事情があり、土生町から田熊町に移転して2ヶ月が経過した。急な引っ越しだったためもあり、家財道具の中でも、タンス、子どもの勉強机、冷蔵庫は旧宅に残したままだった。
その家財道具が気になり、先日、やっと重い腰を上げた。私は、知り合いのいるシルバー人材センターに依頼して、引っ越しを断行したのだった。
作業は順調に進んだ。粗大ゴミを片付け、大物のタンスの引っ越しも完了した。ところが、ひとつだけ手違いがあった。
冷蔵庫の中に食品の一部が残されたままだったのだ。
冷凍庫の中で「サバ」が腐り、袋の中で真っ黒な色に変色している。卵もある。これは、片付ける際、ついうっかり床に落として、壮絶な臭気をまき散らす結果となった。さらに、まだまだ冷蔵庫放置事件は続く。引っ越し先の実家に持ち帰った冷蔵庫の中を観察すると、そこには無数の小蠅が生活圏を作っていたのだ。卵もある。ウジもいる。サナギもいる。
小蠅にとっては、「楽園」の崩壊。私にしてみれば、そのカタルシスを楽しみたかった。
しかし、その代償はあまりにも大きかった。
染みついた臭気。悲惨だった後片づけ。その後も続く冷蔵庫のメカニックトラブル。
私は、せめてその臭気だけでも解決できないものかと、懸命にインターネットで検索を掛けてみた。すると、とあるサイトに出会うことが出来たのだった。
そのサイトの名前は、「腐らせログ」。私は、そのサイトの記事を読んで、思わず爆笑してしまった。その反動もあり、私はつい、次のような投稿までそのサイトに送ってしまうことになった。
「レモンは腐るとムンクの「叫び」になる」
冬、友人からレモンをもらった。冷蔵庫脇の網棚のあるレンジ台に乗せていたところ、数個使ってその存在を忘れてしまっていた。
半年後の梅雨の時期、スーパーのレジ袋を片付けようとレンジ台を片付けていた私が見たモノは、赤茶けて、まるでムンクの「叫び」のように訴える今にも崩れそうなレモンだった。網棚の下には新緑の絨毯が敷き詰められ、その絨毯の回りには白くなってポワポワした妖精のようなカビが取り巻いている。
何とかしたい、という気持ちとは裏腹に、じっとレモンだったはずの「叫び」を見続けていた。しばらく見つめていると、不思議にも、どんな感触なのか確かめてみたい衝動に駆られてきたのはなぜだろう。注意深く、匂いを嗅ぐが、臭気は感じられない。
たぶん、大丈夫だろう。でも、その瞬間、ネチャッとしたらどうしよう。
呪文のように「後で手を洗えば何とかなる」と開き直って、その物体に触れてみた。
意外に固い?もしかしたら、乾燥している?しかも、こびり付いて取れない。
網にトロリとした餅がこびり付いた焼きたての餅を引きはがすようにその物体を引きはがしてみると、あの質感のあったレモンとは思えないほどの軽さだった。しかも、その下に敷き詰められた絨毯は、モップに水を浸して擦るとあっけなくきれいになってしまった。
ちなみに、このサイトのお勧め記事は、「ぢるち」さんのクリームシチュー事件。「ハートステーションなないろ」では、ちょっと脚色して伝えたところ、たいへんうけました。
その家財道具が気になり、先日、やっと重い腰を上げた。私は、知り合いのいるシルバー人材センターに依頼して、引っ越しを断行したのだった。
作業は順調に進んだ。粗大ゴミを片付け、大物のタンスの引っ越しも完了した。ところが、ひとつだけ手違いがあった。
冷蔵庫の中に食品の一部が残されたままだったのだ。
冷凍庫の中で「サバ」が腐り、袋の中で真っ黒な色に変色している。卵もある。これは、片付ける際、ついうっかり床に落として、壮絶な臭気をまき散らす結果となった。さらに、まだまだ冷蔵庫放置事件は続く。引っ越し先の実家に持ち帰った冷蔵庫の中を観察すると、そこには無数の小蠅が生活圏を作っていたのだ。卵もある。ウジもいる。サナギもいる。
小蠅にとっては、「楽園」の崩壊。私にしてみれば、そのカタルシスを楽しみたかった。
しかし、その代償はあまりにも大きかった。
染みついた臭気。悲惨だった後片づけ。その後も続く冷蔵庫のメカニックトラブル。
私は、せめてその臭気だけでも解決できないものかと、懸命にインターネットで検索を掛けてみた。すると、とあるサイトに出会うことが出来たのだった。
そのサイトの名前は、「腐らせログ」。私は、そのサイトの記事を読んで、思わず爆笑してしまった。その反動もあり、私はつい、次のような投稿までそのサイトに送ってしまうことになった。
「レモンは腐るとムンクの「叫び」になる」
冬、友人からレモンをもらった。冷蔵庫脇の網棚のあるレンジ台に乗せていたところ、数個使ってその存在を忘れてしまっていた。
半年後の梅雨の時期、スーパーのレジ袋を片付けようとレンジ台を片付けていた私が見たモノは、赤茶けて、まるでムンクの「叫び」のように訴える今にも崩れそうなレモンだった。網棚の下には新緑の絨毯が敷き詰められ、その絨毯の回りには白くなってポワポワした妖精のようなカビが取り巻いている。
何とかしたい、という気持ちとは裏腹に、じっとレモンだったはずの「叫び」を見続けていた。しばらく見つめていると、不思議にも、どんな感触なのか確かめてみたい衝動に駆られてきたのはなぜだろう。注意深く、匂いを嗅ぐが、臭気は感じられない。
たぶん、大丈夫だろう。でも、その瞬間、ネチャッとしたらどうしよう。
呪文のように「後で手を洗えば何とかなる」と開き直って、その物体に触れてみた。
意外に固い?もしかしたら、乾燥している?しかも、こびり付いて取れない。
網にトロリとした餅がこびり付いた焼きたての餅を引きはがすようにその物体を引きはがしてみると、あの質感のあったレモンとは思えないほどの軽さだった。しかも、その下に敷き詰められた絨毯は、モップに水を浸して擦るとあっけなくきれいになってしまった。
ちなみに、このサイトのお勧め記事は、「ぢるち」さんのクリームシチュー事件。「ハートステーションなないろ」では、ちょっと脚色して伝えたところ、たいへんうけました。
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