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「道義的責任」に踊るバカども

2006-01-26 09:38:09 | ライブドア関連

 昨日はgooブログがメンテナンス時間に入ったり、ブログライターがいきなり落ちて、記事を保存していたのになぜか丸ごと記事が吹っ飛んでいたりして、投稿できなかった。あぁドタマに来る。


 ライブドアの株価は、昨日ようやくストップ安が止まった。短期的な利益を狙った投資家が買いに走ったというのが一般的な説明のようだが、もしかするとライブドアを買収しようとしているどこぞの機関投資家などが買った可能性もある。さらに、「フジテレビが買収か?」などというニュースも飛び出し、今日はフジテレビに高く買わせようと勝手にもくろむ一般ピーポーが一斉に買いに走るかも知れない。合法の範囲内で好きにやればいいが、大して後先考えずに株を売買して、損したときだけあたかも他人のせいであるかのようにぶつくさ言うのはやめていただきたいものだ。


 ここ数日、自民党の武部幹事長や小泉首相が「道義的責任」とやらでボコボコに叩かれている。小泉首相も、24日夜、初めて「一定の責任を認めた(産経新聞)」とのこと。


衆院選の堀江容疑者支援で首相「責任甘んじて受ける」(産経 06.01.25)


(引用ここから)


 小泉純一郎首相は二十四日夜、昨年の衆院選でライブドア前社長の堀江貴文容疑者を自民党が支援したことについて、「人物調査はなかなか難しい。それを不明と言われれば(批判は)甘んじて受ける。全部責任があるというならば甘んじて受ける」と述べ、自民党総裁として一定の責任を認めた。首相官邸で記者団の質問に答えた。


 その一方で、首相は「(堀江容疑者を)メディアがあれだけ時代の寵児みたいに取り上げたのはどうなのか。メディアが広告塔みたいにした。別に自民党がメディアに取り上げてくださいと頼んだわけじゃない」と、メディア批判を展開。国会で追及姿勢を見せている民主党についても、「民主党も当選した人が、覚醒(かくせい)剤で逮捕されるなど不祥事を起こしている」と批判した。


 事件の再発防止については、「有識者によく検討してもらうべき問題だ」と述べ、今後、有識者会議などで具体策を検討していく考えを示した。


(引用ここまで)


 このいわゆる「道義的責任の追及」に関しては、民主党だけでなく与党の自民党、民社党、新聞で言えば朝日新聞だけでなく産経新聞まで一緒になって騒いでいる。


【主張】代表質問 なぜ「別問題」かの説明を(産経社説 06.01.25)


(引用ここから)


 小泉純一郎首相の施政方針演説などに対する各党の代表質問が衆院に続いて参院でも始まった。


 主な論点は、小泉改革の成果と問題点に絞られている。民主党などは、前日逮捕されたライブドア前社長の堀江貴文容疑者への自民党支援を改革路線の「負の側面」と絡めて追及した。


 これに対し首相は「この件と昨年の衆院選で自民党幹部らが応援したことは別問題だ」と述べた。別問題とはどういう意味なのだろう。


 「稼ぐが勝ち」と言い放った堀江容疑者を持ち上げて選挙を戦ったことと、日本の将来にとって必要な小さな政府を実現するための小泉構造改革とは峻別(しゆんべつ)されねばならない。首相は二十四日夜、「不明だった」と責任を認めたが、さらに説明を尽くしてほしい。小泉改革の真価が問われている。


 民主党も堀江容疑者に出馬要請を試みて実現しなかった経緯がある。「法律で禁止されていなければ何をしてもいい」などと放言した堀江容疑者を時代への挑戦者とした当時の風潮に影響されなかったとはいえまい。道義的責任追及の資格はあるのだろうか。


 神崎武法公明党代表は「構造改革の影ともいうべき歪(ゆが)みが広がっている」と指摘した。確かに社会の格差が拡大しつつあり、小泉構造改革の痛みともいうべき側面があることは否定できない。首相は「小泉改革は弱者切り捨てではない」と述べたが、こうした論議を深め、格差拡大につながらない政策の実現こそが求められている。


 二十三日の衆院代表質問で、首相は、公務員を解雇する「分限免職規定」について「適切に運用することにより、公務の適正、能率的運営の確保に努めていく必要がある」と柔軟に運用する考えを示した。これは民主党の前原誠司代表が「公務員は何をやっても辞めさせられることはない、と世間は考えている」として、そうした事態の見直しのため、分限免職規定の適正化を求めたことに呼応したものだ。


 民主党はこうした「対案路線」から当面は「政府・与党の責任追及路線」に軸足を移すのだという。これまでは反対のための反対という抵抗路線とは一線を画してきた。前原代表は「すべては国民のために行動する」と語ってきたが、この原点を貫いてほしい。


(引用ここまで)


 で、ここで問われている「道義的責任」って、何?


 現時点では、東京地検特捜部が束になって堀江やライブドア重役たちの犯罪を調査している。しかし堀江たちはまだ有罪ではないのだ。裁判はこれからなのだから。私は堀江のことは大嫌いだが、このような事についてうやむやにするつもりもない。


 昨年、堀江を選挙で応援した武部幹事長や竹中金融・財政・経済担当大臣(当時)の「道義的責任」を追及しているバカどもは、「今東京地検特捜部が束にならなきゃ調べられない事柄でも政治家なら、堀江の言動に触れただけですぐにわかるはずだ」とでも言うつもりなのだろうか。


 そうでないとすれば、当時は全くわかり得なかったこと(堀江が現在のように証券取引法違反の嫌疑をかけられていること)であっても、「言動があやしいヤツは選挙で応援するな」ということなのだろうか。それこそただの差別であろう。衆議院の代表質問で、「小泉政権は人権対策が全く足りない!」と息巻いていたのは他ならぬ、民主党の前原代表である。


 「言動があやしいヤツは、後で警察や検察に捕まるかも知れないから応援するな」という発想こそ、民主党の前原が批判した「人権対策の遅れ」、「人権蹂躙」そのものではないか。


 ・・・もしかして、前原は本当のバカなのか?前原だけでなく、自民党内で暴れている加藤紘一や、この機会に小泉-武部-竹中ラインをこわそうとしている与野党内の浅はかな連中は、この程度の理屈で国民が何らかのスッキリ感を味わうであろうと、本気で思っているのだろうか?


 だとすると、今の国会議員は、情けないほど頭の弱い連中であると言わざるを得まい。その頭の弱さたるや、同様の意味不明の責任追及をしている朝日や産経のようだ(笑)。


 朝日あたりは、以前、森総理が日本の実習船がハワイでアメリカの潜水艦に沈没させられた「えひめ丸沈没事件」の際、連絡を受けてもずっとゴルフを続けていたことを叩き続け、その結果森政権を退陣に追い込んだことに味を占めているのだろう。あわよくば、このことをきっかけに、一気に小泉政権も倒してしまおうと。逆に、そう考えなければ、朝日や産経の意味不明の文章が「社説」にまでなっている理由が全くわからないくらいだ。


 本気でそう考えているとしたら… 国民をバカにするのもいい加減にしろや。当時は森政権の支持率が10%~5%という驚くべき低さであったことや、今をときめく加藤紘一による「加藤の乱」などがあったわけで、このネタで与野党やマスコミが叫んでいることに、何一つの生産性も重要性もないのだ。しかも今は重要な「通常国会」中であり、予算案だけでなく、重要法案の審議を一日でも早く始めるべき時期である。


 …そんな重要な時期に、何を意味不明のバカ騒ぎをしているのか。国会議事堂でバカ議員どもがハダカ踊りをしている方がまだ話題性があるという意味で生産的だ。


 小泉首相や武部幹事長、竹中総務相もはっきりと言うべきだ。「予測できないことに対する責任は全くない。今は魔女狩りの時代ではないのだ」と。


 これからは、軽蔑の意味を込めて「ゴ民主党」と呼ばせて頂こう。呼ぶのも汚らわしいが。



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