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台湾大好き

台湾の自然や歴史についてのエッセーです。

士林官邸公園

2013年05月28日 | 

 士林官邸公園は、台北市街の北部にあり、中山北路5段と福林路60号が交差する角にある。梅や桜で有名な「陽明山」や「故宮博物館」にも近い。この公園は、蒋介石が生前執務した宿舎とその庭を、没後公園として一般開放したもので、入場無料だ。

 市街地の中にできたオアシスのような庭園で、日本の新宿御苑と趣が似ている。庭園の中央には大王椰子や常緑樹の並木道があり、その一角にはうっそうとした林に囲まれた池がある。

 それにしても中国人ツアー客が多い。記念写真を撮りながら煙草を吸い、大声で話し、マナーが悪い。あたかも、動物園に珍しい動物を見に来た小学生のようだ。かつての敵のリーダーがどのような生活をしていたのか見てみたいのだろう。

 確か新宿御苑は禁煙だったと思うが、この庭園も禁煙にすればいいのにと思いながら、マイクを片手に説明している中国人ツアーガイドの話に耳を傾ける。彼によれば、この庭園には伝統的な中国風味はないと言っていた。

 それはそうだろう、古い中国から抜け出すために、西洋式の近代的な軍隊をつくり、ついでに古い奥さんも捨てて、親米派で英語の流暢な奥さん(宋美齢のこと)をもらったくらいだから、自分の家の庭をつくるにしても、伝統的な中国風味などくそ喰らえだったに違いない。

 それにしても煙草の臭いが気になる。蒋介石の善悪は別として、歴史的な公園なのだから、多少は敬意を表してもらうように、煙草は禁止にしたらどうだろうか。

 庭園には梅の木も多い。梅は台湾の「国花」だが、その梅に囲まれた中にバラ園がある。中央に噴水、確かに西洋風味であり、何となく女性を感じさせるが、宋美齢の好みだろうか。因みに、宋美齢は、2003年にニューヨークで亡くなっている、106歳だった。

 庭園の入口の脇に大きな車庫があり、黒塗りのキャデラックが展示されていた。案内には、宋美齢の乗用車であり、1988年式、黒、乗員7人と書いてあった。

 士林公園を散歩して感じたのは、蒋介石の権力の大きさだった。軍人あがりだが、歴代王朝の例にもれず、近代的な「皇帝」になったのであろう。

以上


丹迪旅店(dandy hotel)

2013年05月25日 | 

 英語名「Dandy hotel」は、台北のホテルだが、例によって台湾流の分類によれば、規模が小さいので民宿として営業している。このあたりの事情を詳しくいえば、ホテルのオーナーは、小規模なのでホテルなどと虚勢を張るよりも、民宿として、安価で快適な空間を提供し、毎日多くの客が泊まってくれる方がいいと判断して、民宿としてデビューしたのだろう。事実、この「Dandy hotel」は、民宿部門の人気投票№1であり、その噂に興味を感じて宿泊する気なった。

 このホテルの所在地は、松山空港の北、天母地区にある。天母はもと米軍基地があったところであり、今でもアメリカンスクールや洒落たクラブなどがある高級住宅街である。台北駅の近くをはしる中山北路を、ウインドウショッピングでもしながら、北に向かって1時間くらい歩けば、ホテルに行くことができる。

 このホテル、規模は小さいが、設備、サービス、スタッフ、それに価格など、どれをとっても満足させるものがあった。特筆点をあげてみよう。

1、外装、」内装が白で統一されており、清潔感がある。

2、トイレは温水便座、テレビは「パナソニック」であり、画像がきれい。インターネットも可。

3、スタッフは、若くてマナーがよい。

4、値段は、ネット予約で、ツインの部屋がNT4,200元(約13,000円)、朝食付き。このツインルームに簡易ベッドを入れてもらい、価格はそのままで、親子三人が宿泊した。

5、朝食時に、レストランでバイオリンの生演奏。演奏は週2回(月、木)であった。

 一泊した翌朝、朝食のためにホテルのレストランに入ると、バイオリンの音色が響いてきた。レコードかなと思ったが、入口のそばに、黒いコンサート服の若い男がおり、一瞬ではあるが、人形かなと思ったが、腕の動きとゆっくりと揺れる体を見て、それが生演奏であることを理解した。

 小さなホテルの朝、透き通るようなバイオリンの音色に、瞬間心が晴れ渡った。そのとき、このホテルが民宿部門で人気ナンバー1を獲得した理由を理解した。

 ガイドブックには載っていない「Danndy hotel」の所在地は下記の通り。

台北市士林区中山北路6段728-2  電話 886-2-2873-2222、インタ-ネットならば、「dandyhotel」で検索ができる。

以上