台湾では、新幹線のことを「高速鉄道」、略して「高鉄」と呼んでいる。開業は、2007年、これまで順調に運営されている。
日本の新幹線と比べての話だが、車内の内装はシンプルで、座席は、2列と3列で中央に通路があり、なんとなくガランとした感じだ。天井近くに手荷物を置く棚があり、その近くには三菱電機の社名広告がある。電気設備などは、三菱電機で施工したのだろうか。日本の新幹線の車内には、このような車内広告があっただろうかと考えてみるが、思い出さない。
桃園空港から高雄近くの左営まで乗車した時のことを書いておこう。
空港から新幹線の高鉄桃園駅までは、バスで20分位、料金は30台湾ドルだ。レートは、1台湾ドルを3.2円で計算すると、日本円で100円位になる。
高鉄桃園駅から左営駅までは、1,330台湾ドルだから、約日本円で4,300円位だ。日本でいえば、東京から名古屋くらいの距離であり、運賃は3分の1位の感じだろう。航空機の料金は約6,000円位だから、新幹線のほうが割安である。
これまでは台北と高雄の往復は航空機を利用するのが一般的だったが、新幹線ができてからは、鉄道を利用する人が増えているのもうなづける。そのため、国内航空運賃を引き下げる動きがあり、価格競争が起きている。
台中近くを通過するときに、車内の時速計をみると、時速262km位でていたから、日本の新幹線と変わらない高速だ。車体は日本製だし、新幹線そのものが日本の技術でつくられているのだから、当たり前の話ではあるが。ただ、案内書には、新幹線は、日本、ドイツ、フランスの技術提携でつくられたと書いてあるので、たとえば、ドイツやフランスなどはどのような技術を提供しているのか知りたいものである。
スタッフについては、乗車券のチェックなどする車掌は女性であったが、車内販売は若い男性が担当していた。日本とは反対だが、この方が合理的な感じもする。
車内販売の値段を書いておこう。おおよそ日本の半値くらいであろうか。
焼肉弁当 NT120 (390円)
缶ビール NT40 (130円)
コーヒー NT40 (130円)
ミネラルウオーター NT25 (80円)
桃園空港から高雄の左営までは、バスの乗り継ぎを含めて、約2時間位であった。私たちが日本人であるのを知ると、駅員さんがことさら親切になったような気がするのは、気のせいであろうか。
それにしても台湾の発展は素晴らしい。そして、どこに行っても住民は笑顔で迎えてくれるし、生き生きとして生活している人々を見るのが楽しくてしかたがない。
以上