2つめのコントロールは、リザルトコントロールです。会社であると、報酬がこれに当たります。報酬は「お金」だけではなくて「表彰などによる名誉」「昇進による地位」なども含まれます。中学生、高校生くらいの時のリザルトコントロールは何になるでしょうか?一番効果があるのは、親がほめてくれること、喜んでくれることではないか?と思います。もちろん、「将来の自分の夢がかなうこと」これも大きな報酬です。クラスとかで周りの人に認められる、ということも大きいのではないでしょうか?さらに、信頼関係のある「先生からの承認」も大きいですね。ここに、親から成績が良かったら「何か買ってもらえる」というモノの報酬が加わっても面白いと思います。勉強でも仕事でも、自分の中で成果が得た場合にいくつの目に見えない報酬をイメージできるか?がやる気に大いにつながっていきます。勉強ができると「自由の欲求」も満たされやすくなります。大学を選ぶ自由、職業を選ぶ自由などになります。成績がアップしてくると、楽しみの欲求も満たされてきます。早くテストがこないかな?というような感じです。人に教えてあげると、自己重要感が満たされますので、力の欲求も満たされやすくなります。お互いが切磋琢磨して、ともに成長し合える仲間ができると、所属の欲求も満たされるでしょう。ただし、ライバルと言っても「勝った負けた」の世界で考えてしまうと友人がへってしまい所属の欲求は満たされません。あくまでも「自分自身とライバルの成長」の焦点を置くことが重要です。
マネジメントコントロールシステムには、3つのコントロールがあります。1つめは、アクションコントロールです。企業において、従業員のアクションをコントロールすることで、仕事の成果の品質を一定以上に保つことができます。これは、個人でも一緒で、自分の行動を自分で意欲をもって規定することで、毎日規則正しく成果を出せます。たとえば、学校に行く前の30分で、英単語を20個覚えたり、リスニングをしたり、英文を10個覚えるなどの行動です。学校に行く途中の自転車で、毎日数学を3題解き方を思い出す、というアクションでもよいでしょう。塾に行くとか、机に向かうというのも規定しておくとアクションコントロールになります。ある程度リズム正しく行動を規定すると良いと言えます。あまり、がちがちに規定すると、ロボットじゃないですから、いやになってしまうので、行動を規定した方が心地よい程度にしてください。
行動管理を手帳でやるということが、自己啓発などではやっています。フランクリン手帳などです。これは、「人生理念」「長期目標」「中期目標」「短期目標」「実践」の5つを一貫させて、常に「いまここ」において、人生理念を意識しながら生きていくことになります。会社においても、「会社の理念」から始まって、「実践」に至るまで、一貫性があると、力強さが出ますし、モチベーションも大きくアップします。そして、その管理を「アクションコントロール」ということで、手帳によってやるのが良いといえます。毎日、「愚痴や悪口を言わない」とか、「1時間は、本を読む」「新聞を毎日1時間読み、企業の情報を入手」「スクワット30回を3セットする」「お客さんのために、毎月ひとつオリジナリティのある商品を開発」などの実践をチェックして、人生理念、使命感につなげていきます。
ディズニーランドにおいては、安全を最優先に、礼儀、ショー、効率性の順に重要であるとしています。東北大震災の時にも、ショップでのお土産用のお菓子、珈琲、段ボール、レインコート、カイロが無料で配布され、ぬいぐるみも惜しげもなく配られた。(頭を保護するために) 安全を第一にするという、理念が徹底されているのです。震災の時には、安全のみならず、「ショー」の要素が発揮されています。たとえば、「僕はシャンデリアの妖精です。何が起きてもみなさんを守ります。」というアドリブをアルバイトがやったのです。プロ意識が徹底されています。ゲストの前では、「ショー」を意識するようにしています。
ディズニーランドの、マネジメントコントロールシステムについて、見てきます。ディズニーランドでは、SCSEという考え方があり、これは環境コントロールにあたります。Safety Courtesy Show Efficiency の順番で大切だと教えられます。3・11の大震災でも、まずは安全を第一にして、キャストが行動したといいます。安全が確保されないと、夢の国が根底から崩壊するために、これを第一に持ってきています。「ジェット機と同じようなメンテナンス思想でやっている」と、豊田章一郎氏が言ったほど、長期の安全点検をして言います。常に、何が大切か?を考えることが重要で、勉強でも、3つの重要なポイントがあります。「楽しくて楽しくてしょうがない」「感動する」「世のため人のために役立つ」の3つが、勉強において必要なことになります。
この本は、素晴らしいですよ!私の友人、若林さんの書かれた著書ですが、リーダーに必要な条件も書いてあるし、教育にも役立ちます。自分自身をやる気にさせるうえでも、「アクションコントロール」「リザルトコントロール」「環境コントロール」は重要で、モチベーションにも関係します。ちなみに、私も議論をさせていただいたので、220ページに名前を入れてもらっています(笑)マネジメントコントロールシステムがよくわかる良書です。
4のメンタルタフネスですが、「瞑想」も入るでしょう。アルファ波状態で、プラスのイメージを瞑想することで、次々に良いイメージが頭の中に生まれてきます。メンタルはおのずと強くなっていきます。5の栄養ですが、もちろん、ビタミン・ミネラルをしっかり摂って、カロリーの摂りすぎには注意が必要です。さらに、「酸素」を体内に供給する必要があります。これは、3の「身体能力」のところに入れてもよいのですが、呼吸法を正しくやる必要があります。1.息を口からカイコが糸を吐くようにゆっくりと出す 2.肺の中の二酸化炭素が出し切った時にさらにもう一押し息を吐く 3.鼻から息をゆっくり吸う 4.横隔膜を下に押すように肺いっぱいに酸素を吸入 5.10秒止める(この間に酸素が体内に回ります) 6の友情「フレンドシップ」ですが、勉強をしていると友人が減る人と、増える人がいます。自分の中で余裕を持ち、ぶっちぎりのTOPになることで、「余裕」ができ、人に親切にすることができます。時間的にも、能力的にも「余裕」があることが、友情をはぐくむ要因となるでしょう。人生は、どんなに能力があっても、仲間と楽しくやっていけなければ、つまらないものになります。
4のメンタルタフネスですが、これは第一のプラス思考から第四のプラス思考までのプラス思考が重要です。メンタルが強い人は、「究極的には量で誰にも負けない」ことに自信を持っており、「量を質に転換」するロジカルな思考も持ち合わせています。ただがむしゃらにやるだけではなく、クオリティにも自信がないと、メンタルの強さは生じません。アメリカの高級百貨店で超優良企業であるノードストロームという会社は、「時間当たりの売上」をKPIにしているので、丁寧な接客を心がけ、リピート購入を目指しています。「時間当たりの」という部分が質の追求につながります。同様に、日本の生んだ優良企業である京セラは、「時間当たりの差し引き売上げ(人件費を除かない利益)」をKPIとしています。ここでも、「時間当たりの」というKPIが重要です。
BSCで受験生を考えると、KPIは次の7つになろうかと思います。1.右脳開発 2.左脳開発 3.身体能力開発 4.メンタルタフネス 5.ニュートリション(栄養) 6.フレンドシップ(友情開発) 7.ミッション・ビジョンに基づくタイムマネジメント このように考えます。1の右脳開発は、速読かつ音読をする時間を増やして行きます。 リスニングなどで、速聴も絡めることが可能です。 2の左脳開発は、数学的な論理思考、ロジカルシンキングの必要性を開発します。無駄なことを省き、大切なものを見極め、それに向かって一直線にやっていく。集中力開発もこの中に入ってきます。 3の身体能力は、まさに体力などになりますが、運動をしていないと、体内の酸素が少なくなり、乳酸が体内にたまります。これは避けたいところです。
KPIを使っている企業としては、他にリコーという会社があります。会社の中で、「財務」「顧客」「内部ビジネスプロセス」「学習と成長」「環境保全」というPKIを持っています。「環境保全」をこの中に入れている点がユニークで、ここにリコーらしさを出していこう、という意思が感じられます。個人でも、「家族」「学習と成長」「スポーツと健康」「仕事」「趣味」などに分けて、自分の成長を図るKPIを創ることが可能です。バランス感覚と、自分らしさ。そのために、KPIが必要で、まさにそのバランスを図るために、BSC(バランススコアカード)が必要になってきます。