先日、京都府庁での源氏物語一連の講座の最終回で、十二単の着装実演を見学してきました。
朝から降り続く雨の影響か、受講者の出足は今ひとつ。でも、そのおかげで一番前の席に座ることができました。
今日の講師は風俗博物館の方です。
この名前で勘違いする人もいて困るとおっしゃっていましたが、今は風俗というとHな方を想像してしまいますよね。(笑)
肌着の小袖(こそで)を着たモデルさんです。
足袋は先の割れていないもの。当時は割れることを嫌ったそうです。
あしもと
緋色の張袴(はりばかま)をつけ、単(ひとえ)を着る。
その上に、五衣(いつつぎぬ)と呼ばれる5枚の重袿(かさねうちき)を着る。
1
2
3
4
5
この色使いにも意味があるそうで、この日はミカンをモチーフにして色使いがされているということでした。
1.薄緑の葉から2.濃い緑へ。
3.白はミカンの花の色。
そして4.実が色付いて、5.さらに濃くなり・・・
何気なく色を合わせているようでも、実はこんな優雅なストーリーがあるんですね。
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(マウスオン)
このすごい量の着物は、1本のひもで締められているそうです。
ぎゅーっと締めて、前のひもを下から取り出します。
さらに打衣(うちぎぬ)を・・・
さらに表着(うわぎ)を着る。
最後に唐衣(からぎぬ)を着て、裳(も)と呼ばれる飾り?を付ける。
これに襟に帖紙(たとうし)を挟んで手に衵(あこめ)扇(おおぎ)(檜ひ扇おおぎ)を持って完成!
この間、二人が着付けて約30分。
いやあ、手際よく着付けされていましたが、やっぱり大変ですねえ。
元来の十二単とは袿を幾枚も着重ねた装束の表現だそうで、必ずしも十二枚を着重ねる訳ではないのですが、高価な絹物ですから華美を競ってどんどんとたくさん着るようになり、平安末期から鎌倉時代には「五衣(いつつぎぬ)の制」が定められ、重袿(かさねうちき)は5枚までと規制されたそうです。
いつの時代も変わりませんなあ。(笑)
この30分に及ぶ着付けも、脱ぐ時は数秒。
その見事な早業に、会場からは驚きの声が上がりました。
ちょっと見づらくてすみません。
そして・・・後片付けか?
さにあらず、これまたびっくりしました!
こちらを見てびっくりしてください。脱いで約30秒後です。
空蝉(うつせみ)
この状態を空蝉と呼ばれるそうですが、まさに抜け殻です。
振り返ると、いつの間にか大勢の受講者。
この日はさすがにカメラを持っている人が多く、講義の途中で撮影会が催されるほどでした。
そのあとは、いつものようにhitohaさんの「紫式部が源氏物語を読んだらこんな感じ・・・」という、復元音での朗読です。
この日も発音について、語中・語尾のダ行はnダ、nディ・・・と頭にnをつけるとか、「せ」は「しぇ」だとか教えてもらいました。
戦前まで「蝶々」のことを「てふてふ」と書かせていたが、平安時代にはそのまま「てふてふ」と発音していたというお話には目からウロコでした。
長いこと何故?と思っていたことが氷解しました。
戦前までの仮名遣いは決して当て字だったのではなく、もともとはそういう発音をしていたのに、言葉の方が変化したんですね。
平安風に言えば、
「おもすぃろうくゎった(面白かった)」とでも書くのでしょうか、とにかくこの連続講座ではいろんな面白い体験をさせていただきました。
こんなに中身の濃い催しが無料だなんて信じられないくらいです、感謝感謝。
朝から降り続く雨の影響か、受講者の出足は今ひとつ。でも、そのおかげで一番前の席に座ることができました。
今日の講師は風俗博物館の方です。
この名前で勘違いする人もいて困るとおっしゃっていましたが、今は風俗というとHな方を想像してしまいますよね。(笑)
肌着の小袖(こそで)を着たモデルさんです。
足袋は先の割れていないもの。当時は割れることを嫌ったそうです。
あしもと
緋色の張袴(はりばかま)をつけ、単(ひとえ)を着る。
その上に、五衣(いつつぎぬ)と呼ばれる5枚の重袿(かさねうちき)を着る。
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この色使いにも意味があるそうで、この日はミカンをモチーフにして色使いがされているということでした。
1.薄緑の葉から2.濃い緑へ。
3.白はミカンの花の色。
そして4.実が色付いて、5.さらに濃くなり・・・
何気なく色を合わせているようでも、実はこんな優雅なストーリーがあるんですね。
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(マウスオン)
このすごい量の着物は、1本のひもで締められているそうです。
ぎゅーっと締めて、前のひもを下から取り出します。
さらに打衣(うちぎぬ)を・・・
さらに表着(うわぎ)を着る。
最後に唐衣(からぎぬ)を着て、裳(も)と呼ばれる飾り?を付ける。
これに襟に帖紙(たとうし)を挟んで手に衵(あこめ)扇(おおぎ)(檜ひ扇おおぎ)を持って完成!
この間、二人が着付けて約30分。
いやあ、手際よく着付けされていましたが、やっぱり大変ですねえ。
元来の十二単とは袿を幾枚も着重ねた装束の表現だそうで、必ずしも十二枚を着重ねる訳ではないのですが、高価な絹物ですから華美を競ってどんどんとたくさん着るようになり、平安末期から鎌倉時代には「五衣(いつつぎぬ)の制」が定められ、重袿(かさねうちき)は5枚までと規制されたそうです。
いつの時代も変わりませんなあ。(笑)
この30分に及ぶ着付けも、脱ぐ時は数秒。
その見事な早業に、会場からは驚きの声が上がりました。
ちょっと見づらくてすみません。
そして・・・後片付けか?
さにあらず、これまたびっくりしました!
こちらを見てびっくりしてください。脱いで約30秒後です。
空蝉(うつせみ)
この状態を空蝉と呼ばれるそうですが、まさに抜け殻です。
振り返ると、いつの間にか大勢の受講者。
この日はさすがにカメラを持っている人が多く、講義の途中で撮影会が催されるほどでした。
そのあとは、いつものようにhitohaさんの「紫式部が源氏物語を読んだらこんな感じ・・・」という、復元音での朗読です。
この日も発音について、語中・語尾のダ行はnダ、nディ・・・と頭にnをつけるとか、「せ」は「しぇ」だとか教えてもらいました。
戦前まで「蝶々」のことを「てふてふ」と書かせていたが、平安時代にはそのまま「てふてふ」と発音していたというお話には目からウロコでした。
長いこと何故?と思っていたことが氷解しました。
戦前までの仮名遣いは決して当て字だったのではなく、もともとはそういう発音をしていたのに、言葉の方が変化したんですね。
平安風に言えば、
「おもすぃろうくゎった(面白かった)」とでも書くのでしょうか、とにかくこの連続講座ではいろんな面白い体験をさせていただきました。
こんなに中身の濃い催しが無料だなんて信じられないくらいです、感謝感謝。
一本の紐での着付けも凄いけど、脱いだ後の空蝉にも驚きました。こういう技術?代々続いて貰いたいですね。
hitohaさんの紫式部調の朗読は良かったでしょうね。発音も時代と共に変わってきたのですね。
又お暇なときブログの鳥を見て頂きたいです。よろしくお願いします。
トラックバックもさせていただきました(今回は成功!)
「源氏物語」をよむとなれば人物像などの解説、というのはよくあると思うのですが…今回の連続講座は楽しい内容だったと思います
来年は千年紀。どこかで私も「源氏物語」をまたよめるといいのですが…。
お忙しい中、ありがとうございました。
気が付くと80枚以上デジカメで写していました。
女性のおしゃれ心は、今も昔も変わらないんだなあと思いましたよ。
私にとっては初めて見聞きすることばかりで、面白かったです。復元音も初めてでしたし、その復元音の複雑な読み方にも驚きました。
またの機会を楽しみにしています。
その場にいたかった~~。体験したかったです。
十二単は全て身につけると何キロくらいになるのでしょうね?
以前に、皇室の御成婚の時には十数キロとかいっていましたが・・。
空蝉すばらしいです。
足袋が割れていなかったというのも驚きでした。
ありがとうございました。
「重くありませんか?」という質問がありましたが、モデルさんによると、「本を数冊リュックに入れているような感じ」とのことで、そんなに重く感じないとのことでした。
意外でしたが、床についているので重さが軽減するとの説明でした。うまくできているようです。
空蝉はあっというまにできましたので、ホントにびっくりでしたよ。
どこの誰?と思われるほどご無沙汰しましたが
先日、風さん宅で懐かしいお名前を目にして参上いたしました。
十二単は美智子様や雅子様のご結婚の折にテレビや雑誌で見ましたけれど、こういう詳しい解説は初めてで大変勉強になりました。
知る喜びって、、、生涯持ち続けたいものですね。
ボクは風俗(H系)しか興味ないんだよって男性はゴメンです(笑)。まぁ、性も生きることにおいては外すことはできませんが。
空蝉と言えば、「雨夜の品定め」の翌日に源氏と一夜を契り以後どんなに言い寄られてもなびかなかった女性でしたね。この十二単の脱ぎっぷりから、「空蝉」とのネーミングはぴったりだと思います。
この・・品定めのことは有名なので皆さん、ご存知だと思いますが、紫式部は男性たちの口を借りて「女性は偉ぶらない、謙虚な人がいい」と書いてるようですが、女性だけでなく男性もそういう人がいいですよね。
今度、来月に京都博物館の「狩野永徳展」を見に行く予定ですが、時間がないので2~3時間が限界です。scopsさんは京都にお住まいなので羨ましいです。
わっ、数回分の書き込みをしてしまいました、長くてスミマセン。
keikoさんがおっしゃるように、「知る喜び」はいつまでも持ち続けていきたいと思います。まだまだ知らない事だらけなので、まだまだ喜べそうです。(笑)
男女の区別なく、人は謙虚でありたいものですね。そういう人が少ないから求められる一面もあるんでしょうか・・・
来月の「狩野永徳展」は、私も見に行くつもりをしています。でも人が多そうですね。
若冲のときと変わらない人出になりそうな気もしています。行ったら記事にしますので、またお越しくださいね。
空蝉とは、こういう状態のことだったのですね。
まさに空の蝉状態・・・。
scopさん、ステキな講座を受講されましたね。
21世紀に十二単が見れるなんて最高です。
hitohaさんの朗読もステキなんだろうな~~。
しかし、この画像の多さ!
画像加工大変だったのでは?
すてきな体験を見せていただき、ありがとうございました。