原発とめろ!新橋アクションのブログ

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「2号機温度上昇・MOX燃料の3号機・4号機の展望」小出さん

2013年01月21日 | 申し入れ行動

【転載させていただきました】http://kiikochan.blog136.fc2.com/ みんな楽しくHappyがいい さんより

 

Sawada:
新年初めてという事ですけれども、
昨年末ですね、福島第一の2号機の温度の上昇というのが
いろんなところで報道されたという事がございましたけれども、
この2号機についての現状と今後の見通し、危険性についてお話しいただけますか?


小出:
はい。2号機の原子炉圧力容器のあちこちの温度が昨年の暮れに上昇データがあるのです。
それが何故か?という事で、
従来と同じように2号機の原子炉圧力容器の中には水が注入され続けていますので、
もしその温度の上昇が正しいということであれば、
これまでとは別の発熱源が生まれたと考えなければいけないと思います。
これまでの発熱源は炉心の中に溜まっていた放射性物質そのものですけれども、
それが増える事はありませんので、別の発熱源があるという事は、
原子炉が再び臨界状態になったという事以外にはあり得ないと思います。

ただし私自身は、原子炉が再び臨界になるという事は、
限りなく可能性が少ないと思ってきましたし、今もそう思っています。

そうすると、温度計が上昇するという物理現象を「これだろう」と推定することができませんので、
私としては、「多分、温度計の故障だ」と、今は思っています。
ただし、データの推移を注意深く見なければいけないという状態です。


Sawada:
ありがとうございます。
またですね、別な話で、3号機というのがもともとMOX燃料を使っているというようなところで、
1号機2号機と比べてですね、またさらに注意が必要か否か?というようなところはいかがでしょうか?


小出:
はい、3号機はモーレツな爆発を起こしたので、
その爆発についても「核爆発ではないか?」という指摘をしている方もいらっしゃるわけで、
3号機は1号機2号機と少し違う事故の経過をたどったという事は、多分そうだと思います。
ただし、MOX燃料というのはどういうものか?というと、
もともとはウランを燃料に使っていた燃料に、
プルトニウムという物質を混ぜて燃料にしたというのがMOX燃料ですが、
プルトニウムはウランに比べれば大変危険性が高いものですから、
MOX燃料を使うという事はそれだけで危険性が増えているという事は確実なのです。

しかし私はウランが核分裂して出来る核分裂生成物というものが、途方も無く危険なものだと思っていますので、
その途方も無く危険なものの中にプルトニウムの危険がなにがしか加わったとしても、
被ばくという意味で大きな危険の増加にはなっていないというふうに思います。

ですからみなさんMOX燃料を使っていたという事で、たとえば、
「プルトニウムが大量に噴き出してきたのではないか」というご心配をされているかもしれませんが、
おそらく、「あまり関係ない」と私は思います。

ただ、事故の経過自身が1号機2号機3号機全て、少しずつ違っていますので、
3号機独自の危険あった、大きな爆発が起きたとか、という事があったわけですから、
もちろんその事の意味がどういう事なのか?という事は今後検証しなければいけませんし、
これからも3号機の事故の進展が1号機、2号機と違うという事はあり得ると思いますので、
データをしっかりと見ていくという事が必要だと思います。

Sawada:
それに続きまして4号機が常に言われているようなところでありますけれども、
4号機の今後ですね、数年かけてという中で、足場を組んでキャスクに入れてというような中で、
取り出すのも難しい、また保管する受けての方も難しいというような話がありますけれども、
これについて、今後の展望という所と、あと、体制としてもですね、先生からのアドバイスとして、
先生は、本当なら僕らの願いとして先生に是非アドバイザーとして入っていただいて、
もう少し、先生以上にもっといろんな方も集めてと思う中、
ずーっと東電1社を見守るような形で経産省がやって来たというようなところがあるかと思いますけれども、
今後どういう形をとっていけばいいのか?という、
なんか、先生の知見も含めアドバイスいただけるところはありますか?


小出:
4号機の使用済み燃料プールの中には、既に使用済みとなった燃料。
つまりもう「ウランが燃え尽きた」、それだけ大量の放射性物質が含まれているという燃料が、1331体。
沈んでいるのです、プールの底に。
その他に204体「まだ燃やしていない」という燃料がプールの底に沈んでいました。
そして東京電力は、まずは
燃やしていない新燃料というものを2体だけプールの底から引き出してみたという作業をしたのです。
それはもうすでに行われましたし、
「大きな危険を伴わずにとにかく取り出す事が出来た」ということになりました。

しかし、使用済みの燃料というものは、実は「吊りだせない」のです。
それをプールの水から空中に引き出してしまうと、
「周辺の人達がバタバタと死んでしまう」というほどの危険物ですので、
新燃料と同じように釣り出す事が出来ない。

どうするか?というと、
私たちがキャスクと呼ぶ鋼鉄と鉛でできた巨大な容器を先ずプールの底に沈め、
そのきゃすくと呼ばれる容器の中に使用済みの燃料をいれて、蓋をして、
それ…そうしたことで初めて、水面につりだすことが出来るという、そういうものなのです。
ただ、キャスク自体は重さが100トンもあるという、そういう重量物ですので、簡単に吊り上げたり吊り降ろしたりという事ができない。
巨大なクレーンが必要だったりするわけですが、
すでに原子炉建屋は爆発してしまっていてボロボロになっているし、
クレーン自体も壊れてしまって「ない」んですね。

だからどうするか?と言えば
まずは、キャスクを吊り降ろしたり吊り上げたりできる、クレーンを設置しなければいけない。
そのためには、クレーンを支えるためのしっかりとした建物を建てなければならないという、
そういう事になっているんですね。
東京電力は今新しい建物を4号機の壊れた建屋の上にもう一度つくりなおして、
そこに巨大なクレーンを設置して、そしてキャスクを吊り上げたり吊り降ろしたり出来るようにして、
それから作業を始めようとしている訳です。
でもその作業が始められるようになるまでに、今年の暮れまでかかると言っているわけです。

私はまぁ、そうだろうと思います。
大変な作業ですし、時間がかかるだろうと思います。
そして、実際上できる事はそれしかないだろうと思いますので、
東京電力には一刻も早くその作業を早めてでもやって、
使用済み燃料を吊りだしを始めて欲しいと願います。

しかし、吊りだしが仮に始められたとしても、
1331体もある使用済み燃料をキャスクに入れながら、吊りあげて、
そして別の場所に持っていく。
まぁ、今東京電力は隣にある共用燃料プールという所に持っていこうとしている訳ですけれども、
持っていく。
そしてまた次のキャスクを沈めて、そこにまた使用済みの燃料を入れて、吊りあげて、
それをまた共用の燃料プールに移動するという事をやるわけですけれども、

もうすでに4号機の使用済み燃料プールの中にはがれきが崩れ落ちて散乱している訳ですね。
先ずはそのがれきも片付けなきゃいけないし、
崩れ落ちたがれきで使用済み燃料がすでに破損をしているかもしれない。
上手く吊り上げたり、キャスクに入れたりすることが出来ないかもしれない。という、
そういう状態になっているという訳です。

1331体もある使用済み燃料を、完璧に…外に出さなければいけないという、
大変に困難な作業だと私は思いますし、

そのためにまた、沢山の労働者が被爆をしていくだろうと思います。
「注意をしてやるしかない」ということです。

その上に、また
1号機から3号機の使用済み燃料プールの中にもまだ、燃え尽きて使用済みになった燃料が沈んでいて、
「それらはどうやって釣りだせるかすらがまだ分からない」という状態で、
これから何年何十年という苦闘が、被ばく作業とともに続くという事になります。


Sawada:
大変厳しいお言葉で、なかなかこう、希望が見いだせるタイミングではないんですけれども、
私たち国民の意識はだんだん遠のいている中にあるんですけど、
やっぱりこれを持ち続けて、監視し続けてどうあるべきか?という事を僕らが考えていって、
力にして、やっていくしかないと思うんですけど、
先生からそんな、一生懸命考えているリスナーのみなさんへ一言アドバイス、エールを頂けますか?


小出:
皆さんもう、福島の事故は終わったというふうに思っていられる方もいらっしゃるかもしれませんし、
国にしても東京電力にしても積極的にそういう宣伝を流しているわけですね。
マスコミはもう取り上げないし、
福島の人達がいまだに故郷を奪われて10万人を超える人々たちが流浪化しているという事実も伝えないというなかで、みなさんが忘れようとしているんですけれどもm、
でもいまだに福島第一原発の敷地の中でも事故は続いていますし、
その周辺にいた人々の苦難も未だに続いているわけで、
私は忘れて欲しくないし、これからも見まもって欲しいと思います。



Sawada:ありがとうございます。今年1年もまたぜひよろしくお願いいたします。

小出:こちらこそよろしくお願いいたします。







――チョ~個人的にきーこが書き出しながら感じちゃったこと――

何度も何度もお聞きしている内容です
何度も書き出した内容です
書くたびに思います
不可能だろうと

日本では、トンネルの屋根が落ちました
海外では橋が落ちました
道路も陥没しました
老朽化です

マンションは10年ごとに大規模修繕を行い
それでも老朽化により40年位で丸ごと建て替えます

自分の周りの景色を見渡せば、
もう崩れてもおかしくないものばかりがこの地上にあります。
頭の上に天井が落ちてくるかもしれない、
足の下が崩れて自分が下に落ちるかもしれない。

高度経済成長期に土を覆い、山を崩し、川を埋め自然を壊しながら造ってきたのもが、
かつて近代的だと言われていた構造物が今どんどん壊れ始めている。


原発は?
事故が無くてもコンクリートが崩れてくる頃
事故が無くてもなかの鉄骨がさびている頃
それがもっと、
事故で無残な姿になっていて、
なおかつ、これから先何十年もたたなければ、使用済み燃料棒も取り出せない。
メルトダウンして溶けてしまったものなんか取り出せるはずもなく・・・・

今日は書き出しながら不謹慎にも私は笑ってしまいました。
どう考えても無理だと思って、
どうしようもない事が本当にあるんだという事を改めて目の前に叩きつけられたような気がして、
…笑ってしまいました。

私は、無事に1~4号機すべての燃料を取り出すことは不可能だと思います。
あと何十年もあの建物が無事に残っているとはどうしても思えません。

もっと別の視点から、常識的ではない解決の方法で使用済み燃料棒を眠らせる方法は無いのでしょうか?

宙づりにしたらバタバタと人が死んでしまうような使用済み燃料棒が、
福島だけではなく、全国の原発にあるという事も忘れてはいけません。

そして、
現在から未来へ向かって、日本人の命は東京電力の手の中にある
そんなことも改めて…もう考えたくもない事実をまた噛みしめました。


あぁ~、
あまりにも悲惨な状態で手も足も出ないと思うと
人間って、笑っちゃうものなんだっていう事も改めて確認しました。



でも、こんなこと言ったらいけませんね、しかられますね、ごめんなさい。
現場で闘って下さっている人が沢山いるのに。

「できる」んですよね、
「出来るようにする」のが人間ですよね。
人間だもの。出来ない事はない。
自分で作ったものだもの、きっと何とかできるはず。

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