今日は日本選手権準決勝、早稲田対東芝府中を見に行ってきました。
結果は43-0で東芝府中が勝利。
とはいえ早稲田は激しいゲームを見せてくれました。前半は東芝の個人の強さ、そして組織的な速さに対して必死のディフェンスを繰り広げます。東芝は、経験したことのないディフェンス、タックルの激しさに苦労します。早稲田はFWがモール・ラインアウトともに崩壊。それにもかかわらずディフェンスの激しさで相手のミスを誘い0-12で折り返します。
ちなみに前半の東芝のトライはマクラウドの個人技とモールからのトライでした。この二つのトライには絶望的な力の差を感じました。早稲田の攻撃はFWが不利なため予想通りBKでの展開ラグビーが中心。しかし、東芝のディフェンスの速さと激しさに阻まれゴールラインにせまることすら出来ませんでした。やっと手に入れたPGのチャンスも距離が遠くて失敗。前半ロスタイムには曽我部が苦肉の策でDGするもこれまた失敗で点を取ることができませんでいした。
後半はいきなりトライを立て続けにとられて24-0とされます。勝負はほぼ決しました。しかし、こうなったらあとは早稲田のアイデンティティを見せつけるのみ。激しいディフェンスで東芝の攻撃をことごとく防ぎ、後半36分まで20分以上の時間、東芝を無失点に抑え続けます。この間は鮮やかな攻撃シーンもあり、インゴールまであともう少しのところに迫ります。矢富や今村のアタックはすばらしかったです。また、PGが狙える位置であるにもかかわらず、ひたすらスクラムを選択し続けたFWの拘りにも感動。中でも圧巻だったのはスクラムトライを狙いにいったシーン。惜しくも反則のためトライにはなりませんでしたが、インゴールめがけてFWが前進していくときには会場中に「早稲田コール」。先週に引き続き、またしてもファンと選手がコラボ。会場が一つになります。
しかし、その頑張りも最後には力つきました。タックルがうまく入らなくなり、3トライを一気に献上。万事休しました。最後は早稲田が力尽きて無情のノーサイド・・・。
ノーサイドの瞬間、早稲田の選手は泣いていました。特に下級生が泣きまくっていたのが印象的でした。4年生は気丈に振る舞い、下級生を慰めていました。次はお前たちが借りを返す番だ、と。
涙が止まらない権丈、菅野、種本。隆道にすがりつく矢富。前半20分、負傷退場するときに泣きながらグラウンドに戻ろうとした豊田、それを必死に抑えたトレーナー。彼らの悔し涙が明日につながるのだと思います。この熱さがあるから早稲田はいつまでも強い。
清宮さんは試合後に涙ながらに語っています。
「今日の負けは『佐々木組』の最後にふさわしいものだったと思う。今年のチームも昨年のチームも、この5年間は負けから色々なことを学んできた。それがワセダの歴史でもある。今日の負けがチームの糧になるし、この負けがあるからまた次がんばれる。今日のこの負けがあるから次もある。そういう負けだった。」
5年間常に進化をしてきた清宮ワセダの集大成が佐々木組でした。スタート時は佐々木組は正直、頼りなかった。去年の諸岡組の史上最強FWがごっそり抜け、BKもそのメンバーが代わり、春の時点では、セコムや三菱重工相模原という社会人に勝つ一方で、同志社に危うく負けるところだったり、慶應にスクラムで負けていたりと、ガラスのようなチームでした。はっきり言って関東には勝てないだろう、と。それが俺の予想でした。
しかし、その下馬評を覆したのが忘れもしない6・25決戦@三ツ沢。早稲田は関東相手に圧倒して19-7。点差以上に双方には圧倒的な力の差がありました。しかもこの試合には隆道・内橋・首藤らが欠場していたのにもかかわらずです。この試合が終わった後、俺は佐々木組の強さがやっと分かりました。そして夏の菅平での再戦、ここでも勝利。
秋になると主力選手が復帰し、東芝戦を機にさらに強くなっていく早稲田に対し有賀を欠いた関東は弱体化を続け、決勝は早稲田VS同志社か、と思った時期もありました。早稲田は早慶戦でアルティメットクラッシュを見せつけ、もはやその強さは諸岡組の比ではありませんでした。大学選手権で慶應には苦戦したものの、立命館・法政は早稲田の相手になりませんでした。そして極め付けが大学選手権。5年間で最多得点差で関東をアルティメットクラッシュ・・・。
早稲田史上最強から学生史上最強へ、佐々木組は進化。
清宮さんの言う「俺は隆道の荒ぶるが聞きたい」は現実へと。
そして、佐々木組のミッション・打倒社会人は達成され、佐々木組は伝説になりました。
佐々木組の最強神話はいつまでも語り継がれていくことでしょう。奇しくも同じ大阪出身、同じポジション、同じ熱いキャプテンシーを持つ二人の男が作っていったこの伝説を俺は絶対に忘れません。
PS.今日も都内某所の飲み屋へ行ってきました。重責から解放された男たちの笑顔が印象的でした。やりきったという表情でしたね。佐々木組にはそれぞれの進む道で頑張ってもらいたいですね。1年間、夢を見させ続けてくれて、本当にありがとうございました。
結果は43-0で東芝府中が勝利。
とはいえ早稲田は激しいゲームを見せてくれました。前半は東芝の個人の強さ、そして組織的な速さに対して必死のディフェンスを繰り広げます。東芝は、経験したことのないディフェンス、タックルの激しさに苦労します。早稲田はFWがモール・ラインアウトともに崩壊。それにもかかわらずディフェンスの激しさで相手のミスを誘い0-12で折り返します。
ちなみに前半の東芝のトライはマクラウドの個人技とモールからのトライでした。この二つのトライには絶望的な力の差を感じました。早稲田の攻撃はFWが不利なため予想通りBKでの展開ラグビーが中心。しかし、東芝のディフェンスの速さと激しさに阻まれゴールラインにせまることすら出来ませんでした。やっと手に入れたPGのチャンスも距離が遠くて失敗。前半ロスタイムには曽我部が苦肉の策でDGするもこれまた失敗で点を取ることができませんでいした。
後半はいきなりトライを立て続けにとられて24-0とされます。勝負はほぼ決しました。しかし、こうなったらあとは早稲田のアイデンティティを見せつけるのみ。激しいディフェンスで東芝の攻撃をことごとく防ぎ、後半36分まで20分以上の時間、東芝を無失点に抑え続けます。この間は鮮やかな攻撃シーンもあり、インゴールまであともう少しのところに迫ります。矢富や今村のアタックはすばらしかったです。また、PGが狙える位置であるにもかかわらず、ひたすらスクラムを選択し続けたFWの拘りにも感動。中でも圧巻だったのはスクラムトライを狙いにいったシーン。惜しくも反則のためトライにはなりませんでしたが、インゴールめがけてFWが前進していくときには会場中に「早稲田コール」。先週に引き続き、またしてもファンと選手がコラボ。会場が一つになります。
しかし、その頑張りも最後には力つきました。タックルがうまく入らなくなり、3トライを一気に献上。万事休しました。最後は早稲田が力尽きて無情のノーサイド・・・。
ノーサイドの瞬間、早稲田の選手は泣いていました。特に下級生が泣きまくっていたのが印象的でした。4年生は気丈に振る舞い、下級生を慰めていました。次はお前たちが借りを返す番だ、と。
涙が止まらない権丈、菅野、種本。隆道にすがりつく矢富。前半20分、負傷退場するときに泣きながらグラウンドに戻ろうとした豊田、それを必死に抑えたトレーナー。彼らの悔し涙が明日につながるのだと思います。この熱さがあるから早稲田はいつまでも強い。
清宮さんは試合後に涙ながらに語っています。
「今日の負けは『佐々木組』の最後にふさわしいものだったと思う。今年のチームも昨年のチームも、この5年間は負けから色々なことを学んできた。それがワセダの歴史でもある。今日の負けがチームの糧になるし、この負けがあるからまた次がんばれる。今日のこの負けがあるから次もある。そういう負けだった。」
5年間常に進化をしてきた清宮ワセダの集大成が佐々木組でした。スタート時は佐々木組は正直、頼りなかった。去年の諸岡組の史上最強FWがごっそり抜け、BKもそのメンバーが代わり、春の時点では、セコムや三菱重工相模原という社会人に勝つ一方で、同志社に危うく負けるところだったり、慶應にスクラムで負けていたりと、ガラスのようなチームでした。はっきり言って関東には勝てないだろう、と。それが俺の予想でした。
しかし、その下馬評を覆したのが忘れもしない6・25決戦@三ツ沢。早稲田は関東相手に圧倒して19-7。点差以上に双方には圧倒的な力の差がありました。しかもこの試合には隆道・内橋・首藤らが欠場していたのにもかかわらずです。この試合が終わった後、俺は佐々木組の強さがやっと分かりました。そして夏の菅平での再戦、ここでも勝利。
秋になると主力選手が復帰し、東芝戦を機にさらに強くなっていく早稲田に対し有賀を欠いた関東は弱体化を続け、決勝は早稲田VS同志社か、と思った時期もありました。早稲田は早慶戦でアルティメットクラッシュを見せつけ、もはやその強さは諸岡組の比ではありませんでした。大学選手権で慶應には苦戦したものの、立命館・法政は早稲田の相手になりませんでした。そして極め付けが大学選手権。5年間で最多得点差で関東をアルティメットクラッシュ・・・。
早稲田史上最強から学生史上最強へ、佐々木組は進化。
清宮さんの言う「俺は隆道の荒ぶるが聞きたい」は現実へと。
そして、佐々木組のミッション・打倒社会人は達成され、佐々木組は伝説になりました。
佐々木組の最強神話はいつまでも語り継がれていくことでしょう。奇しくも同じ大阪出身、同じポジション、同じ熱いキャプテンシーを持つ二人の男が作っていったこの伝説を俺は絶対に忘れません。
PS.今日も都内某所の飲み屋へ行ってきました。重責から解放された男たちの笑顔が印象的でした。やりきったという表情でしたね。佐々木組にはそれぞれの進む道で頑張ってもらいたいですね。1年間、夢を見させ続けてくれて、本当にありがとうございました。