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ロンドン五輪 女子サッカー日本代表はあえて右サイドに注目せよ!!

2012-07-25 23:16:28 | Weblog

いよいよ今夜、ロンドンオリンピックの日本全体での初戦でもある、女子サッカーの日本カナダ戦が始まる。

※私は女子サッカー日本代表を「なでしこ」と呼ぶのは嫌いだ。「なでしこ」と呼ぶことで、扱いが軽くなりそうだからだ。そんなわけで「女子日本代表」と呼ばせていただく。

 

日曜日のNHKスペシャル「なでしこジャパン 金メダルへの挑戦」を録画で見た。ほんの50分の特集だったし、日本の作戦の全てを見せるわけにも行かなかっただろうから、直前のアメリカとの3連戦の中で、アメリカが左SBの鮫島に目をつけ、鮫島が前に出てきたときに、日本から見て鮫島の後ろ、アメリカから見て鮫島の「奥」にできたスペースを起点としてボールを送り、そこからつないでアメリカがゴールを奪う、というアメリカの戦略が紹介されていた。

私に言わせれば、アメリカに4点という大量点を奪われたスウェーデン遠征のときは、アメリカFWのモーガンが、日本のミスパスや日本のDFからボールを奪い、短時間のダッシュでゴール前までドリブルしねじ込むという、いわゆる「力技」をしただけのように見える。

しかし、日本のDFからボールを奪い、空いたスペースをドリブルで突破するという技術も、素人が思うよりはよほど難しいわけで、そこにはアメリカなりの技術、というものも確かにある。

ただ、アメリカは日本のようなパスサッカーはまだ身につけていない、ということがこの直前の試合でもよくわかった。これが日本にとっての大きな収穫であろう。

 

では、日本の「パスサッカー」はどうすればうまく行くのかという問題になる。そうなると、どうしても日本は「左サイド」ばかりが脚光を浴びる。

 

我が心の嫁であるキャプテン宮間も左サイド、Nスペで焦点を当てた鮫島も左サイド、鮫島の左の突破力は世界で屈指であることは確かなので、サッカー日本女子代表は、どうしても「左サイドがメイン」というイメージを持つ人が多いかも知れない。

しかし、日本のパスサッカーが生きるときというのは、「相手に狙いを絞らせなかった」ときでもある。アメリカやブラジル、フランスを始めとする強豪国が、日本の左サイドだけをマークしたら日本は音無の構えになる、というのでは、日本がWCで世界一になったという事実も、まるでウソのように感じられてしまう。

 

いや、サッカー女子日本代表は、左サイドだけでなく、「センター」も、「右サイド」もいまっせ!!とアピールするのがこの記事の目的である(笑)。

 

ネットでいろいろ探したが、いい写真が見つからなかったので自分でキャプチャーした。サッカー日本女子代表の右SB、近賀(きんが)ゆかりである。映像は昨年のロンドン五輪アジア最終予選、韓国戦からとった。

 

<サッカーしている姿が日本女子代表の中で最も美しいと私が勝手に思っている近賀ゆかり> 

 

 

イメージとしては、サッカー日本女子代表は、

「FWは日替わりでかまわない(大儀見(長里)の成長が著しいので、大儀見にいてほしいというのはあるが)。MFまでがほぼ固定メンバー」

と思っていただいていいだろう。MFまでの「理想のメンバー」は以下である。

 

↑敵陣側

 

【FW】         ○       ○         

 ↑大儀見、川澄、丸山、岩淵、高瀬から任意の二人

 

【MF】   宮間     澤     阪口     大野(or川澄)

 

【DF】   鮫島     岩清水   熊谷    近賀

 

【GK】           福元(or海堀)

※GKは、今や福元の方が監督の信頼度は高いだろうが、若手を育てるという観点から海堀を出し続けるかも知れない。

 

 

で、「パスサッカー」とは、身も蓋もない言い方をすれば

・「ピンボールサッカー」

である。全体で前に出て、予想しない角度からシュートを打つということが基本方針になる。

全体が前に出ると、こういう陣形になることが理想だ。

 

↑敵陣

 

            FWが二人、走り回る(笑)

   鮫島                         ココ!=近賀

         宮間           大野or川澄

 

                 阪口

             岩清水     熊谷

センター ----------------------------------------------

 

この、右上の「ココ!」を占める位置に来るのが近賀ゆかり、ということである。

 

今までの日本女子代表の戦いを見る限り、澤が前に出ると、あうんの呼吸で阪口が引くので、

「阪口、岩清水、熊谷」

でうまく守れれば防御はほぼ問題ない(仮定形であることに注意(苦笑))。緊急時には両SBもいつも戻ってきているが、これが佐々木監督の本意なのかどうかは微妙だ。敵は、澤、宮間、鮫島にどうしても注意を集中するので、敵が日本から見て右サイド、敵から見て左サイドへのマークを外したときに、「右側の鮫島」こと、近賀ゆかりがどれだけ走り込んで相手をかき回せるかがカギである、と私が考えるのもよくおわかりいただけるであろう。 

 

右サイドは近賀だけでなく、川澄もいるが、川澄も敵からのマークが強いであろうと予想できる。だからこそ右SBの近賀なのだ。

 

で、「それができるのか」という話になるが、中継ではあまり脚光を浴びていないだけで、近賀の運動量も、鮫島のそれに負けるとも劣っていない。左から上がると見せかけて、宮間が右の近賀にうまくパスを蹴り込めば、敵陣が崩れる確率はかなり上がるだろう。

 

さらに、左から鮫島、右から近賀が上がっていったとき、敵が両サイドに意識を分散させ、センターにスペースが空いたら、いよいよ大御所である澤が大砲をぶちこめばいい。澤の体力はピークを過ぎた、という観測もあるだろうから、「左右に敵が割れたらセンター」という発想も、当たり前すぎるが重要である。昨年のWCでも、最後衛のはずの岩清水や熊谷がヘディングで敵ゴールにつっこむ、という場面が何度かあった。こういうシーンがオリンピックでも見られるようになると、日本女子代表の調子は最高潮になりつつある、と見ていいだろう。

 

ただ、アメリカに4点取られたスウェーデン遠征の時のように、ボールが保持できずに奪われドリブルされる、という展開にはくれぐれも注意しなければならない。  

 

 

さて。右サイドがどれだけ働いてくれるか注目しよう。 

 

 

 

 

<速報>カナダ戦スタメン。宮間が右サイドMFへ。宮間の場所は川澄。GKは福元。

 

 

そして大野がFWへ。大野はFWをやりたがっているので、まあ想定の範囲内。

佐々木監督、何をしてでも勝つという布陣を敷いたなという印象。

 

 

 

 



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