椎名純平BLOG
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Weblog / 2012-04-27 00:38:21

久々にライブ告知以外の記事をお届けします。
今日はオーディオの話をば。

写真のスピーカー、これは“Soul Note”というメーカーのものです。
ひょんな事から、いま、このスピーカーと、同メーカーの電源、アンプをお借りしているのです。

ひょんな事。ちょいと長話になりますが。

 僕は10年ほど前にVWゴルフという車に乗っていました。
 いや当然新車ではございません。
 10年前の時点で10年落ちの大中古外車でしたから、メンテは必須。
 当時の主治医は、町田にあるスピニングガレージというお店でした。
 ここんちは、VWゴルフの、しかも二代目だけをメンテナンス/販売するという、
 何とも変わったお店。
 店長の田中君が僕と同い年なのにずいぶんしっかり者でねぇ。

 僕のゴルフは、まぁあちこち壊れてくれやがりました。
 なんかヒーター効かないなぁと思ってたら冷却水すっからかんで、空冷状態で
 走ってました…とか。
 お前はビートルか、ってね。
 246南平台で17号バイパスでその他あちこちで走行中に突然エンスト、とか。
 明治通り神宮前辺りでエンジンが全く掛からなくなり途方に暮れていたら、
 通りすがりの外人さんグループが一緒に押し掛けしてくれたり、とか。
 枚挙に暇なし。
 そんな問題児でしたが、田中君の献身的なメンテのおかげで、なんとか
 乗り続ける事が出来ました。
 まぁとにかく田中君にはお世話になりまくった訳です。

 ところが、ゴルフは自爆事故で全損させてしまい、突然のジ・エンド。
 以降僕の変な中古車ばかりを巡る旅が始まるんですが…まぁそれはまた
 別の機会に。

 ともあれ。
 車が変わったら主治医も変わり、お店とは縁が切れてしまうのが普通なんですが、
 田中君とはその後もたまにメールのやり取りをしたり、ライブに遊びにきてくれたり
 という温度感で、うっすら親交が続きました。

 そんな田中君は、ただの車オタクでは全くなくて、音楽にも造詣が深いんです。
 そのせいか、お客さんに音楽関係者がちょいちょいいるらしい、という話は聞いて
 いました。

 そんな田中君から、昨年末、久しぶりに電話が掛かってきました。
 店の忘年会をやるから、ちょいと演奏してくれないかと。
 当然快諾。

 その忘年会は、Soul Noteというオーディオメーカーと合同でやる、と。
 (はい、ようやく出てきましたSoul Noteの名が…)
 なんでも、社長さんがゴルフ乗りで、しかも会社が町田にあるから云々。
 んで、その社長さん含めてお客さんにミュージシャンが何人かいるから、
 ちょっとセッションなぞやってくれないか、と。

 やりましょうやりましょう。
 んじゃあ、一応リハーサルしときますか。
 そうですね。やりましょう。
 そしたらSoul Noteのオフィスが音出せるから、そこでリハしときましょう。
 そうして、Soul Noteの社長さん、鈴木さんと出会ったのです。

 オーティオメーカーの人、しかもほとんど個人経営で、設計からアセンブルまで
 一人でやってらっしゃる…お会いする前は、どんな気難しい職人さんなんだろうか…
 話合うかなぁ…などと、少々気が重かったのですが、実際お会いした鈴木さんは、
 えらく情熱的で、ロックな背骨のあるナイスガイでした。
 順調に進んだリハーサルもそこそこに、鈴木さんが
 「ちょっとウチの製品を聴いてくれないか」と。
 願ってもない展開です。

 試聴室で聴いたその音は、ちょっとした驚きでした。
 生々しくて、パワーがあって、繊細で…
 僕の語彙ではとても表現しきれませんが、とにかく音の良さに感動しました。
 ピアノの一音が、ドラムのアタックひとつが“良い音”で再生されるだけで、
 人は感動するものなんですね。 
 しばしば揶揄の対象になる“オーディオマニア”なる人種が、なぜ音楽を聴かずに
 音を聴いてしまうのか、その理由がとてもよく分かりました。
 こういうシステムで聴いてたら、“音楽マニア”じゃなくて“音マニア”になっちゃう
 人もいるかもね。
 日々このシステムで音楽を聴いていたら、僕が作る曲も変わりそう。

 そんなこんなを伝えると、鈴木さんは
 「今の若い子たちは、劣悪なオーディオシステムで音楽を聴いているから、
 感性が育たない。」という辺りから始まるとても熱い話を聞かせてくれました。
 んで、「もし良ければこれらをしばらく使ってみてくれないか」と。

 うわぁ、いやそんなつもりで褒めたんじゃないのに…
 

ともあれ、そういう経緯でこのシステムがウチにやってきました。

僕はまだヴィンテージだとかハイエンドオーディオの音にほとんど触れた事がないので、
世間で“良い音”とされる音の基準がよく分かっていません。
確かに僕は音楽のプロだけれども、あくまで作って演奏するプロであって、オーディオの事はほとんどド素人です。
だから、この記事をこの製品の宣伝だと思って欲しくないし、あまり当てにしないで欲しいんだけど(笑)、
でも言っときます。
Soul Noteのアンプ、スピーカーはやっぱり素晴らしいです。
そして、このシステムでいろんな音楽を聴いてはっきり分かったのは
「音のスピードをどれだけ正確に再生出来るか」
というのがオーディオのキモの一つである、ということです。

例えばドラムの音が“パン!”となったとして、パンの“パ”を逃すことなくはっきり鳴らせるか、
そして“ン”の後音が消え入るまでを奇麗に鳴らしきれるのか。
ヴォーカルであれば、歌う前のブレス、あるいはその前の一瞬のためらいさえ鳴らしてしまうなら、
そのオーディオシステムは一流であると言っていいと思います。

このシステムを得て、音楽というのは、無音から始まって、やがて音が鳴り響き、そして無音に還っていく、
その時間の流れるさまを楽しむものなんだな…と、気づかされました。

さて、僕が作る曲が変わるかどうか…?
どうでしょうねぇ。


comment ( 1 )  |   Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
Unknown (いおり)
2012-04-28 11:44:34
深いですねえ。
どんな結果になるか楽しみにしています
 
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