関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

特別支援教育講演会を聞いて~期待と不安~

2007年08月03日 | 子育て・教育

 今日、櫛引公民科のホールでおこなわれた「特別支援教育講演会」に参加しました。これは、市教育委員会主催で、小中学校教員を始めとした現場の関係者を対象にしたものです。
 議員である私は本来対象外であり、当然案内もありませんでしたが、開催の情報を聞きつけて教育委員会にお願いして聴講させてもらいました。
 「子どもらのためにプラスになることなら」と、快諾してくれた担当の方には心から感謝します。

 講師は、鶴岡市がアドバイザーを依頼している、山形大学地域教育文化学部特別支援教育教室教授の三浦光哉氏です。

若い先生でしたが、全国的にも大変著名な方のようです。

 
 特別支援教育とは、一口で言うと、
 1)これまで障害児は障害の種別と程度によって、障害児学校や通常の学校の障害児学級・通級教室などで学んできた。
 2)LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、高機能自閉症(知能面の遅れをともなわない自閉症)の子どもたちなど、いわゆる「軽度発達障害」の子どもたちには、特別な教育制度はなかった
 3)そこで文部科学省は、軽度発達障害の子どもたちに対応する教育を「特別支援教育」として実施する方向を打ち出し、2006年6月の国会で学校教育法を一部改正、今年4月から正式に開始した。
 概略以上のようなもののようです。

三浦先生作成の図表です

 全児童生徒の6%程度いると言われながら、その多くが通常学級に在籍しているLD、ADHD、高機能自閉症の子どもたちに、その障害に応じた支援がおこなわれることは、大変重要なことです。むしろこれまで放置されてきたことが問われています。

 鶴岡市では、早くから三浦教授の指導を仰ぎながら特別支援教育の準備を進めてきました。この間の取り組みを踏まえて、今年4月には今年度から3年間の「基本計画」を作成し、将来ビジョンを打ち出すに至っている市の到達点を三浦教授は、「東北では仙台市のみであり、全国トップレベル」と評していました。
 また、先生のお話しは、膨大な知識と実践に基づくものであろうことが配布された資料からも容易に推測されましたが、そのポイントを示すとともに、「シート作成」という具体的な体験をさせるものであり、「現場でやらなければならないこと」を直に伝える実践的なもののように感じられました。
 シロウトの私には、今学校に何が提起されているのか、その一端を伺い知ることができて、大変貴重な学習となりました。

 しかし同時に、文科省が特別支援教育を打ち出しながら、それに見合った教職員の配置などの条件整備をほとんどしていないということについての懸念も改めて感じました。
 今でさえ超多忙な先生方に、これ以上の新たな取り組みを求めるのでは、何よりも子どもたちの負担を拡大することになるのではないかと心配せざるを得ませんでした。

 地域の関係者の方々のご奮闘に深く敬意を表するとともに、それに応える条件整備を求めていくことが私の仕事として重要であることも実感しました。

先日見かけたヤマユリです