椎名純平BLOG
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Weblog / 2013-07-20 03:52:07

参院選の投開票がいよいよ明日に迫ってきた。
この選挙戦のあいだ、僕はツイッターやFaceBookで三宅洋平について(主観的には)少しずつ、控えめに触れて来た。例の“選挙フェス”の告知をシェアしたりRTしたりしてね。
ただ、そこに僕の意見を書き加えることは差し控えていた。
ツイッターの字数やFBの流れの中で選挙や政治の話をするのはやはりちょっと無理があるように思えて…。

ならばブログで、というわけで、今宵は三宅洋平についてちょいと書こうと思う。
と言っても「お願いします、洋平に清き一票を」とか「ヘイみんな選挙行こうぜ」などとまくしたてるつもりは毛頭ない。(あった方が三宅陣営は喜ぶのかもしれないが)
じゃあ何故書くのかと問われれば「三宅洋平?あぁあの参院選出てるレゲエのひと?」というあなたに、少しばかりお伝えしたいのだ。
もう少し彼のことを知っておいても損はないですぜ、と。
今回参院選で当選しようがしまいが、遠からずこの男はあなたのもとに現れるから。


僕が彼と出会ったのは2003年か2004年か…
初めは…そう、当時僕と一緒にバンドやってた元晴くん(Soil&“Pimp” Sessions)から「ドギースタイルっていうバンドがあってさ、最っ高なんだよ。洋平ってのがいて…」などと聞かされててねぇ。そうこうするうちに、そのドギースタイルとやらがLoop Junktionとソイルと対バンするっつうから吉祥寺に観に行ったんだ、確か。
初めて観たドギースタイルは音楽的にもジャンルごっちゃ混ぜでバンドは最高にフリーキーで面白かったんだけど、何より印象に残ったのは洋平がもうむっちゃくちゃに喋り倒すこと。曲間のMCはもちろんのこと、曲の途中でも喋る喋る。音楽のこと、現代社会のこと、当時の彼のホームタウン吉祥寺のこと、政治のこと、彼が憧れるボブ・マーリィやマーティン・ルーサー・キングやジャック・ケルアックのこと etc...溢れ出す想いが歌詞になりメロディになり、そこに収まりきらぬ想いがまた喋りとなり、その境目はもはや渾然一体のカオス。
ただ、どの話にも一本太い筋が通っていて、真っすぐ正面を見据える目に迷いは見えなかった。
なるほど、信念の男なのだ。
なんだかよくわからないけど、とにかくすげぇ奴だ、という印象は残った。

(余談ながら、上掲のバンドたち、ドギーやソイルやループジャンクションといった界隈を中心としたわさわさが程なくしてnbsaというイベント/ムーブメントに結実していき…って言う話が、それはそれでとても面白いんだけど、長くなっちゃうので別の機会に)


とまぁ、そういう彼なので、政界に挑戦するという話を聞かされたときも全く驚かなかった。
「まぁ、やるよね」と。


今回の彼の主張はとてもシンプル。
ここ数年の主流だった“マニフェスト”ってやつの真逆を行っている。

三宅洋平政策ビジョン
1. 文化を最大の輸出品に
2. 復興は補償から
3. 除染から廃炉ビジネスへ
4. 送電線から蓄電技術へ
5. 消費増税より金融資産課税を
6. 大規模農業から家庭菜園へ
7. 官僚主権から住民主権へ
8. 破壊の公共事業から再生の公共事業へ
9. 憲法九条を世界遺産に

どうだろう?
これを見るだけでおおまかな主張が見えてきますよね。
基本的にまったく正論。
僕らのうちの何割かが「こうなったらいいなぁ」「こうなるべきかもなぁ」と考えそうなことだ。
ちなみに、この辺りの主張の骨子は、僕が出会った頃からほとんど変わってないし、なんとなれば彼が出馬のずっと前からずっとツイッターとかで書いていたことそのものだったりする。
やはり、信念の男なのだ。

そして、彼の演説はこういう感じ。


時間ない方も、まずは冒頭の5分くらいを観て頂ければ。
どうだろう?第一印象はどうです?
もの凄く分かりやすいと思いませんか!?
彼は、僕らが知る言葉だけで、(彼も含めた)僕らの憂慮を語っている。
彼の言葉と僕らの言葉のあいだ、彼の住む世界と僕らの住む世界のあいだに乖離がない。
そして、政治家のスピーチにありがちな、主語の無い、うわついた、はぐらかされるような言葉遣いが、まったくない。

何より僕が気に入っているのは、彼の中に通底している“チャランケ”という思想。
チャランケってのはアイヌ語で“とことん話し合う”というような意味だそう。
(ちなみにチャランケという言葉は幾分物騒だそうで、いま彼は“ウコイタク”という言葉も併用しているようだ)
相容れない相手を罵倒するのではなく(罵倒するばっかの政治家はすぐに数人思いつきますね)、そういう相手とでさえも“チャランケ”することで、より良い答えが出せるはずだ、という理想を、彼は高々と掲げている。

上掲リンクの演説の23分あたりで、彼が“no war”とか“no nukes”という言葉で傷つくかもしれない人々への配慮を見せたことに、僕は驚いた。だって、no nukesはともかくno warだなんて、今となっては誰でも無造作に扱う言葉だ。おぉ、洋平よ、君はそういう人々まで仲間に入れた上で自分の主張をしていく覚悟なのか、と。


とは言え。
上記のもろもろを、あまりに美しすぎる、ナイーブすぎると思われる向きもあるだろう。
そもそも、ミュージシャン風情に政治が出来るものか。
当選したとして、大政党の間に入って何が出来るというのか(なにも出来ないだろう)とお思いの方がいるであろうことも分かっています。

まぁ正直言うと、僕もそういう方々にある程度は同意する。
少なくとも当初は、彼が影響力を持つのは難しいだろう。
議会制民主主義では多数決がすべて。
彼が緑の党で、まして参議院でひとつふたつの議席を持っていたところで…ねぇ。

でも。でもでも。
彼のチャランケ力に、声のデカさに、僕は期待してみたい。
期待しちゃうんだ。
もしかしたら…
彼がYouTubeのあの調子のままに国会に行き、党派を超えた連帯を、そして一大勢力を作っちゃうんじゃないか…ってね。

僕は、三宅洋平が音楽家であるかどうかはこの際どうでもいい。
日本のピンチに立ち上がったこの男に、ありがとうと言いたい。
煎じ詰めてしまえば、ただそれだけだ。
だって。
だってだって、音楽家が政界に出てっても、1ミリも得しないですよ。ほんとに。
彼は、身に余る使命感を勝手に感じてくれている。
その心意気に、ありがとうと言いたい。
今回に関して言うと、僕はそういう一票を投じようと思ってます。


最後にもうひとつ。
YouTubeの中で洋平は、再三こちらに問いかける。
「誰が世の中を動かしていくのか?」
これは、彼が当選しようとしまいと変わらぬ話だ。
投票したらあとは代議士(代わりに議論する人=士)に任せっきり、ではなく、僕らもコミットしていかねばね…。

↓三宅洋平のブログです
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