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台湾大好き

台湾の自然や歴史についてのエッセーです。

水滸伝

2012年12月30日 | エッセー
一か月ほどかかって水滸伝を読み終えた。
以前、読もうとしたことがあったが、「林冲」が登場した部分くらいで中断しており、
その後、その先がどうなっているのか気になっていた。

こうして読み終えてみると、その内容の豊富さは群を抜いており、
一人の人間が書いたとは思えないが、事実、宋から明の時代、200年くらいかけて
つくられた芝居やエピソードをまとめ上げた長編小説のようだ。

物語の大雑把な流れはこうだ。
梁山泊に集まった108人の好漢たちは、宋の正規軍の攻撃を何度も撃退する。
やがて、宋の皇帝は梁山泊の攻撃を諦めて、梁山泊の山賊を宋の正規軍として認めてしまう。

その条件として、北方から宋を侵略する異民族の「遼」を撃退することを命令する。
領袖の「宋江」以下108人の好漢は従軍して、遼を撃退する。
しかし、そのあとに南方に生じた反乱を撃退する長征で、仲間のほとんどが討ち死にする。

残った梁山泊の仲間はばらばらになってしまい、
やがて「宋江」は宋の皇帝の取り巻きグループの策略にかかって、毒殺される。

宋江はその陰謀を知ったが、反抗して朝敵となり汚名を末代までも残すことを嫌い、
朝廷に反抗すること断念する。

その際、梁山泊随一の暴れん坊の「李逵」を道ずれにして、静かに死んでいく。
李逵が宋江の死を知って激怒し、皇帝に反抗することを恐れたためであった。

そのほか主だった好漢の最後を記しておこう。

梁山泊最強の武将「林沖」は、風病(おこりのような病)により全身不随になり死去。

残酷無比の僧侶「魯智深」は座禅したまま、円寂。生き仏になってしまう。

一見ニューハーフを思わせるような「燕青」は、栄華を求めず、山野に退去して一閑人として生きる。私にはこの「燕青」が大変に魅力的な好漢(おとこ)に思える。

梁山泊ナンバー2であり、文武両道の「蘆俊義」は姦計により毒殺される。

諸葛孔明を思わせる軍師の「呉用」、弓の名人「花栄」は、宋江を慕って殉死。

波乱万丈の好漢たちの物語は、このようにして完結します。         
                                   以上