ついさっきまでやっていたニュースジャパンの映像より。
28日に、東京都が、岩手県のがれきを50万トン受け入れることを決めたあとで、
マスコミ的には、「東京都への苦情が殺到」しているとのこと。
で、例によって出てくるのが、「子どのもの心配をする母親の拒否反応」である。
とはいえ、この家の中、放射線を徹底的に防御するために、こんな有様である。「屋外は放射線がつくかも知れないので、屋内で洗濯物を干す!」
家中がこのような大混乱になっていることによる、「子どもへのストレス荷重」についてはなぜこの母親は無視できるのだろう。
「子どもの健康には代えられない」という言葉の意味の中には、「子どもが感じるストレスをできるだけ軽減する」という要素が必ず入っているはずなのだが、この母親は(「も」と言うべきか)、その点にだけは目が行かない。
これが、申し訳ないが、この母親が、放射線だけを過剰に危険視し、岩手県の検査で放射線レベルは安全だとクリアしたとわかっているがれきを東京都で受け入れることに反対している。
まえから再三、このブログで指摘してきたが、放射線は少しでも人体に危険なんだ!と主張する、多くの「主婦」を初めとする人々は、
1 放射線からの害については、バックグラウンド放射線も含め、とにかく徹底的に排除しようとする。
その一方で、
2 その「排除」のプロセスで、子どもにかかるストレスなどの「害」については徹底的に無視をする。
悲しいことだが、これでは、平常心を失っていると言わざるを得ない。本当に自分の子どもの健康を心配するのなら、ストレスや放射線という危険要素をトータルに勘案して、その子どもにとって一番リスクを軽減するような行動を取るべきである。
例えば、放射線放射線と言えども、ラドン温泉などでわかるように、私たち日本人は、日常的に放射線に触れてきた。しかも、原発とは全く関係なく、「バックグラウンド(その土地の下にある岩盤が放射線を出していることなど)」として出ている放射線についても今まで全く関心を持っていなかったし、バックグラウンド放射線量が高い地域だからと言って、統計的に優位にガン発生率が高くなっているという例も全く聞かない。
しかし、今回の福島原発事故に関しては、
・岩手県が「安全検査をした上で東京都に持って行く」→「信用できない!」
という姿勢で、いかにも、東京に岩手県からのがれきが持ち込まれると、必ず有害な放射線が東京にまき散らされるという「幻想」を信じて疑わない。「こどもたちの健康を守るため」と称して。
いや、だからさ、そういうヒステリックな拒否反応こそが、子どもたちに過剰なストレスを与え、放射線以外の原因にもとづくさまざまな心身の不調をひきおこすリスクをいとも簡単に無視しているということだ。
それでは、当初のセリフに出てきた、「子どもの健康には代えられないですから」という発言と、思い切り矛盾することになる。結局こういう保護者たちは、本当にこどもたちの健康をどれくらい考えているの?結局、原発反対派がヤンヤヤンヤ騒いでいる、
「どんなに少ない放射線でも、人体に悪影響を及ぼす可能性があります!!」
という発言を、ただ盲信し、パニック状態に陥っているだけである。それはいわゆる原発反対派を喜ばせるだけで、子どもの将来にも、日本の将来にも、百害あって一利なしの状態にしかなりませんよと指摘したい。
かぜ薬だって、酒だって、そして放射線がなくても、日々我々が吸っている空気にも雑菌が何十種類も入っている。その意味で、
「どんなに少ない薬も酒も空気も、人体に悪影響を及ぼす可能性がある」
という点では全く同じなのである。その点を、東京都民はもう少し冷静になって想像してみるべきだろう。
頭の悪いネトサヨどもは、「東京都に電凸を!!」とネットなどであおっているが、その結果は、今日までたったの800件。
東京都は、人口一千万人のまさに「メトロポリス」である。数日でたった800件超の苦情、しかもその何割かは確実に、悪意を持った「電凸」であることを考えると、この数は「殺到」と言うにはあまりにも少ない、ハナクソレベルの数字に過ぎない。
都庁職員をあんまり下らないことでこき使うなよ。都民税、区民税もけっこう高いんだからさ。
というわけで、東京都は、この大震災のがれきを、処理できる範囲でどんどん受け入れるべきである。被災地での検査が正確である限り、全く問題はない。