今日は宿命の一戦、早稲田VS関東学院戦を観戦しに秩父宮へ。
今までの5年間、春に勝ったチームがそのまま大学選手権決勝でも優勝するというジンクスがあり、今日の試合は、早稲田にとって絶対に負けられない試合だった。
しかし、結果は3-20・・・。
先週の慶應戦に引き続き、またしても早稲田が敗れてしまいました。
内容に関しては、一番負けてはいけない「気持ち」で負けてしまったのかな、と。確かに熱いアップと、試合前の北風の大合唱は熱かったのかもしれない、だけど、試合で冷めてちゃ意味がないんです。なんというか、早稲田という大樹に選手が寄りかかって、まぁ早稲田だし大丈夫だろうという慢心があったんじゃないだろうか。試合中に気合がありませんでした。
気持ちで圧倒する関東の迫力を前に対応も後手後手に回り、攻めるときもリズムに乗れませんでした。去年までだったら、早稲田は気持ちでも勝っていたんです。だから試合に迫力があった。でも、それが今日はなかった。
細かい内容に関しては、まずFW。去年の強さは完全に失われてしまっていた。高麗大学戦で見せた激しさや強さはどこへ行ってしまったんだろうか。高麗大よりも軽い関東のFWを押すことができなかった。モールは組んでもすぐに崩れてしまうし、押せない。
スクラムに関しては、審判も悪い。瀧澤と関東の3番の頭が落ちており、明らかに組めていないのにコラプシングを出さず、グダグダなスクラムしか組ませないから双方にリズムなんか生まれやしなかった。どちらが悪かったのかは分からないが、審判は試合の流れを切らないで欲しい。
「ラグビーはスクラム」と清宮さんも言っていたが、やはりFW戦で安定していないと、BKを活用できないのだと思う。去年の場合、FWでかなりのプレッシャーを相手に与えることができていたからこそ、安定したBKへの球の供給が可能だったのです。FWの強化は早稲田にとって大きな課題。去年の青木・内橋・隆道のような圧倒的存在がFWにいないのがかなり痛い。去年もFWが安定しだしたのは内橋が復帰した帝京戦からだったが、早稲田のFWはそういう存在なしにはやはり脆いものなのでしょうか。
そしてBK。去年から戦力はほとんど落ちていない最強BKのはずでしたが、まったく機能せず。曽我部のピンポイントパスも菅野エクスプレスも不発。関東の出だしの速いディフェンスにことごとくつぶされてしまう始末。関東は体を張っていたと思う。慶應と同じく、こういうチームは強い。
ただ、後半の最後になって、矢富をCTBに入れるという奇策でトライを目指したが、これはよかったと思う。トライには結びつかなかったものの、かなりゲインできていたし、これはありだと思いました。いかんせん練習不足で矢富のイリュージョンのあとのフォローが足りなかったですが、練習次第ではものすごい武器に発展しそうでこれは楽しみ。あと、菅野はアタックは不発ではあったが、ディフェンスはすばらしかった。教育実習帰りとは思えない。去年、ディフェンスが課題と言われていた選手があそこまで頑張ったのだから他の選手にも頑張ってもらいたいです。
で、対する関東についてですが、気持ちでは早稲田を圧倒していました。FWは互角。BKは早稲田よりも動けていました。早稲田のディフェンスに阻まれたとはいえ、速さがあり、展開もできていた。外へ外へ、という意識は早稲田より強かったんじゃないでしょうか。
今日の勝負は運というより、実力、そしてさらに言うなら気持ちの差が出てしまった勝負でした。早稲田はこれから夏に向けて必死で練習してもらいたいと思います。余裕のない夏休みを送っていただくしかないんじゃないでしょうか。夏に勝ちたいのなら、まずは慢心を捨てること。自分たちはこの程度、それが分かった以上、必死でやってくれると信じています。
東条の涙がそれをきっと証明してくれるはず・・・です。
試合開始前、故宿沢氏への黙祷
話にならなかったスクラム
無念のノーサイド
頭を垂れたまま、上げることができない選手たち
試合後、円陣は10分近く組まれたままだった
選手たちを見守る中竹監督
東条はずっと泣いていた そして去っていった
茫然自失の矢富 誰も声をかけられなかった