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目眩く思想世界擬きと言霊フロンティア
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土9雑想

2006年05月21日 00時21分57秒 | Tzuredzure
ネイティヴアメリカンのホピ族には時間の概念(言語も含めて)がない、という話をよく人類学関連で聞くので今日の世界ふしぎ発見を見ようと思ったら、裏でダヴィンチコードをやっていた。いつも通りあまり流行に乗るのは好きなさっつさんじゃないが、親が見ていたので変えるのも悪いと思ってそっちを見ることにした。というわけでホピの第3予言を見た人いたら話聞かせてください。


テレビなんて半年くらいまともに見てない気がするが、マグダラのマリアとかシオン修道会とかほとんどの内容が前も見たなぁ、という感じだった。この手のドキュメンタリーは手品番組と同じで時期を替え局を替え何回も放送されるものだし、そもそも小説そのものが2年ほど前のものなので情報が新鮮味に欠けている。しかもよくある強引な論理展開。小説の方もこんな調子だとしたら正直微妙だ。ノストラダムスの次はダヴィンチか、と思っている人はそれほど少なくはないだろう。いやダヴィンチが嫌いなわけではないんだけれど。世界史で最も尊敬する人物を挙げろ、と言われたらひょっとするとダヴィンチが候補に上がるかもしれない。


食わず嫌いと揶揄されるのも癪なので小説か映画のどちらかは試しておきたい。映画も、トムハンクスの髪型はなんだというところ以外はかなり面白そうだ。神秘主義も空想科学も好きだし、考古学や文献学にも関心はある。悲しいことに理系人間なのでそれなりの無理はしないといけないが・・・そういえば歴史研会長さんがコプト語を勉強しているはずだ。京大では教えてくれる人が一人といないので独学でやってるらしい。年に一回も聞くか聞かないかって単語だが、こういう分野で結構役に立つんだなぁと改めて思った。頑張ってください。


なんで出てから2年もして急に流行りだしたのかよくわからないが、やはりノストラダムスよりは世界中に痛烈なインパクトを与えているようだ。キリストの血脈なんて世界を揺るがせるにはもってこいの題材ではないか。世界を2000年間牛耳り引っ掻き回してきたパラダイムに、このブームは一体どれだけの体当たりを食らわすのか、興味があってありすぎるということはない。言っておくが別にキリスト教が憎いわけではない。僕の腐り切った精神はどうも崩壊や革命といったものをこよなく愛してしまうようだ。過去志向という意味では、印欧祖語の再建くらいの関心はある。いつ誰に気付かれるかもわからないようなコードを埋めた作品を数百年後の人間が掘り返す。時空を越えた一方的な、しかし重すぎるキャッチボール。これをロマンと呼ばずして何と呼ぼう。


フロイトは宗教や神話を一種の強迫神経症と考えたらしい。タブーに対する人間の態度が神経症患者と酷似していることをとらえたのだ。やけに説得力がある。

彼が正しいとすれば、人類のうち一体何割がこの神経症を免れているのだろう?

みなさんは興味ありますか、ダヴィンチ・コードに。