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台湾大好き

台湾の自然や歴史についてのエッセーです。

テレサ・テン

2012年09月20日 | エッセー
台湾の友人からメールが届いていた。
添付されていたyoutubeをクリックすると、トップにテレサ・テンが出ていました。
15周年とか何とか書いてあるので、そうか亡くなってから15年も経つのかと改めて思いました。

この歌姫は、42歳で生涯を閉じているので、
生きていれば57歳か、などとつまらないことを考えたりします。

そういえば、この春「九分」へ行った時、
近くにあるらしいテレサの墓に行けなかったことを思い出しました。
なぜ行けなかったかと考えると、
「千と千尋の神隠し」のモデルになった遊郭の屋上でコーヒーを飲んだ時、
そこから見下ろした海の景色があまりに美しかったからでした。

youtubeで、テレサはきれいな北京語で何か思い出すように話しています。
しばらくすると、歌いだしました。
「獨上西楼」です。
ひとり、西楼に上がる、という意味でしょうか。

いつだったか、
誰かがテレサの「獨上西楼」はいい歌だよと言っていたことを覚えており、
一度聞いてみたかった曲です。

好きな人と別れ、寂しい心を歌っているようです。
ちょっぴりハスキーで甘えるような声は、心に響きます。

あらためてテレサが好きになりました。
42歳で旅立ったことは、惜しいことですが、
でもその笑顔は永遠に変わらないことを考えると、複雑な思いになります。  以上

尖閣諸島と台湾

2012年09月16日 | エッセー

 最近問題になっている尖閣諸島と竹島の領有問題について、結論的にいえば、韓国が実効支配をしている竹島については、どうにもなりませんが、日本人が所有している尖閣諸島については、国が早期に買収して実効支配を強め、中国に対しては一歩も譲歩してはならないということでしょう。

 この点は、日本の政治家の意見は一致しているようですが、一つ気になるのは石原都知事の息子さんの石原伸晃さんが気になる発言をしていることです。伸晃さんはいま自民党の総裁選に立候補していますが、その意見は、尖閣諸島について中国が難癖をつけてくるのは、国の買取問題について事前に中国に対して、きちんと説明をしていなかったからだというのです。つまり、事前に説明していれば、こんな問題は起きなかったというのですが、これは伸晃さんの認識不足であり、日本人の常識で中国人を理解しようとする間違いなのです。
 

  たとえばの話ですが、日本では自分の家を建て替える場合などは、隣家に対してタオルなどをもっていって、建て替え工事をするのでよろしくなどと挨拶するのが常識ですが、中国ではそんなことはしません。もし、そんなことをしたら境界に何か問題があるかもしれないからだと勘繰られるのが関の山です。中国や台湾では、自分の土地に何をしようと挨拶などは不要です。伸晃さんが、事前に説明していれば、中国政府が「はい、わかりました。」とでも言うと考えているのでしたら、この人の外交能力は極めて貧弱というしかありません。

 さて、はなしを本題にもどしますが、台湾は尖閣諸島についてどう考えているのでしょうか。現在与党の国民党はの馬総統は、「尖閣に対する主権を堅持し、漁業権を保護し、平和的処理するように。」と指示して、台湾の主権を主張しています。その主権とは、清国から全土を受け継いだ中華民国の領土の一部だというのです。蒋介石などは、台湾に来た当初、真剣に大陸奪還を考えていたようですから無理もない話です。

 この尖閣問題について、たいへん印象に残った意見が、李登輝元総統の台湾北部の大学での講演でした。この講演で、中国の留学生の質問に対して、尖閣諸島は「日本領」であると主張し会場は騒然となったと新聞記事は報告していました。

 李登輝の主張は、「尖閣諸島が中国ものなら、台湾も中国ものになってしまう。」発想が原点にあります。したがって、国民党が主張するように、尖閣は台湾のものだともいいません。あえて、尖閣は日本という第三国のものだということより、台湾の独自性を保とうとした極めて政治的な判断だといえます。

 台湾海峡をはさむ両岸の未来についての質問にたいして、李登輝は「台湾は中国ものではなく、未来の民主化のモデルにして、自由と民主主義について学んでほしい。」と結んだといいます。
柔軟な思考で発想を転換して、尖閣諸島の領有について判断した李元総統の英断に敬服しています。  以上


トイレ事情

2012年09月14日 | エッセー
 ナオミちゃんは6歳、日本人の父と中国人の母との間に生まれた女の子です。今年の春に来日し、私の家の近くの小学校に入学したピカピカの1年生です。生まれは北京とのことで、標準語の北京語は話しますが、日本語はまったくわかりません。学校の先生方も、北京語がわからないので、授業がたいへんな状況であり、そこでボランティア活動している私の妻がお手伝いすることになりました。私の妻は、台湾出身なので、台湾語、北京語、日本語が話せます。授業を円滑にするため、ナオミちゃん専用の通訳として、授業に参加して、ナオミちゃんのそばに座って日本語教えてあげています。
 ナオミちゃんはくりくりした大きな目で明るくてかわいい子ですが、性格には強いところもあり、妻がわかっていることを説明すると、ナオミちゃんは「わかってる!」といって説明を受けつけないところもあるとのことです。
 あるとき、ナオミちゃんとお話しをする機会があり、わたしは妻の通訳で、いくつか質問しました。
「学校で楽しいことはなに?」と聞くと、
「ブランコとかすべり台」とこたえます。
「給食はどんな感じ?」
「みんなおいしくて、自分の家よりもおいしい。」とこたえます。
わたしはすこし考えてから、ナオミちゃんが日本についてどんな印象をもっているか聞いてみたくなりました。
「中国にいた時と比べて、日本は何が一番違いますか?」と質問しました。
ナオミちゃんは、すこし考えてから、
「トイレかな。」とこたえました。
台湾や中国のトイレ事情を知っているわたしは、興味を覚えて、さらにいくつか質問しました。
そのこたえは次のようでした。
ナオミちゃんは、日本に来る前は保育園に通っていたとのことなので、こたえの対象はその保育園のことのようです。トイレには、戸はなく、紙もおいてなく、まして水など流れようもないとのことで、トイレに行く時は紙をもっていくとのことでした。わたしにはある光景が浮かびました。戸のないトイレは男女の区別もなく、がらんとした木造の建物の一方の壁際に男子用の小便器が並び、その反対側には戸のない女子用の便器が並んでいます。はたして、白い便器などあるのでしょうか?
 わたしは、20年ほど前に台湾南部の屏東県の山地の小学校に行ったことがありますが、そこで小用をたした時のトイレは、がらんとしていて男女の区別はなく、男子の小便器は、水が流れるように木を組み合わせただけあり、女子用は足を乗せる二本の板の間に、同じように水が流れるように木を組み合わせたものがあるだけでした。日本でみる陶器製の白い便器はありませんでした。
 現在の台湾では、すっかり改善されて、昔の面影はありませんが、中国大陸はまだ遅れているようです。台湾のおばさん達が中国へ旅行に行った時の笑い話は、「トイレに行く時は、折り畳み傘を持参せよ。」というのがあります。つまり、中国のトイレには、戸がないので、パンツをおろしたときは、折り畳み傘を広げてガードするということのようです。中国のトイレにはご用心を! 以上

台湾流のお付き合い

2012年09月13日 | エッセー
 台湾人とお付き合いしていて、日本人の私には理解できないことがあります。
1年ほど前のことですが、妻の兄の嫁さんが自分の妹を連れて日本の私の家に泊まりに来ました。日本の観光にお金をかけたくないため、宿泊所として私の家を選んだわけです。
 驚いたのは、滞在日数が2週間と長い期間だったことです。自分のことにおきかえてみましたが、私だったら兄弟の家に行って2週間も泊まる勇気はありません。
「こういうところが台湾人なのかなあ!」と思いました。
 私の妻と兄嫁は長い付き合いがあり、歳も同じでよい話相手ではありますが、何の気兼ねもなく他人の家でくつろぐ台湾からのお客様を見て羨ましくも感じました。

 妻も私も会社勤めをしており、朝食後はでかけます。台湾からの客人は、私たちを送り出した後は、東京見物をしたり、ショッピングをしたりしていたようですが、夕飯時にはきちんと帰宅して一緒に食べます。
 食事の用意やお客様へのもてなしは妻がやるので、1週間もたった頃には、「けっこう疲れるよね。」と弱音を吐きました。とはいえ、「こういう客はお断り」という意味ではなく、時と場合によっては、逆に自分たちが、相手の家に泊まることもあるわけで、お互いさまというくらいに考えているようです。
 このように気兼ねなく人の家に泊まるのは、台湾人の長所なのかもしれません。遠慮ばかりしている日本人と違って、マイペースで振る舞えることは、真の意味での「お付き合い」なのかもしれません。 ふと、若い頃のことを思い出しました。友達の中には、夜中に平気で電話をかけてきたり、夜更けて泊まらせてくれと転がり込んできたりするやつがいましたが、今になって考えると、そういうやつのほうがいい友達だったと思われてなりません。   以上

台湾人のアイデンティティ

2012年09月11日 | エッセー
台湾人は自分の国をどう思っているのだろうか?
台湾生まれの妻は、日本の国籍を取得して永住しているが、台湾人が中国人とひとくくりにされることを極端に嫌います。「一緒にしないでよ!」というわけだ。台湾と中国は同じ漢民族であり、同じ長い歴史をもっていますが、現在の台湾が一つの国として独立していることを強調したいのだと思います。
 先日、開催されたロンドンオリンピックの入場行進では、台湾は「中華台北」のプラカードをもって行進していましたが、このこと自体が大いに不満なのです。この背景には、アメリカや日本をはじめとする多くの国が、大陸の共産政権と国交を回復し、台湾と国交を断絶したことにありますが・・・・、こんなことを話していたらきりがないので止めますが、台湾人の99.9パーセントは、台湾は独立した一つの国であり、大陸の中国とは別の国と考えています。
 ただ面白いのは、独立国であるとの認識は共通でありながら、その表現方法が人により異なるので複雑に見えるのだと思います。たとえば、台湾の第一党の国民党の考え方は、台湾が独立しているのは歴史的にも経済的にも自明のことだが、独立ということをあからさまに叫ぶと大陸の共産政権が怒るので、独立とい言葉は出さずに経済的な利益を求めて友好関係を推し進めようとします。別ないい方をすれば、「名を捨てて実を取る」グループです。
 もう一つのグループが、野党第一党の民進党の考えです。民進党は、独立国である台湾を、国際的に認めてもらうことを最優先で考えています。オリンピックの行進では、台湾と書かれたプラカードをもちたいし、国際連合にも加盟したいのです。大陸が腹を立てて戦争しかけてきたらどうするかといえば、共産党が嫌いなアメリカが守ってくれると考えているし、場合によっては一戦交えてもいいくらいに考えています。台湾は今でも徴兵制があり、場合によっては国を守るために戦うことは当然であると考える人達もいるグループです。
 台湾人の本音でいえば、ほとんどの人が民進党の考え方に共鳴していますが、一部の政治家は武力衝突を避けるために、独立などと過激なことを叫ばずに、経済的な利益を求めて大陸とひたすら仲良ししようという涙ぐましい努力が続けられているのが現在の台湾です。
 すこし難しいこと書きすぎたかなと反省しています。つぎからはもう少しリラックスした内容にしたいと思います。    以上