Mのミステリー研究所

古今東西の面白いミステリーを紹介します。
まだ読んでいないアナタにとっておきの一冊をご紹介。

『目くらましの道』へニング・マンケルのミステリ

2015-08-01 15:13:33 | ミステリ小説
                      

スウェーデンのミステリです。 国が違えば日本の常識とはかけ離れた文化であり
生活の様子や仕事に対する面でも「?」と思うところが色々出てきますが、そういったところも含めて楽しむことが海外小説を読む面白さです。

残忍な事件が起きます。そして第二、第三と事件が続きます。五里霧中のなか捜査チームは着実に調べて分析し犯人に迫っていきます。
文庫本上・下のボリュームですが描かれているのは捜査チームのコツコツとした地味な捜査の様子です。

この本の特徴は無理の無いところです。 それぞれの動きや捜査の過程などとても自然な動きで書かれています。ご都合主義で書かれた人の動きや
犯人の動機など不自然なところは何ひとつありません。そこがこの物語を面白く読ませる一番の要因だと思います。

事件の流れ、捜査の進み方など無理なく書かれていて、ひとつひとつの出来事が最後に繋がる様子はとても上手いと、その構成力に感心します。
もちろん物語の芯をなす犯人の動きなどでスウェーデン社会の抱える現状を浮き彫りにするなど、背景もしっかりと描かれており物語の深さを感じ取れる

内容になっています。試行錯誤の末犯人に辿り着く捜査チームの責任者である警部。彼も人間味溢れる人物でこの主人公の良さが
この物語を依り面白く読ませることになっていると思います。派手な展開で読ませる内容ではなくじっくりと読ませるミステリです。

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