できるだけごまかさないで考えてみる-try to think as accurately as possible

さまざまなことを「流さずに」考えてみよう。"slow-thinking"から"steady-thinking"へ

毎日新聞が「毎日さん」になった日

2012-05-01 23:30:44 | メディアリテラシー・マスゴミ考察

当ブログでは、毎日新聞も「毎日さん」と呼ばせていただこう。こうやってマスゴミは、小学生から洗脳していくわけだ。

 

■ニュースな歴史館:古代の北朝鮮は進んでいた(毎日小学生新聞 2012年04月13日)

 東京芸術大学のチームが2月、北朝鮮にある世界文化遺産「高句麗古墳群」の古墳の壁画を独自のデジタル技術を使って、
世界で初めて原寸大で復元したというニュースがありました。

 北朝鮮と言えば、「人工衛星」と言いながら実際は軍事ミサイルの実験を行うのではないか……と疑われている怪しい国のイメージがあります。しかし、こうした不可思議な国になったのは第二次世界大戦後のこと。しかも、日本の戦前の支配も原因の一つでした。

 紀元3~5世紀ごろに全盛を迎えた「高句麗王朝」のころは、日本よりもはるかに進んだ文明国家があり、仏教などの宗教、学問の中には当時、高句麗を経て中国から伝えられたものもあります。

 復元された壁画は、切手などでも知られる飛鳥時代の高松塚古墳(奈良県明日香村)の美しい壁画とそっくりなのが分かるでしょう。当時の日本は高句麗の美しい文明をそのまま、コピペしながら輸入し、やがて独自の文化を生み出していったのです。【森忠彦(もりただひこ)】

 

この記事は、まちがった歴史認識を小学生に植えつけるだけでなく、「日本語運用能力が低い低学力小学生」をも平気で生み出す効果がある、という意味で劣悪である。

>北朝鮮と言えば、「人工衛星」と言いながら実際は軍事ミサイルの実験を行うのではないか……と疑われている怪しい国のイメージがあります。

「怪しい」という日本語は、昨今では「やばい」に負けずとも劣らないくらい曖昧な日本語になってしまった。例えば、

「キミのその格好、怪しいよ。」

という日本語は、現代では、必ずしも「何となく何を主張したいのかがわからない」というネガティブな意味では必ずしも使われてはいない。この言葉は、「不思議でミステリアスで、何となく惹かれる」という意味をも内包している。

「怪しい」という言葉を使うことで、北朝鮮が何となくミステリアスな国、という印象操作をしていることに怒っているのではない。小学生新聞であろうとも、新聞は新聞だ。出来事をできるだけ誤解がないように読者に伝える「媒体」が新聞である、という、子どもにとってきわめて重要な新聞の「基本的定義」を、大きく逸脱した言葉づかいをしているという点が最悪なのだ。

子どもは大人をまねることは天才的にうまい。何百万部(毎日さんは何十万部かも知れないが)と発行している「新聞」が、

「怪しい」

であるとか、あとで出てくる

「コピペ」

などの言葉を平気で使っているということは、子どもたちから見ると、

「新聞でもこういう言葉を使ってるんだから、おれたち(私たち)はもっと崩した言葉を使ってもよくね?」

などと、ますます曖昧な言葉を流通させようとする。だから私も、子どもたちに使う言葉は明確で意味がハッキリしていることをいつも心がけている。

 

こういう小学生向けの記事を平気で書ける記者の心性としては、

「どうせ子ども向けなんだろ?こういうのは『ノリ』が大切なんだよ!それが部数アップにつながるんだ!」

などという、またもやここでもお約束の「マーケティング用語(『部数アップ』)」が見え隠れしているのだろう。ヘタをすると上司からそう言われているのかも知れない。

いや、本当に「部数アップ」というマーケティング用語を真剣に考えるのなら、

・子どもも読みたいと思うし、保護者も読ませたいと思う

「新聞」でなければならないはずだ。にもかかわらず、そういう「真の意味での顧客満足(Customers' Satisfaction; CS)」を追求することを全くせず、「現場のノリ」とやらで上記のような記事が平気で書けてしまう。だから「毎日さん」なのである。

 

保護者が、

「当時の日本は高句麗の美しい文明をそのまま、コピペしながら輸入し、やがて独自の文化を生み出していったのです。」

などと普通に書いてある新聞を、小学生に読ませたいと思うか???

 

次の批判点が、この記事のどこを見ても、朝鮮半島が当時、「高句麗」だけでなく、「百済」や「任那」、「伽耶(かや)」などに分裂していたこと、そして、それが専門的すぎるならば、第二次世界大戦後の朝鮮戦争によって、朝鮮半島が南北に分断されたことに全く触れていないことだ。にもかかわらず、

「しかし、こうした不可思議な国になったのは第二次世界大戦後のこと。しかも、日本の戦前の支配も原因の一つでした。」

などと、「日本は戦前に朝鮮に悪いことをしました」という「刷り込み」だけはちゃっかりやっている点だ。この点の方が私に言わせればよっぽど「怪しい」

しかも、北朝鮮ができた責任の一部でも「日本の戦前の支配」にあるのか?(笑)冗談も毎日さんの社内だけにしてほしいものだ。

北朝鮮は今でも自ら高らかに宣伝している「共産主義国家」で、戦前の日本の支配は共産主義では全然ない。しかも、日本の戦前の支配時の方が、その前の「李朝」の時代よりも、単位土地あたりの生産性がよほど高かったことは、韓国人の歴史学者でさえ普通に認めていることである。

 

大韓民国の物語
李 榮薫
文藝春秋

(あ、学歴フェチ(笑)の人がいるかも知れないから一応言っておくが、ソウル大学教授ね。どうでもいいことだが。)

例えばp.78にはこうある。

 

 生産された米のほぼ半分が日本に渡っていったのは事実です。しかしながら、米が搬出される経路は奪われていったのではなく、輸出という市場経済のルートを通してでした。当時は輸出ではなく、「移出」といいました。収奪と輸出はまったく異なります。収奪は朝鮮側に飢饉のほかには何も残しませんが、輸出は輸出した農民と地主に輸出に伴う所得を残します。米が輸出されたのは総督府が強制したからではなく、日本内地の米価が30%ほど高かったからです。ということは、輸出を行えば、農民と地主はより多くの所得を得ることになります。その結果、朝鮮の総所得が増え、全体的な経済が成長しました。不足する食糧は満州から粟や豆のような代用品を購入して充当しました。ですから、具体的な推計によれば、人口一人あたりのカロリー摂取量が減ったとは必ずしも言えないのが実情でした。輸出所得によって綿製品のような工業製品を日本から輸入したり、最初から機械や原料を購入して紡績工場を作ることもできました。実際、キムソンス(原著では漢字)の「京城紡績」はそのようにして建てられた会社です。要するに、輸出をすれば、収奪とはこれまた逆に全体の経済が成長するのです。それなのに、どうして韓国の教科書はこうした平凡な経済学の常識を逆さまに書いているのでしょうか。(ここまで)

 

したがって、

「日本が朝鮮半島を「支配」していた時代に、日本が朝鮮半島から徹底的に「絞り尽くした」から、

その反動として共産主義に飛びつく者が現れ、それを束ねたのが金日成であった。」

という事実は全くないのであって、当時のソ連を中心とする「世界共産主義化運動」の一環として朝鮮半島の北側が取り込まれた、という、きわめて政治的な事情で北朝鮮ができたわけだ。

 

しかし毎日さんは、「小学生新聞」でも、以下のように書いて憚らない。

>しかし、こうした不可思議な国になったのは第二次世界大戦後のこと。しかも、日本の戦前の支配も原因の一つでした。

いいえ。100%、ソビエト共産党と中国共産党のせいです(笑)。

 

 

というわけで、こういうところも、

「どうせ小学生相手だから、テキトーにこう書いとけばいいんじゃね?」

という安直さしか見えてこないわけだ。そんなカス新聞が、賢しげに以下のような「コラム」を「余録」として書く神経とはどういうものなのであろうか。

 

余録:明治初め、欧米人がやっているカードゲームを…(毎日新聞 2012年04月19日 00時49分)

明治初め、欧米人がやっているカードゲームをはたで見ていた日本人が気づく。プレーヤーが「トランプ」という言葉をしきりに使うのだ。
きっとカードかゲームの名に違いない、そう思った日本人はそれらをトランプと呼ぶようになった
▲見てきたような情景はむろん推測だが、英語でいうプレーイングカードがトランプと呼ばれるのは日本だけという。
実はトランプとは勝負を決める「切り札」を指す言葉だった。ついでながら日本語のカルタは、カードを示すポルトガル語に由来するからややこしい
▲さて日本のねじれ国会を見ている外国人は、繰り返される「モンセキ」を聞いて国会を指す言葉と思うだろう--とはむろん冗談である。
だが、またまた資質の問われる閣僚の失態と、それを追及する野党によって切られる参院の問責カードというおなじみの光景だ
▲国会答弁の迷走で失笑をかってきた田中直紀防衛相は、北朝鮮ミサイル発射をめぐる対応遅れでも袋だたき状態である。
また公選法違反の事前運動や閣僚の地位利用を疑われる前田武志国土交通相は、旧態依然たる建設業界への利益誘導を思い起こさせて腹立たしい
▲こんな閣僚だから、野党も切り慣れた問責カードを持ち出す。
ただ両者が可決されれば、07年以降のねじれ国会での問責決議は政権交代をはさんで実に8件となる。
消費増税法案をはじめ懸案山積の中、閣僚の去就を国会審議にからめる政局ゲームはもううんざりだ
▲国民の信を失った閣僚の進退は政権自らがけりをつければいい。
良識の府である参院の「モンセキ」はもともと党派間の勝負を決着させる切り札ではない。

 

うんざりなのは、冷静に歴史を調べることもなく、

「とりあえず戦前は日本は朝鮮に悪いことをしましたって書いとけばよくね?」

という、朝日さんや毎日さん(笑)の下劣な洗脳である。

 

 



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コメントありがとうございます (白河)
2012-05-05 01:07:56
「日本の文化は朝鮮経由だ!」って主張する方って、
その「朝鮮の文化」が「どこから来たか」を全く言わないのが不思議ですね(笑)。

まるで、日本の文化が朝鮮「発祥」とでも言いたいかのようです。

こういう方って、李朝まで、さんざん中華王朝に「朝貢」し、果ては中華王朝に貢ぐための売春婦集団まで組織するに至った「地政学的事情」はきれいに無視ができる、実にいびつな健忘症の方のようですね。

毎日さんも同レベルのようです。


小学生に、そういう「ウソ」を平気で刷り込まないでほしいものですね。
返信する
Unknown (sabang)
2012-05-02 13:07:07
白河夜船さん こんにちは。
全く酷い記事ですね。
この件は、他のブログで読み、
抗議のメールを新聞社にいれときました。
が、然し返答はなかったです。

うろ覚えの記憶ですが、小学生当時
仏教始め漢字等の多くの文化が半島を経由して
伝播されたと教育された記憶があります。

確かに地勢から見ると最もらしい説ですが、
日本の遣使が当時の支那地域の王朝に行き
様々な文化を学んだことは事実でしょうが、
それは日本国の使節団がダイレクトに
行ったもので、当時の半島地域から伝播
されたものではない。

使節団がルートとして海上より安全な陸上
ルートを選択したのでしょうが、それは
単にルートとしてのものであって、半島から
伝播されたものとは言えない。

子供にこのような間違った史実を植え付ける
とは、見下げ果てたジャーナリズムですね。

毎日新聞社には、おかしな記者が多すぎ
ますね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。