月曜日に小沢一派が離党した。朝生のレビュー記事で書いた、「抜ける抜ける詐欺をしているのでは」という私の予想は外れた。しかしこういうニュースがあるところを見ると、小沢一派内で「合意」を作ることなしに、ただ意地で小沢が離党を決め、大番頭の山岡が名簿を揃えた、という印象がぬぐえない。
つまり、「メンツを保つため」に離党したのだと。
「了解なく提出された」 民主・階氏、離党を否定(産経 2012.7.2 15:09)
民主党の階(しな)猛衆院議員は2日、国会内で記者会見し「了解なく提出された。党にとどまる」と離党を否定した。民主党の小沢一郎元代表らが提出した52人分の離党届のなかに階氏も含まれていた。(ここまで)
民主・辻氏も離党を否定(産経 2012.7.2 15:12)
民主党の小沢一郎元代表らが提出した52人分の離党届に含まれていた辻恵衆院議員は2日、国会内で記者団に「離党を最終決断していない。党に留まり小沢先生の大義を生かすよう力を尽くしたい」と述べ、離党しない考えを示した。(ここまで)
そして珍しく官邸でぶら下がり会見を行った野田の「おわびの発言」は以下の通り。
野田首相「深くおわびしたい」(産経 2012.7.3 00:39)
民主党の小沢一郎元代表の離党届提出を受けた野田佳彦首相の発言は次の通り。
◇
まず、このように多くの議員が離党の意志を固めたということについて、大変多くの国民のみなさまにご心配をおかけしていると思います。私ども民主党をお支えいただいている党員、サポーターのみなさまにもたいへんご心配をいただいているということについて、深くおわびを申し上げたいというふうに思います。
その上ででありますが、今回の社会保障と税の一体改革では、社会保障改革を棚上げしたわけではありません。
しっかり、しっかりと子供・子育ての部分などを充実し、社会保障を安定化させる。そういう考え方のもとに行っている一体改革であります。決して増税先行ではございません。
今を生きる国民の生活を守るために、将来世代の生活を守るための改革であります。(社会保障・税の一体改革関連法案は)これから参院でご審議をいただきますけれども、必ず成立させなければなりません。成立をさせるために責任を果たしていきたいと考えております。
(小沢一郎元民主党代表ら法案に造反した議員に対する処分の内容は)きょうの(離党という)事態を受けての対応も含め、包括的な方針というものを打ち出さなければいけないと思います。(処分の)中身は、これは党にご提案をする前に、こういうところでお話をすべきではないと思います。
処分の時期については、輿石東幹事長とも最終的な詰めの段階でございますので、そんなに遠くない将来、なるべく早くにご提案したいと思います。
(党分裂を招いた責任の取り方については)責任を果たすということです。法案を成立させる、という責任を果たすことが、私と幹事長の責任だと思います。(ここまで)
>しっかり、しっかりと子供・子育ての部分などを充実し、社会保障を安定化させる。そういう考え方のもとに行っている一体改革であります。決して増税先行ではございません。
「増税先行ではない」ということの理由として、「社会保障を安定化させる」ことしか挙げていない。他のどこを読んでも「デフレ対策」に言及していない。あーあ、やっぱり民主党は、デフレ対策ができないのだなとシミジミ。
で、本日下した「処分」が以下の通り。
民主党の造反議員処分一覧(日経 2012/7/3 17:33)
民主党が3日午後の臨時役員会と常任幹事会で決めた、消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案の衆院採決の造反者の処分と、離党届を提出した党所属議員への対応は次の通り。敬称略。
【除籍(除名)=離党届を提出した衆院議員37人】
小沢一郎、東祥三、山岡賢次、牧義夫、小宮山泰子、鈴木克昌、樋高剛、青木愛、太田和美、岡島一正、古賀敬章、松崎哲久、横山北斗、相原史乃、石井章、石原洋三郎、大谷啓、大山昌宏、岡本英子、笠原多見子、金子健一、川島智太郎、菊池長右エ門、木村剛司、京野公子、熊谷貞俊、黒田雄、菅川洋、瑞慶覧長敏、高松和夫、玉城デニー、中野渡詔子、萩原仁、畑浩治、福嶋健一郎、三宅雪子、村上史好
【党員資格停止6カ月=増税法案に反対した1人】
鳩山由紀夫
【党員資格停止2カ月=増税法案に反対した18人】
山田正彦、中津川博郷、階猛、辻恵、中川治、加藤学、橘秀徳、水野智彦、初鹿明博、福田衣里子、川内博史、小林興起、松野頼久、小泉俊明、石山敬貴、熊田篤嗣、橋本勉、福島伸享
【常任幹事会による厳重注意=増税法案など記名投票の3法案すべてを欠席・棄権した12人】
原口一博、黄川田徹、村井宗明、篠原孝、福田昭夫、石関貴史、梶原康弘、石森久嗣、空本誠喜、山岡達丸、柳田和己、玉置公良
【幹事長名による注意=増税法案のみ棄権・欠席した3人】
小沢鋭仁、橋本清仁、宮崎岳志
【離党を承認=離党届を提出した参院議員12人】
主浜了、広野允士、森裕子、佐藤公治、谷亮子、友近聡朗、外山斎、中村哲治、はたともこ、姫井由美子、平山幸司、藤原良信
参議院ではまだ採決が行われていないので、参議院議員の離党を「了承」するのは筋として全くおかしくないと思うが、衆議院議員は、確か昨日の「NHK ニュース7」で、
「造反議員は一つのパッケージとして考えている」
と野田総理は言った、と報じられていたはずだが。
にもかかわらず、一晩明けてみれば、「欠席」した議員は「厳重注意」で、「反対」した議員は「除名」や「党員資格停止」とは。
あの。。。どこが「一つのパッケージ」なのですか野田総理???
で、こういういときは、例えばあの麻生政権の時であれば、
「ほらまたブレた!!」
などと、鬼の首を取ったように大騒ぎしていたのがマスゴミ各社だったのだが、現時点で、そういう騒ぎ方をしているマスゴミは見当たらない。
なにゆえ?(笑)
昨日言ったことが、今日になって何の説明もなく、反故にされている。しかし口調だけは
「私は増税先行だけをしているのではない!」
などと威勢がよい。
「決めきれない政治」どころか、単なる「ペテン政治」「クチだけ政治」「朝三暮四政治」にしか見えないと思っているのは、決して私だけはないだろう。