第34回横溝史ミステリ大賞受賞作です。著者は元お笑い芸人だったそうで、そのせいか
何となく話が落語の世界のようでいてどことなくユーモアがあるように感じました。
お通夜の席に集まった人々が故人の思い出話をしているうちに、過去に起きた事件や事故に微妙に個人が係わっていたのじゃないかと思うような事態になっていき
誰もが疑心暗鬼に囚われていくという展開のミステリです。この徐々に明らかになる過去の出来事と個人の行動を語るお通夜の出席者たちの顔ぶれも上手く設定されていて
もしかしたらと云う気分になっていくお通夜の客たちと同様に、読んでいる読者もその方向に向かわせる記述の上手さがあるように思います。
どのエピソードも客観的には状況証拠でしかありませんが、告発には十分な内容です。
生前大勢の人から慕われて神様のような人だと云われた故人の本当の顔はどうだったのか? その真実は・・・。興味を引く物語です。
でもミステリですから読者の予想をひっくり返すオチがなければいけません。
そこのところは「ある手」を使って話を収めています。この手は話の流れや全体の様子から見てもそんなに違和感もなくどちらかと云うと上手くいっていると思います。
大賞受賞作としては品格や個性や完成度からみても納得の作品と云えるのじゃないかと思います。
だいいちミステリ好きならこの展開の話しは読まずにはいられないでしょう。プロットの勝利だと思います。
読みやすくどことなくユーモアを感じる文章で楽しく読み終えました。
何となく話が落語の世界のようでいてどことなくユーモアがあるように感じました。
お通夜の席に集まった人々が故人の思い出話をしているうちに、過去に起きた事件や事故に微妙に個人が係わっていたのじゃないかと思うような事態になっていき
誰もが疑心暗鬼に囚われていくという展開のミステリです。この徐々に明らかになる過去の出来事と個人の行動を語るお通夜の出席者たちの顔ぶれも上手く設定されていて
もしかしたらと云う気分になっていくお通夜の客たちと同様に、読んでいる読者もその方向に向かわせる記述の上手さがあるように思います。
どのエピソードも客観的には状況証拠でしかありませんが、告発には十分な内容です。
生前大勢の人から慕われて神様のような人だと云われた故人の本当の顔はどうだったのか? その真実は・・・。興味を引く物語です。
でもミステリですから読者の予想をひっくり返すオチがなければいけません。
そこのところは「ある手」を使って話を収めています。この手は話の流れや全体の様子から見てもそんなに違和感もなくどちらかと云うと上手くいっていると思います。
大賞受賞作としては品格や個性や完成度からみても納得の作品と云えるのじゃないかと思います。
だいいちミステリ好きならこの展開の話しは読まずにはいられないでしょう。プロットの勝利だと思います。
読みやすくどことなくユーモアを感じる文章で楽しく読み終えました。