で、信じている人も近くには多い。



ゴミねたでスイマセン。
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いえいえ (白河)
2005-04-14 06:22:21
いつもありがとうございます。



挙げて頂いた例は、都市伝説(噂みたいなイメージ)というより、一種の「法則」みたいな感じがしますね。



金のシャチホコって、去年下ろされませんでしたっけ?勘違い??

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