韓流ブームの幻想

　竹島問題を扱う様々な報道で、「せっかく韓流ブームで日韓友好の機運が高まったのに…」という表現が目につく。

　勘違いしてはいけない。韓流ブームを作ったのは１００％日本人である。冬のソナタや「ペ」や「チェ」などに対し激しく盛り上がり、「韓国四天王」などを勝手に作ってきたのは全て日本人である。今回の、韓国人たちの感情的反応や日本人に対する不思議な差別（ゴルフ場への日本人入場禁止など）に対し、「日本側は友好ムードなのに、なぜ…」などと思う人が多いようだが、おめでたすぎる。韓国ファンの日本人が増えるかどうかと、日本ファンの韓国人が増えるかどうかは全く別問題である。さらに言えば、相手国の文化を気に入るかどうかと、領土問題は全く別である。当たり前ではないか。

　おめでたい日本人には、「自分たちが好意を持つ相手からは自動的に好かれるものだ」と思う傾向があるようだが、実に甘すぎる。

日本との姉妹交流中断　全国の自治体で相次ぐ（朝鮮日報）

　テレビでも繰り返し報道されているが、今回の一件で、韓国側が一方的に、日本の各地域との地域交流の断絶を宣言している。こういう、感情にかまけた無責任な政策により、迷惑を被る善良な日本人や韓国人がどれだけいるのか、想像できる韓国人がいかに少ないかを物語るニュースである。

日本、2005年3月16日韓国侵略（朝鮮日報の１コママンガ）

　朝鮮日報自らが「良識ある立場を代弁するはず」と称しているメディアでさえ、このような扇動的なマンガを自紙に平気で載せている。今の韓国は、ここまで思考が麻痺しているのだ。

　もうそろそろ、韓国が戦後一貫して進めてきた「対日敵対感を植え付ける洗脳」について、日本政府は正面切って採り上げるべきであろう。洗脳もなしに、このような理解不能な行動が取れるはずがない。洗脳もなしに、このような愚行が行えるとすれば、日本は韓国とのつきあい方をなおさら考え直さなければならないだろう。

　単なる領土問題を、たちまち「軍国主義復活」と簡単に混同できる、この思考麻痺状態を、できるだけ速やかに治してあげるのが、韓国の友人を自認する日本の役目だろう。日本が、韓国の友人を自認しているならばであるが。

　にもかかわらず…日本のメディアは認識がぬるすぎる。

韓国世論の「反日」噴出に続き…（毎日新聞）

＞撮影現場で韓国記者から「竹島」問題の感想を聞かれたペ・ヨンジュンさんは「国民の一人として、心配している」が、場所をわきまえ「自分の考えは別の機会に」と。さすが、と思った。

　こんなぬるい記事をのほほんと載せている毎日新聞に失笑した。何が「さすが」なのか？ペは、「国民の一人として」と言っているではないか。日本叩き一色に染まっている今の韓国で、「国民の一人として」という発言をすれば、「日本がおかしなことを言っているので心配している」と、韓国人は解釈するに決まっているではないか。この発言にコメントするのであれば、「さすが、どちらにも取れる微妙なコメントがうまい」と言うべきだろう。「場所をわきまえている」程度のことに感嘆している場合ではない。きっと日本のメディアは、仮にペが今後、日本を批判するようなコメントを出したとすると、その時になって急に「裏切られた！」とか騒ぎ出すのだろうな。日本人の「希望的観測グセ」にも困ったものだ。


追記

日本は何をどのように反省するというのか（朝鮮日報　社説）

　今回の騒動に対し、日本政府は「韓国民の歴史に対する心情を重く受けとめ、過去を直視し、反省することは反省していく」（上記リンクより）という声明を発表したそうである。日本政府は、国民に内緒でこのような声明を発表していたのか…。一体どこが「冷静な対応（首相や官房長官の発言）」なのであろう。単なる迎合に過ぎないではないか。

　竹島問題と、韓国侵略に関する問題は、全く別物である。この程度の理屈がなぜわからないのであろう。わかりたくないのだろう。だからこそ、私はこういう韓国の姿勢を「差別利権に巣くう総会屋」と表現するのである。総会屋は、できるだけ大きな声で騒ぐことで会社に迷惑をかけ、「これ以上騒いでほしくなければ金を出せ」と脅迫する。今韓国がやっていることと何が違うのだろう。