7日から始まった一般質問で、子どもの読書活動の推進について取り上げました。
ともかく、全文をお知らせし、後日解説させて頂きます。
子どもの読書活動の意義と読書活動の推進について伺います。
最初に、子どもの読書活動の意義と鶴岡市の到達についてです。
子どもの読書活動については、その意義がかつて無く注目されていると思います。
H13年12月に「子どもの読書活動の推進に関わる法律」以下、「推進法」と言わせてもらいますけども、この法律が施行されまして、子どもの読書を重視し、読書環境の整備が謳われました。
推進法は、その第2条基本理念で「子どもの読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないもの」として、「すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない」述べています。
法律でも謳われた子どもの読書活動がどれほど重要ですばらしいものであるかを示してくれたのが、法律制定後に全国学校図書館協議会の「学校図書館大賞」を受賞した本市の朝暘第一小学校でした。
一小の活動の意義や具体的内容については、議会でも何度も取り上げられているので触れませんが、聞く力、話す力、考える力を始め、学力テストで計れないものも含めての大幅な学力の向上、友人関係などにも現れる豊かな情操など、教職員・保護者であれば誰もが願うような、子どもらの顕著な発達を獲得した実践であります。
内容は、第一小学校がまとめたこれですけども、「学校図書館活用教育ハンドブックⅡ~みつめる、みつける、つかむ、伝え合う」この本にまとめられて、全国に広がっているところであります。
教育長も議会答弁でこの一小の実践について、全市に広げたいと述べられている訳ですが、本市の学校での読書活動は朝暘一小だけでなく、多くの優れた実践があると思います。そこでまず、子どもの読書活動の意義と本市の状況についてご説明願いたいと思います。
次に、子ども読書活動推進計画について伺います。推進法第4条では、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、子どもの読書活動の推進に関する施策を制定策定し、及び実施する責務を用有する」と都道府県市町村の責務を示し、「市町村子ども読書活動推進計画を策定するよう努めなければならない」と定めています。
本市にも、子ども読書活動推進計画これを策定する、そういうことが、課題が求められて4年経つ訳ですが、今その取り組みがどうなっているか、今後どのような計画であるか伺いたいと思います。
最後に、学校司書について伺います。
子どもの読書活動の推進は、学校、家庭、地域あげてのものが求められますが、全国学校図書館協議会理事で朝暘一小が大賞を受賞した時の審査会の長であった、八州学園大学教授の高鷲忠美さんは、「朝暘一小の図書館活用教育がきちんと実践されている要因の一つが専任職員の存在である」として、司書教諭・図書主任とともに学校司書の役割を挙げています。
司書が果たすべき多くの業務は、既に本市でも明確でありまして、昨年、本市の教育研修所調査研修部図書館活用委員会がまとめられた、「平成17年度鶴岡市図書館活用実践集」、これ教育委員会から頂きましたけども、この中にも、司書教諭と連携した学校司書の重要な活動例が掲載をされています。
先に挙げた、一小がまとめたハンドブックにも示されているところであります。
具体的な業務内容を詳しく説明してもらうことはとてもできない訳ですけども、小中学校51校の配置状況や研修等の活動状況について要約してご説明頂きたいと思います。
なお特に、非常勤やパート勤務の方の場合、仕事にも色々な困難があると思いますけども、そういう立場の方について、研修であるとか業務の内容であるとか、かいつまんでご説明頂きたいと思います。
また、誰もいない、学校図書職員と呼ばれていますけどもそういう職員がいないという学校が6つ、旧羽黒地域に4つ、朝日地域に2つある訳ですけども、やはり、新しい鶴岡市の51の小中学校すべてに配置をされるべきではないかと思いますので、そのことについても伺いたいと思います。
教育長答弁
鶴岡市における子どもの読書活動の取り組みについてお答えを致します。
子どもの読書活動は、新しい知識の習得を深め、感性や想像力などの内面の世界を豊かにするとともに、生きる希望や喜びをもたらし、人間形成に大きな影響を与えるものとと認識をしております。
昨年度から実施されている、県の第五次の教育振興計画では、「知徳体が調和し、命輝く人間の育成」を目標として掲げ、基本方針では、命を大切にし、豊かな心と健やかな身体を育てることが示されました。
この方針を象徴する、命の教育を推進する上で、読書を通した豊かな心の育成はますますその重要性を増していると考えております。
先ほど、第一小学校の実践の紹介がありましたが、その活動は色々な場面で紹介されておりますし、各学校の関心も高まっており、子どもの読書活動も盛んな状態にありますので若干紹介します。
本市小中51校のすべてにおいて、全校一斉の読書活動、そして国語の教科の時間でも読書の時間も設定されておりますし、朝自習や昼休みの時間に読書タイムが設定されたり、その中には、毎日全校一斉読書を実施している学校もあります。
小学校における年間の平均読書冊数は、百冊を超えているという状況であります。
こうしたことから、本市では読書活動が学校教育の中で大変重視されているものと認識しているところであります。
子ども達が読書活動を通して、心を揺り動かし、感じたり考えたりする経験は、子ども達の成長の上でかけがえのない財産となるものでありますし、こうした読書活動を通して、落ち着きのあり、安全で安心・安定した学校生活を子ども達が送ることにつながっているものと思っております。
次に、読書活動推進計画について考えをお話ししたいと思います。
本市においては、旧鶴岡市で平成15年に学校図書館整備検討委員会を立ち上げて、整備状況の確認、図書廃棄基準を定めるなど一定の方向性を示して参りました。
また、学校図書館の充実と図書館活用教育の推進についての検討、それから学校図書館の役割や機能、図書館活用教育の充実や読書指導の充実について確認をして参りました。
各学校の図書活動の充実を支援すべく、学校図書館の計画的な整備の観点からも、これまで教育委員会の重点施策の一つとして、教職員の研修、司書教諭・図書館主任や学校図書職員の図書館に関わる方々の役割及び連携と読書推進方法の理解について研修を積んで参りました。
また田川学校教育研究会の図書部会において、或いは田川学校司書の会の連携で、学校図書館の運営マニュアルを作成し全校に配布して有効に活用されている状況であります。
昨年度は鶴岡市の教育研修所においても、図書館活用委員会を設置し研修を深め、年度末には図書館活用実践事例集を発行致しました。この中には、大規模から中小規模の学校までの実践がつづられており、学校規模や業務内容に応じて自校の取り組みに大変参考になっているという声が寄せられております。
また、すべての小中学校では、図書館運営計画を整備し、学校の実態に併せた運用がおこなわれ、先にも申し上げました通りの成果が挙げられているところであります。
これからも本市の実態に合わせ、山形県の子ども読書推進活動計画を参考にするとともに、読書活動の推進に一層努めて参りたい。
今後計画の策定の必要の有無も含め、どのような内容が本市に相応しいのか検討して参りたいと思います。
最後に、読書活動における学校図書職員の役割と配置についてお答え致します。
鶴岡市では、小中学校の児童生徒の環境を整え、より充実した読書がおこなえるよう、市職員である常勤の学校図書職員は、臨時採用も含め18名であります。それから非常勤の図書パート職員は25名、小学校21中学校4校に配置しています。
常勤の学校図書職員は、学校図書館サービスの提供、及び庶務を担当する学校図書館の運営実務者のことを言い、学校図書館経営全般の企画立案者の教員である司書教諭や図書館主任と連携をして、図書館の運営充実を図り、日々の児童生徒の多様な興味関心に対応し、楽しい読書の場を提供することに努めているところであります。
(最近子どもに読み聞かせた本。人生の終わりのイメージを「人生は楽しいもの」という希望で表現した、素敵な本でした)
関
教育委員会とされては、膨大な課題の中で、読書活動についてきちんと位置づけておられるとのこと、まずそのことは大いに評価させて頂きたいと思います。
ご答弁の通り、一小だけでなく、田川地区全体として、平均読書冊数など全国的にもすぐれた取り組みが進んでいるということだと思います。
再質問の一点目ですが、司書、いわゆる学校図書職員についてですけども、その役割を示すために、貸しだし冊数を関係者の方に調べてもらいました。
そうしますと田川地区一校当たり平均貸し出し冊数が小学校で111.6冊になっているようですけども、図書館職員のいない学校ですと93.5冊なのに対し、フルタイムの司書がいる学校は118.4冊と25冊ほど上回っている。127%ということになっているようです。
貸しだし冊数だけでははかれない訳ですけども、具体的な実践、先ほど挙げられた、私も挙げさせてもらいましたけども実践集など見ても、非常にはっきりとした内容も示されている訳ですから、司書の役割ということで見て取れるんではないかと思います。
フルタイムの場合と、非常勤の場合と、これはやはり違いということは否めない訳ですけども、しかし、パートの方も配置されているということは、大変貴重なことだと思います。
しかし残念ながら、学校としての位置づけ、まだ明確でない部分もあるようでありまして、給食の方の3時間が延びてきて、図書関係の仕事の2時間の方が無くなっていくような日もあったり、まあ、そういう学校もあったり、どうかすると草むしりをしたこともあったと、こんなことも聞いたりする訳で、色んな事情もあったと思うので、これは過失というようなあげつらう積もりは無いんですけども、もったいないと思うんです。
ですから、パートの方もちゃんとした仕事ができるように、研修もしっかり保障して頂きたいと思いますし、学校としても、小規模の学校においても、「ウチの学校ではこういうことをパートの方にやって頂きたい」ということを明確にしてもらいたいなあと思うんです。
一つ、地域の図書の情報誌に載せられていました、小規模校の図書職員の方、2時間パートの方のご報告をちょっと紹介したいと思うんです。
「大規模校の図書と同じサービスを受けられないのは本意で無い」ということで、「読書に親しむ、読書の振り返り」を柱にして、図書館だよりを毎月発行したり、掲示板を有効に活用したり、担任の先生の協力を得たりして頑張っている様子が報告されていました。
「自分に何ができるのか、何をすれば良いのか、不安だらけで迷ってばかりですがその時々、光の差す方向に力一杯向かって行きたい」、「二時間の挑戦」だと、こんな風にかかれていました。
是非ともそういう意欲を活かしてですね、進めて頂きたいなと思います、
それから配置されていない6校について、やっぱりそういうところでは、本が来ただけでは子どものところに渡らない訳ですから、先生方大変な思いをされているようですので、配置について今一度伺いたいと思います。
あと推進計画については要望ですけども、策定をする際には、是非学校だけではない、広く、ボランティアの方も含めて、公立図書館ももちろんですけども、地域の様々な関係者の方、文化人の方もいらっしゃいます、広くそういう方が参加する機構も設けて、市民の方の意見も広く聞く機会も設けて、進めて頂きたいなと、それは要望したいと思います。配置の件だけ一つ。
教育長
図書職員の勤務に関わってでありますが、専門的な知識の他に、学校の場合、児童生徒の実情を良く知っているということ、或いは、その学校の図書館の特色や学校運営の方針を理解しているということが必要でありますし、ある程度長期に渡ってその学校で提供する必要があると考えております。
現在、未設置の学校8校ありますが、学校の規模や学校の経営方針、それから職務内容と職務の量、これらを学校の実態を把握しながら、ふさわしい配置を検討して参りたいと思います。
ただ、先ほどの草むしりが出ましたが、図書館担当の職員を配置すれば読書活動があがるということにはならない訳です。というのは学校は組織体でありますから、いかに学校の運営方針の中に位置づけていかにに取り組むか、その中に、図書職員がる訳でここのところを最初に整えておかないと、人員配置してもそれが生きてこないということになろうかと思います。そういう点は私共の方でも十分研修を積んで参りたいと思います。
実態を把握し、必要に応じて配置すると、スタンスをとって参りたいと思います。
(終わり)
(最近読んだ本2.生きることの意味・楽しさをかわいい猫を通して表現している、素敵な本でした。)
私も、毎晩子どもが寝る時に、1~2冊ずつ絵本を読んでいます。一番上が生まれた時からですから、時々休んだとしても、数千冊読んだ計算になります。市立図書館の絵本コーナーの本は、選ぶ余裕が無くなってきました(ともかく、読んでいない本を探す)。いい絵本は大人にとってもいいものです。