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なぜ、「弱者の味方」を自称する、社民党と共産党が、「定額給付金」や「政府紙幣」と言わないのか

2012-12-11 23:34:10 | Weblog

さっきのニュースゼロで、たまたま党首らによる討論会が放送されていた。事前収録。石原慎太郎と田中康夫はあとでVTRでメッセージのみ紹介。

 

 

 

この中で、「弱者の味方」を自称する社民党と共産党が、なぜ、経済的弱者に対して効果的な、

 

・所得に応じた定額給付金給付

あるいは、

・日銀とは関係なく行える政府紙幣を財源に、これまた所得に応じた定額給付金給付

 

のどちらも提案しないのかが不思議で仕方がない。共産党の志位は、

「まずは賃金なんです!労働者の最低賃金を上げないと、消費が増えないんです!消費が増えなければ、デフレが続くんです!」

と力説していたが、舛添らが的確にツッコミを入れていたように、

「現状のまま、強制的に法律などで賃金を上げても、各企業で雇える人数が減るだけで意味がないどころか、ますます失業率が上がるだけだ」

ということである。

 

さらに、福島瑞穂も志位も、

「大企業や富裕層への増税をもっとすべきです!!」

と声を揃えていたが、富裕層に大増税したらいくら財源が増えるのかを全く語らない。そもそも、「富裕層=大金持ち」の人数が限られている上に、彼らの資産を把握することも至難の業である。外国に分散投資したり、その筋のプロからさまざまな指南を受けているであろうからだ。

 

大企業への増税はもっとひどい。ただでさえ、継続的な円高によって、生産拠点を海外に移すこと(産業空洞化)が生じ、それに伴い国内の求人が、民主党がカネをばらまいた分しか維持できていない。すなわち、「連鎖的な雇用増」につながっていないのだ。民主党が政権を取った直後に、政府支出が8兆円規模で増えても、GDPデフレーターが震災前は2年連続で下がっているのが何よりの証拠だ。このように、福島が強調した「内需」そのものが冷え込んでいるのに、ここで大企業への法人税をさらに上げると、今度は本社自体を日本から変えるかも知れない。それほど、現在の日本の法人税率は高いのだ。そうなってから、法人税収ががた落ちしても、時すでに遅しである。

 

何度も当ブログで貼って恐縮だが、彼らが、マネタリーベースが以下のようになっていても、「円をもっと発行しろ!=将来の『1円』の価値をもっと下げるような期待を作れ!」と言わない理由は簡単である。

 

 

それは、他国に合わせて「円」の流通量を増やすと、必然的に円安となり、今の超円高でも化石燃料輸入額増加のせいで、貿易赤字が年間数兆円になっているのが、年間「十数兆円」になる可能性があるからだ。こうなると「脱原発」が、「原発維持」と比べようもないほど高コストになる可能性が高くなる。ヘタをすると電気代が月で2万円、3万円となる可能性すら出てくる。

だから、社民と共産は、「1円の価値を下げる政策」をいやがるのだ。

 

※ ちなみに、福島は「日本は金融緩和をしたのに景気が上がらなかったんです!」と、いつものでかい声で叫んでいたが、上の図を見れば、日銀がその独立性を盾に、むしろ金融を引き締めていたことがよくわかる。この点で、福島瑞穂の経済オンチぶりも(ノ∀`)アチャーレベルである。

 

あとはそうだね。社民と共産の支持層に、資産持ちがけっこういて、「増税でもいいからデフレを継続してくれた方が、自分の財産を生かせる」と思っている連中が、裏で彼らにメッセージを送っている可能性もあるだろうなあ。

 

というわけで、社民党も共産党も、デフレを本気で直す気は全くないと言っていい。ゆえに、社民党と共産党は、「経済的弱者の味方」でも何でもないのだ。

 

 



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