NPO法人 専攻科 滋賀の会

盲・聾・養護学校高等部への専攻科設置拡大、そして広く特別な教育的ニーズを有する青年たちの教育機会の保障をめざす滋賀の会

専攻科滋賀の会 第4回総会実施報告

2012年07月01日 08時17分19秒 | 会員募集のお知らせ
専攻科滋賀の会 第4回総会

6月23日(土)
総括▷「多分野からの参加で多くを学んだ総会」


■第4回総会の概要
 その昔、障害の重い子どもたちは就学猶予・免除され、結果として早死にしていたという事実があります。こうした悲しい歴史を繰り返してはならないと言う熱い国民的大運動により1979年春、すべての障害児に教育が認められ、養護学校が義務設置されました。これを第一の学びの扉が開いたと言いますが、次いで養護学校に高等部3年間を実現させる運動が10年余の歳月をかけて実現しました。これを第二の学びの扉が開いたとまとめられています。
 そして現在、第三の学びの扉を開けようと言う合言葉で、発達のゆるやかな知的障害児などに高等部卒業後更に2~4年間の教育期間延長運動が広まりつつあります。制度的には「専攻科」を全国各地に実現することですが、専攻科はまだ全国には9校しかありません。

■専攻科滋賀の会、この1年と今後
 去る6月23日(土)の午後、第4回専攻科滋賀の会総会が八日市養護学校で開かれました。総会案内文には「1960年代から70年代の障害児の不就学をなくす運動は、1979年度養護学校教育の義務制度化を実現させました。この障害児の最初の教育権保障運動を土台に、1980年代から90年代にかけて、希望する全ての障害児に18才までの高等部教育をめざす運動が繰り広げられました。そして21世紀の今日、私たちはこの第二の教育権保障運動の上に、さら高等部卒業後の専攻科教育(2年以上)の教育保障をめざしての運動をとりくんでいます。専攻科など教育期間の延長を実現するために、2009年7月に「専攻科滋賀の会」を発足させました。2010年12月には「第7回全国専攻科(特別ニーズ教育)研究集会」を滋賀県で開催しました。そして2011年12月にNPO法人認可を受け、新たな峰に向かって取り組みを進めています。」・・・まさに県民のねがいである「第三の学びの扉」を開けようと着実な運動が展開されているのです。

■総会で出された大切な意見
 今総会では、全日本手をつなぐ育成会の月刊誌「手をつなぐ」でも専攻科の特集が組まれたり、今年の第46回全障研広島大会基調報告では「もっとゆっくり学びたいとの願いに応えた専攻科設置運動・・・」と、専攻科課題が初めて位置づけられました。加えて教育期間延長を社会福祉法人が「学ぶ作業所」を開設するなど、その必要性が着実に広まりを見せています。滋賀県内でも蒲生の会では第一号となる学ぶ作業所を計画しているとの報告がありました。一方、養護学校や作業所でも不登校・ひきこもりが広まりつつあるなど、深刻な課題も出されました。その背景には、障害福祉分野にまで新自由主義・市場原理が導入され、全てが競争主義や自己責任にされる風潮・流れがその背景にあるとの指摘も出されました。障害分野において発達障害、新型ウツ、などが広まりつつあることも報告されていました。

■好評開催中の「障害青年の発達保障研究会」
 この1年「サンデー専攻科」の取り組みと共に研究活動として2年間のプログラムで「障害青年の発達保障研究会」をあゆみ作業所を会場に開催してきています。最新情報が学べる貴重な研究会となっていますので、HP「専攻科滋賀の会」をご覧になって受講を申し出て下さい。(研究会は2年目、後半に入っています)
 
■聞き入った記念講演
 総会終了後、今野副理事長の奥様から「再チャレンジを支える場所を!」と題して我が子(障害程度区分6)の幼児期から小学校時代、中学校から高校時代。そして現在お母さんの眼からみた娘さんの育ちぶりを語っていただく中で今後のありようをお話して頂きました。ご本人さんは全障研月刊誌、みんなのねがい(2009年11月号)に「この子ど歩む」~不登校の日々を未来への糸口に~と題して現在抱える課題を全国に発信されました。出生から育ちまでの苦労をどこまでも娘さんを真ん中にしてご両親が奮闘されてきた貴重な小論です。また、お父さんは第5回全国専攻科研究会IN鳥取に参加するなど積極的な動きの中で私たちと出会い、専攻科滋賀の会を立ち上げ現在は副理事長として健闘中です。
 講演のまとめとして①相談する場所、受け皿、不登校の人たちが話せる場所が必要。②引きこもりになっている人たちとの繋がりが出来る場所/親の駆け込み寺。③きっかけにできる場所、再チャレンジさせたい。④離職してしまう人たちや不登校の生徒の不安や苦しみなどを引きこもりにしない手前の予防策の充実が必要なのではないか(情報の共有)。⑤文科省の枠では「成果」が重要視されるのでゆっくり変化して行く人たちは合わない。⑥障害者の再チャレンジの場所はどこに・・・。
 と訴えられました。まとめの中で、再チャレンジの場所として専攻科も「選択肢のひとつ」とおっしゃってお話を終えられました。今野さんのお話は私たちの心にずっしりと残りました。今後の理事会などでもっともっと心の叫びを聞かせて頂こうと思ったのは私だけではありません。以上、NPO法人化されて最初の専攻科滋賀の会第4回総会の報告でした。
                       理事長 立岡 晄
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