できるだけごまかさないで考えてみる-try to think as accurately as possible

さまざまなことを「流さずに」考えてみよう。"slow-thinking"から"steady-thinking"へ

赤ちゃんポストについての美加さんとの議論~堕胎に関する想像力も含めて

2007-05-16 17:01:26 | Weblog

 以前私もこの記事で赤ちゃんポストについて採りあげたのだが、

赤ちゃんポストについての議論のレベルの低さ

赤ちゃんポストに関して、美加さんのブログも扱っておられる。

赤ちゃんポストに3~4歳児。

 っていうかさ、やっぱり、子供を捨てるのに「安心して匿名で捨てれる」というのは子捨てを助長する行為だと思うよ。

 きちんとした機関を通して子供を預けず、説教されるかもしれない、詮索されるかも知れないけど、それでもどうしても・・・ という親としての苦悩や辱めを負うこともなく、安易に捨てれる仕組というのはおかしいと思う。

 なんだかな~・・・。

 

 この記事に対し、私は以下のようにコメントした。

 

こんばんは。 当ブログでもhttp://blog.goo.ne.jp/shirakawayofune001/e/47f4dc82e797bcea44c5ff0521cd544d
こちらに書いたのですが、「赤ちゃんポストが『子捨て』を助長する」という発想は、短絡的すぎると思いますね。

「こういう制度が子捨てを助長するから、なくすべきだ」という発想は、「消防車や消防士の人数を増やすと、 気軽に火遊びするバカが増えるから、消防制度はなくすべきだ」という発想と同じです。しかも、対象になっているのは、 自ら生きていく力のない「乳幼児」です。そのままでは親に殺されかねない乳幼児は、抵抗もできなければ、 自ら生きていくこともできません。そういう「絶対的な弱者」のための緊急避難的な施設の存在に対しては、 私は絶対に非難すべきではないと思います。

この件でまず第一に責められるべきは、平気で婚前中出しできちゃった結婚などをしたり、堕胎を平気で許すような「バカ親(予備軍) の状況」の方だとと思いますよ。

生む親に全て責任感があり、セックス自体を、そういう責任を負った上で行うという文化があれば、 子捨てや幼児虐待はありえないわけです。何が子捨ての重要な原因なのか、落ち着いて考えれば、自ずからわかることとと思います。
(2007年05月16日 02時31分16秒)

 

 美加さんから以下のようにコメントして頂いた。

 

>「赤ちゃんポストが『子捨て』を助長する」という発想は、 短絡的すぎる

>「こういう制度が子捨てを助長するから、なくすべきだ」という発想は

 現状で、保護施設がないなら、そのご意見もそうでしょうが、相談施設もありますし、 保護制度そのものの廃止を訴えてるわけではないので、その例えは当てはまらないと思います。

 緊急避難施設の一種だとしても、匿名で、非対面で、親側が何の心理的圧迫を受けずに遺棄出来る施設を作る必要性は私は感じません。

 実際にそこでないと救われない命がどれだけあるのかも疑問です。

 残酷を承知で言えば、それよりも、社会全体に与えるモラル破壊の方を危惧します。

>この件でまず第一に責められるべきは、平気で婚前中出しできちゃった結婚などをしたり、堕胎を平気で許すような「バカ親(予備軍) の状況」の方

 白河さんは、堕胎否定派なんですね。
 私は「産む気がないならまず避妊・育てる気がないなら堕胎」派です。

 望まれずに生まれ、疎まれながら育つ方が不幸だと思います。

 また、保護施設で育つ方が幸せという意見もありますが、私はそうとも思いません。

 私は保護施設にいる子たちと義務教育の頃一緒に学んでいましたが、施設の環境についてあまりよい話は聞きませんでした。

 高校もいけず、保証人にも困り、中卒で働くことを選ばずを得ず、あまり幸せそうには思えませんでした。

 「救える命がある」という理念には賛同しますが、「施設の方が幸せ」「国が育てればいい」で話が終わりなのはあまり賛成出来ません。

> 生む親に全て責任感があり、セックス自体を、そういう責任を負った上で行うという文化があれば、 子捨てや幼児虐待はありえないわけです。

 これに関しては同意します。
 教育が大事だと思います。
(2007年05月16日 07時19分27秒)

 

 これに対し、私は以下のように返信した。

 

ご返信ありがとうございます。

> 現状で、保護施設がないなら、そのご意見もそうでしょうが、相談施設もありますし、 保護制度そのものの廃止を訴えてるわ

けではないので、その例えは当てはまらないと思います。

「(相談施設も含めた)現状の保護施設はあってしかるべき、これ以上の保護施設は不要」という線引きは、 線引きの基準が明示されていない以上、恣意的なものに過ぎません。

> 緊急避難施設の一種だとしても、匿名で、非対面で、親側が何の心理的圧迫を受けずに遺棄出来る施設を作る必要性は私は感じません。

現状では、扶養能力のない親のもとにいる乳児を救う機関はないと思うのですが。

> 実際にそこでないと救われない命がどれだけあるのかも疑問です。

日テレによると、児童相談所に寄せられた幼児虐待の件数は34000件以上。10年前の約8倍とのこと。
潜在的に危険にさらされている乳幼児の数は、無視できないほどいると見るべきでしょう。

> 残酷を承知で言えば、それよりも、社会全体に与えるモラル破壊の方を危惧します。

それこそ、上で紹介した私のブログ記事にも書いたように、「赤ちゃんポスト」だけを要因として考える発想だと思います。
(2007年05月16日 16時17分25秒)

 

> 白河さんは、堕胎否定派なんですね。
> 私は「産む気がないならまず避妊・育てる気がないなら堕胎」派です。

育てる気がないのになぜ子どもができるのでしょうか?(むろん、レイプなどによる妊娠等は例外だと思っています)
そのあたりから、モラルの破壊を感じます。

> 望まれずに生まれ、疎まれながら育つ方が不幸だと思います。

子どもに罪はないのですが。親が子どもを望んでいない、疎ましいという場合は、堕胎でも乳児殺害でもいいから殺せということでしょうか。

> 私は保護施設にいる子たちと義務教育の頃一緒に学んでいましたが、施設の環境についてあまりよい話は聞きませんでした。

それは、施設の環境を改善させれば済む話で、施設の環境に本質的な問題ではありません。

> 「救える命がある」という理念には賛同しますが、「施設の方が幸せ」「国が育てればいい」で話が終わりなのはあまり賛成出来ません。

子捨てを赤ちゃんポストという要因だけで捉えるのはおかしいというのが私の主張なのですが、それを『「施設の方が幸せ」 「国が育てればいい」で話が終わり』と解釈されるのならそれもそれでしょう。
(2007年05月16日 16時18分29秒)

 

 美加さんの最初の記事にあった、

>親としての苦悩や辱めを負うこともなく

という部分や、「どのように育てられていくのか」という施設の質の問題は、私自身がもう一度考えなければならないなあと思うが、この問題に対する私の基本的な発想は以下の三点か。

 

1 育てる責任も負わず、子どもができることも想像せずに中出しセックスをする文化があるから、「子捨て」が起きる。ゆえに、「こういう施設ができたから、子捨てをする親が増える」という発想そのものが筋違いである。

2 仮に親がどれだけ無責任バカであろうとも、それを理由として子ども(胎児を含む)が殺されることは正当化できない。レイプによる妊娠は除く。←外国ではこれも含めて堕胎禁止という立場の人が相当数いるようだ。

3 バカ親に育てられるくらいなら、施設や国で育てればいいという発想ではない(だとしたら、こんな施設を作るだけでなく、「バカ親認定機関」でも作って、もっと積極的にバカ親から子どもを引き離すよう主張する)。あくまでも「緊急避難」としての機関である。

 

 私も近い人が「育てられないから」という理由で堕胎しており(私の彼女とか妻ではないのであしからず)、この赤ちゃんポストの問題を重く重く考えている。堕胎の問題を、「子どもができたが、育てられないから殺す」というレベルで考えることのおかしさや愚かさを、もっと多くの人が、しつこく考え、想像していかなければならないだろう。

 

「堕胎は殺人に他ならない」という命題まで、この問題について考えるときには考えなければならない。無責任な中出しセックスと堕胎が日常的に行われているからこそ、「子捨て」が問題になっているのだから。

 


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