絆の法則

澤谷 鑛

子供の遊び心に教育する

2015-04-23 | 牽引の法則
                           佐原幹春

みなさん、こんにちは。
前回の記事はとても大きな反響を頂き、心理カウンセラーとして大先輩である澤谷鑛先生のブログにも掲載頂きました。

>>澤谷先生のブログはこちら
http://kizunanohousoku.blog34.fc2.com/blog-entry-3462.html#comments
ご縁を頂きありがとうございます。

さて、今日は先日我が家に起こったちょっとした奇跡から、子供の『モード』と教育についてのお話しをしたいと思います。

     ******

先日家に帰ると、玄関に子供のクツが元気よく散乱していました。
またやっとるな……。
と思いつつ、家族のいるリビングに行って「ただいま~」「おかえり~」と挨拶を済ませた後、こう言いました。
「さあ、今、最もクツを散らかしてる人を発表します!!」
「え!?(゜o゜;」と子供達。
「クツを揃えずに思いっきり散らかしてる人がいます。その人を今から発表します。ダララララララララララララ……」
発表の音楽とともに(笑)2人の娘を交互に見ながら、怖い顔して追いかけてやると、
「ぎゃー(゜д゜)マズー。ひなかもしれへん。ひなかもしれへん。」
そう言って逃げまわる。
「いや(゜д゜)マズー。のんやわ。絶対のんやわ。」
とお姉ちゃんも嬉しそうに逃げまわる。

さんざん引っ張って、追い回した結果、発表しました。
ダララララララララララ……、ダン! 
発表します。最も散らかしていたのは……。
……。
ひなでした!!!
ぎゃ~~~!!
そして逃げまわるひなを捕まえて、身体を持ち上げて、こちょこちょとくすぐって、おしりペンペン叩いてお仕置きです。
ぎゃはははははははは~(≧∇≦)やめて~。やめて~と、ひな。

そして、
「はい。ひな。玄関行って。みんなのクツ揃えておいで。」
「え? みんなの分も?」
「そうや。一番散らかしてる人がみんなの分も揃えるんや。」
「は~い(´・ω・`)」
そう言って、娘は玄関にクツを揃えに行きました。

     ******

とまあ、先日そんなやり取りがあった訳ですが。
それ以降、一週間以上経っていますが、今でも家に帰るとクツが綺麗に揃っているのです。
なんという奇跡でしょうか。
普段は注意しても翌々日にはいつも通りに戻っていたのですが、今回は効果がとても長持ちしているのです。
毎日毎日同じことを言い続けなければいけなかったのに、彼女たちは、あの一回の出来事で改心したのでしょうか。

これは一体何が起こっているのでしょうか?

この出来事から、心理療法家として子供の心に起こっていることを説明すると、なかなか面白いメカニズムに行き着きます。
毎日注意してもなかなか言うことをきかなかった子が、あの1回の出来事で変わった。
その理由は、娘の中の「遊び心のある子」に伝わったからです。
今まで「クツを揃えなさい!」と言っていた時には、娘の中の「真面目な子」に伝わっていたのです。
そして、家に帰って来て玄関でクツを脱ぐ瞬間は、「ただいま~(^O^)/ あ~楽しかった~!」というような「遊び心のある子」のモードなので、真面目な子モードで言われた「クツを揃えなさい」という教えには、なかなか脳の中でアクセスできていなかったのです。
それが、前回は遊びの中で注意したことで、遊び心のある子の心に「クツを揃えなさい」が入ったのです。
だから、帰ってきて「ただいま~(^O^)/」という遊び心満載のモードのままでも「あっ、そうだ! クツ揃えないと!」と、「教え」にアクセスできているのですね。

人間の脳の神経系は、感情のボルテージの高低やその時に出てきているキャラクターやモードによって、アクセスできる場所が変わるような仕組みになっています。
大人である私達も経験がありますよね。
愉快で安心しているモードの時は軽妙な冗談が次々に口から出て来るのに、少しでも緊張すると全く出てこなくなったり。
会社で真面目モードの時には家に帰ったらあれをしてこれをして……と考えていたのに、家に帰ってリラックスモードに変わったら、何をすべきだったか? すら思い出せなかったり(笑)、それらもモードによってアクセス出来る場所が変わる、脳のメカニズムによって起こっています。

そして脳のこの仕組みが親子の誤解を作ります。

真剣に教えようと思って、厳しくシリアスな状況で真っ直ぐに子供と向き合ってメッセージを伝えたのに、翌日になったら子供はそんなこと全部忘れて遊んでた……というような落胆を、親である私達は頻繁に経験していますね。
でも、それはもしかすると、あんなに真剣に伝えたのに伝わらなかった……のではなく。あんなに真剣に伝えたから、真剣モードの子供じゃない時には引き出せない教えになってしまっていた、という方が正解なのかもしれません。

いつも覚えておいて欲しい大切なメッセージこそ、いつもあの子達がそうであるような愉快な遊び心の中で伝える。
そのような関わりは、1つの方法として大きな可能性を秘めているかもしれませんね。

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 佐原幹春氏 プロフィール
私、さはらは現在10才と7才の娘を持つ父親であり、心理カウンセラー(心理療法家)です。このブログは心理カウンセラーとしての経験から、子育てに役立つ心理学の知識やスキルを提供することを意図して立ち上げました。(そこに避けがたく親バカ日記が割り込んでくるのですが、それはまぁ、ご愛嬌……)
心理カウンセラーという職業柄、私は日々様々な方の悩みや心の問題と向き合います。そのプロセスで当然、親との関係にも行き着きます。どのような育てられ方をした結果、この人の性格や生き方があるのか。どのような教育の結果、この人の悩みや苦しみがあるのか。
思えば心理カウンセラーとは、子育てや教育の数十年後の結果を見ることができる珍しい立場の職業なのかもしれません。多くの教育学は、教育のその後の結果を追跡しません。でもカウンセラーは毎日毎日、その人の心の構造と親との関係を直視します。だからこそ伝えたいことがあります。
このブログを通じて、そうやって私が見てきたこと。子育てに本当に大切なこと、役立つことなどをお伝えできればと思っています。あなたの子育てのヒントとなれば幸いです。
ブログ http://ameblo.jp/surface2119/
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