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本間政府税調会長の辞任で首相の「任命責任追及」って…

2006-12-22 05:40:54 | Weblog

 マスゴミも野党も、そして与党もどこまでピンボケなのか…。

本間氏辞任、政権運営へ影響必至…野党は首相追及へ(読売、06.12.21)

 安倍首相が政府税制調査会の本間正明会長の辞任を了承したのは、本間氏の公務員宿舎入居問題に対する批判が収まらない中、政権への打撃が拡大するのを避けるためだ。

 しかし、野党は首相の任命責任を厳しく追及する姿勢を示しており、今後の政権運営への影響は避けられそうにない。

 本間氏の公務員宿舎入居問題が今月中旬に発覚した後、塩崎官房長官が記者会見で「法的には問題ない」と繰り返すなど、政府は本間氏の擁護に努めてきた。

 しかし、財政再建のために公務員官舎などの政府資産の売却を積極的に訴えてきた本間氏への国民の反発は厳しかった。20日には、公明党の斉藤政調会長が「選挙への影響がある。ご本人が自ら決せられることと思う」と公然と語るなど、与党からの批判も強まった。世論や与党の動向を見誤った首相官邸も、年内に問題を決着させるよう、方針転換せざるを得なかった。

 首相や塩崎氏が本間氏を擁護したのは、本間氏に対する批判には、経済や税制に対する「路線闘争」の側面もあったからだ。

 首相の意向を受けて政府税調会長に就任した本間氏は、経済成長による税収増で財政再建を果たそうとする「上げ潮」路線に沿った議論を進め、12月1日には企業の投資促進税制を柱とする07年度税制改正答申をまとめた。

 これに対し、自民党税調は来秋以降、消費税を含めた税制の抜本改革論議を行う姿勢だ。14日に決めた与党税制改正大綱でも、消費税を含めた税制の抜本改革の必要性を明記しており、政府税調と党税調の意見の相違は早晩、深刻な対立に発展すると見られていた。こうした中で本間氏を辞任させれば、首相の経済政策が後退する印象を与えかねないというわけだ。

 実際、自民党税制調査会小委員長の町村信孝・前外相は21日、本間氏の辞任について、「当然の判断だ。もっと早ければよかった」と語った。「上げ潮」路線を支持する自民党の中川幹事長も21日、「本人が『国民の理解を得ながら仕事をすることができない』と判断したのだから、仕方ない」と述べた。

 与党側は本間氏の辞任で、「これ以上政権への影響はない」(北側公明党幹事長)と問題の幕引きを図る考えだが、野党は攻勢を強めている。民主党の高木義明国会対策委員長は21日、「国会閉会中だが、首相の任命責任を国会の場でただしたい」と述べ、衆院財務金融委員会などで閉会中審査を求める考えを示した。

 

 この問題に関する最初のツッコミは、「誰が本間氏を公務員宿舎に入れるようなお膳立てをしたの?」ではないの?なのに、マスコミも野党も与党も、この方向からのツッコミが全くないのはなぜ?????誰か教えてくれ。

 本間氏が強引に「俺を公務員宿舎に入れろ!」とゴネたのなら、これだけのバッシング(今流行中)もわからないでもないが、財務省なり首相官邸側の誰かがお膳立てしたとすれば…本間氏を追い落とすために、週刊新潮へのリークも含めた巧みな「本間追い落としシナリオ」が用意されていた可能性さえある。特に、本間氏は「竹中ライン」の一端であるから、この一件に、竹中ラインの殲滅を狙った守旧派官僚が一枚絡んでいる可能性は、私としては250%ぐらいの可能性があると感じる。

 本間氏の酒癖の悪さも喧伝されているが、酒は自腹で、なおかつ政府税調会長としての職務さえきっちり行っていれば、特に問題はないと思う(酒に基づく暴行など、法令違反をしていないというのはもちろんであるが)。それより、前の政府税調会長である石弘光氏が、政府税調会長としての報酬(給料類全て)を全額国に返上していたことが少しずつ「美談」としてもてはやされ、「美談」が「お上はこうあるべし」という「強制」に変わっていくような雰囲気が恐ろしい。政府税調会長はただの名誉職ではなく、ほぼ毎年変わる税制の方針を政府側の代表としてとりまとめる、財政的には極めて重要なポストである。特に、自民党税調会長とも主張を調整しなければならず、時には自民党のいわゆる「族議員」たちとも反目し合う関係となる。そのような「重責」を担う人に、これからは「無給」を強制しようとする雰囲気…教育基本法改正よりよほど恐ろしい問題である(笑)。

 

 私は本間氏の教科書で経済をちょこっとだけ勉強したこともあるので、お上に対する「むかつき感」だけで「辞任して良かった!」と騒ぐバカどもと同じ気分にはなれないな。日経から出ていた『ゼミナール 日本財政入門』や『ゼミナール 日本経済入門』あたりである。彼の理論は、私の弱い頭では全てが理解できるとまでは行かなかったが、当時の経済学教科書の中ではかなり丁寧に書かれており、がんばって読み込んだ記憶はある。そういう意味で、私の中では彼は「粘りの人」である(もちろん、ゴーストライターなどをメインに使っていなければの話だが)。

 あ、「企業減税ばっかりやりがって!」という気分で「本間たたき」をやっている「自称庶民」はいるかもな。だとしても…次の政府税調会長が所得税減税をまた行うという保証はどこにもない。だとすると、こういう発想で彼をたたいているのか。「むかつくヤツはとにかく攻撃しておけ」っていう発想な。

 「むかつくヤツは叩いて首をすげ替えろ」という発想は、今問題になっている「いじめ問題」と、何ら変わらない構造であるということを、だれか指摘してやりなよ、自称「コメンテーター」諸君。そこの川原亜矢子!そこの星野仙一!そこの室井佑月!そこのデーブスペクター!…他にも山ほどいるな。ん?そんな問題あったっけだって?…さすが情報化社会、いやIT社会だよ。みんなあの厚顔無恥デブ堀江貴文に似ていくわけだな(失笑)。

 

 叩くにしても、何が、どのように、どのくらい問題なのかということを考えなければ、たとえば2ch的には「煽り」「遠吠え」で終わるのだが、これが集団になり、多少影響力が出てくると、news23のように、どれだけニュースをねつ造・歪曲しても、影響力さえ出れば「正義」である、という発想になり、図に乗っていく…これもいじめの構造に酷似している。

 …これってバカサヨクが散々叩いている意味での「右傾化」じゃねえのか?それとも、バカ左翼的には、「反権力・隷中・隷韓」なら何でもありということか?これも誰か、親切な方に教えていただきたいものだ。

 



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