志穂 つぶやかないで、いってみよう。

日々の出来事を書いていきます。

第九の譜読み

2009-01-02 23:02:34 | Weblog
大晦日の昨日、ふとしたことから、夜な夜な
 「第九の譜読み」
をすることに…

しかも、第九の合唱用の譜面でもなく、パート譜(各楽器のパートごとの譜面)でもなく、今回譜読みしたのは

  第九のスコア・・・1楽章~4楽章( ̄▽ ̄);

吹奏楽とかオーケストラの経験のある人はご存知だと思いますが、
スコアというのは、指揮者が見るための譜面。

演奏者が使用する譜面は、自分が演奏する部分の音が書いてあるだけですが、
スコアは、全パートの譜が載っています。
スコアを見れば、どのパートがどこでどんな音を出すかが分かります。


きっかけは大晦日の夜。
テレビでN響の第九を聴いていた夫が聞いてきました。

 夫「ねえねえ、ファゴットの人が、吹きながら口をパクパクしてるんだけど、
   ファゴットってそうやって吹くの?」
 私「へっ?!息継ぎしてるだけじゃなくて???」

私は高校3年間が吹奏楽部、卒業後にちょっとだけ、ジャズのサックスをやってましたが、ファゴットを実際に吹いているのを目の前で見たことはありません。

第九を演奏するファゴットの奏者を見ていると、確かに口が「プクプク」って感じで動いてます。
でも、そのとなりの奏者は、殆ど口が動いて無い…

ファゴットは、オーボエと同じく「ダブルリード楽器(リードを2枚合わせて音を出す楽器)」ですが、オーボエ吹いてる人は普通に吹いてたしなあ…

でも、オーボエについても、吹いている人を目の前で見たことがあるだけで
自分が実際に吹いたことがあるわけじゃないので、良く分かりません…

アレコレ考えてみて出てきたのが
  「タンギングしてるんじゃないか?」

タンギングっていうのは、スタッカート音(音を短く切る)を吹くときに、
リードに舌の先を当てて音を短く切って吹くことです。
音を短く切るのを、息で調整するのではなく、舌をリードに当てて
音を切ることで表現します。

クラリネットやサックスもリード楽器なので、
基本的にタンギングの仕方は同じ(ハズ…)

これなら、N響のファゴットの人みたいに
  「口がプクプク動く」
可能性があります。
人によって、口の動きが殆ど無かったり、目立ったりしますが、
舌を動かしているので、口や頬が動きます。

私「弦楽器が主旋律をやってて、管楽器が裏でスタッカート音を演奏して無い?」
夫「う~んそうかも…そんな気がする…」
私「う~ん…第九のスコアでもあれば確認できるんだけどね~
  ネットに公開されてないかなあ」
夫「う~ん、著作権は切れてるけど、交響曲は長いし、ネットには無いんじゃないかなあ・・・」

第九のスコアがネット上に無料で無いか、探してました。
で、あっさり見つかりました。

こちらのサイトで、ベートーベンの楽譜が公開されてます。
(PDF形式で無料でダウンロードできます。)
交響曲以外もありますし、他の作曲家の譜面も「たんまりと」あります。
<IMSLP / Petrucci Music Library>
http://imslp.org/wiki/Category:Beethoven%2C_Ludwig_van

公開されている楽譜は無料でダウンロードできますが、
クラブ活動や、アマチュア団体など、
割と本格的なオーケストラで使用するなら、
市販されている譜面を、きちんと購入した方がよいとのこと。

無料公開の譜面が悪いと言うわけではありませんが、
スコア譜しか公開されていないので、パート譜を作るなら、
スコアから拾わなければならないですし。


で、第九のスコアをダウンロードしました。
第1楽章~第4楽章。更に第4楽章は量が多すぎて3分割されていたので、
全部でPDFファイル6つ分。

早速、第1楽章の頭から読み始めましたが、1楽章~4楽章で
6~70分はあるベートーベンの第九。
マトモに読んでいたら、朝が来ても終わりません

第九を聴きつつ譜読みをすれば、ざっと読むことが出来るので…

私「ねえ、第九のCD掛けてよ。さっき言ってた箇所を確認するから」
夫「第九のCD…無い…」

第九のCDは持ってたはずらしいのですが、
どこかへ行ってしまって見つからないそうです。


夫が指摘していた箇所は、2楽章なのですが、
2楽章の途中に、管楽器のスタッカートが連続している箇所がありました。

私「ここだけど、弦楽器の主旋律、こんな感じのメロディだった?」
夫「わかんない…」

結局、ファゴット奏者が「口をプクプクさせていた」のが
2楽章のスタッカート続きの部分だったのかどうかは分かりませんでしたが…
面白いので、そのまま3楽章、4楽章と譜読みを続行(笑)

といっても、ミッチリ読んでるわけにもいかないので、ざっと読みつつ、
4楽章の頭の出だし部分はYouTubeに映像があったので、
それで確認しつつ、ざっと読んでいきました。

夫にYouTubeの映像の音を聞かせつつ
「この辺で、低音弦楽器(チェロとコントラバス)が主旋律を弾いて、それに管楽器が続いて…」
みたいに説明しつつ、なんか、すっかり自分も楽しんでました(笑)

夫に
 「スコア譜で、どこか見てみたいところある?」
と聞いたら
 「4楽章で合唱が始まるところ」
というので、合唱の前の、バリトンのソロが始まるところから
スコア譜を追いかけていき、各ソリストと合唱の部分、合唱のみの部分と続いて、
合唱が終わるところまで追いかけ、第九のラストまで譜読みしてお終い。

まさか、こんな形で第九のスコアを譜読みすることになるとは思いませんでしたが、面白かったです。

結局病みつきになり
 ・ベートーベン交響曲第5番「運命」
 ・ベートーベンピアノソナタ 数曲
 ・ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
などなどダウンロードして、楽しんでます(笑)

っても、譜面読んでるだけだから…ホントに弾ければ一番いいんだけど、
そんなテクニックは持ち合わせてません~