体液の流れ

2009-06-06 01:16:06 | 歯科

心臓からポンプされ血液は体全体に行き渡る。そして赤血球は末梢で酸素を置き、酸素を大量に含んだ体液は
組織液(リンパ液)として細胞の間を流れる。
酸素と栄養分を組織液に流した血液は静脈となって心臓に直接もどってくる。

酸素を運ぶ船=赤血球は血管内しか存在しない。毛細血管は赤血球一つがギリギリ通れる太さだ。

組織液は細胞間とリンパ管を流れる、成分としては血液の赤血球を除いたものだ。
あと組織ででた老廃物を含む

いわば下水、、、本当は血管から細胞までの酸素と栄養素を充分にふくむ上水も含まれるのだけどね、、、
組織液(リンパ液)には白血球も含まれる。

白血球にはリンパ球、好酸球、好中球、好塩基球、単球(マクロファージ)などがあるが、リンパ球は
その代表で30%程をしめている、リンパ球の中には異物を攻撃するキラーT細胞や癌をやっつけるNK細胞などがある。


この組織液(リンパ液)は骨格筋の収縮や伸展、関節の運動によってポンプされる。

何故ここで組織液というかというと狭義の意味でのリンパ液はリンパ管内の液体のことであるからだ
広義の意味でのリンパ液は細胞間を流れる組織液も含む、ようするに組織液(リンパ液)は血管から出て
細胞間とリンパ管内をいったりきたりしている。

リンパ管にはリンパ節というリンパ製造&リンパ液濾過&リンパ液ポンプ装置がある。
ポンプ装置は関節の動きによって働く、、、、

関節を動かす筋と関節の動きが悪いということは、体液の流れが悪いということになる。
良く血流障害、血流障害というが、血液の流れが本当に障害されれば、心筋梗塞や脳梗塞など組織に壊死がおこる。

良くいう血流障害、淤血(おけつ)は、本当は血流障害ではなく体液の循環障害、組織液の循環障害のことである。

当然、栄養や酸素を運び、さらに老廃物を運ぶ、組織液(リンパ液)の流れが悪ければ
疲労も溜まるし、細胞が潤うことはない、

様々な弊害がおこる、、、、

しかしだ、、、しかし、医療はこの液体の循環に全く目を向けてはいない、
この体液をポンプする筋や関節の機能を診る医療機関は殆ど無いのだ。

かといって美容などで行われているリンパマッサージなどの多くは、リンパ管をしごいたり、リンパ節を揉んだりで
その機能を無視していることが多い、筋と体液の関係と大きな流れをみていないのだ。

ビルの屋上でもお風呂でも、つまるところは決まっている、排水口だ、、、、
そこを常に掃除してあげれば高圧洗浄は必要ない、、、、

頭部の排水口は、、、つまる場所は決まっている、顎関節周辺のリンパ節なのだ

リンパ節には『リンパ製造&リンパ液濾過&リンパ液ポンプ装置』がある。

リンパ節を押して痛ければつまっている、リンパ節周辺の筋に圧痛があれば機能していないということになる。
必要なのは揉んで押し出したり、揉んでポンプすることではなく。
装置のスイッチを入れること、機能させることである。

運動機能は運動させなくては低下してしまう。歩けない人を車いすに載せて押すのはリハビリではない。
リハビリとはre(再び) habit(習慣にする)、、、、習慣を取り戻すということだ。


リンパ節は揉んではいけない、関節を動かしてポンプしてやる、必要なのは補うことではなく機能させることである。

数グラムの圧をかけ、じわっとリンパ節の圧を抜く、そして組織液を流し込む、関節を動かしリンパ節をポンプする、、、
これがさとう式リンパケアだ、


そして筋を伸展させ、体液の流れを良くする。筋は心臓から遠い順番でできるだけ大きな筋を狙う

頭部の体液流でいえば、顔面の咀嚼筋→首の筋→肩の筋だ、、、

大きな川の流れからいえば、上流→中流→下流

下流だけの流れを良くすることは絶対に出来ない、、、肩の筋は下流にあたる。

顎関節のリンパ節という排水口の詰まりを(装置のスイッチを入れて)抜き
筋を伸展させ、コアの咀嚼筋の、川の流れでいえば上流の流れを良くし
中流、下流に流していく、

中流、下流の流れが良くなればさらに上流の流れも良くなる、血管から先の組織液の流れが良くなれば
当然血管内の流れの抵抗も少なくなり循環全体が改善する、、、、

リンパ管は最後は静脈に吻合し心臓に戻る。

大切なのは

咀嚼筋→リンパ節→首筋→リンパ節→肩筋→リンパ節→心臓 の全体の大きな流れ

上流→処理、ポンプ→中流→処理、ポンプ→下流→処理、ポンプ→ の全体の大きな流れだ


排水口の詰まり方も位置も決まっている、手順にしたがい、装置のスイッチを入れる。
排水口は一番低いところになければならない、だから顔面のリンパケアを行う時は仰向けになり
耳下リンパ節を顔面の低いところにもってきて、流してあげる。


筋、組織液、リンパ節、、、、、、上流、顔面深部筋=咀嚼筋 耳下リンパ節  仰向け 顎の運動
筋、組織液、リンパ節、、、、、、中流、首、頸部リンパ節 首の伸展
筋、組織液、リンパ節、、、、、、下流、肩、鎖骨リンパ節 肩を開き鎖骨の運動

中流や下流だけ流そうと圧をかけても殆ど流れません。
首や肩を揉んでも殆ど流れません。

リンパ節に圧をかけても詰まりはとれません。

排水口のゴミを取り除かないで強圧をかければ余計につまってしまます。
リンパ節には詰まりをとる機能があるのです。濾過し処理する機能があるのです。
機能を無視すれば機能は低下します。

機能を活性化すれば、自然に流れる様になるのです。静脈や組織液を流す圧はほんの数グラムです。
心臓にかかる静脈圧は3~10cm水柱です、ようするに1平方センチメートルあたり3~10グラム
これが15cm水柱を超えると心不全の状態になります。僅か15グラムの圧力で心臓はうまく機能しなくなる。
かける力はほんの数グラムで良いのです。というか数グラムでなくてはいけないのです。

液体は重力だけで充分に流れます、流れに一番重要なのは重力に逆らわないことと
流れる道をつくってあげること、、、、流れを観ること、流れを読むことです。


ここに書いたのは極めて物理的、力学的なことです。この考え方によって極めて簡単に首凝りや肩凝りが
改善します。多くの人が「不思議だ」と言います。
何も不思議なことはありません、手順通りに適切な圧で行えば誰でも結果を出すことができます。

結果が出せないのは圧が不適切だったり、方向が違っていたりと「全体の流れ」を読めていないだけです。

意味を理解し症例をこなし、「全体の流れ」が読めるようになると劇的な変化を経験することが出来る様になります。


何も不思議なことはありません。

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1 コメント

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理解しやすいですね♪ (むらかみ)
2009-06-11 00:45:11
ご無沙汰しております~。
うーん。更に納得!
わかりやすいご指導ありがとうございます
日々、患者さんにリンパケアをしとります♪
アゴの動かし方がわからない方もけっこう多いですねぇ。^^; そういう方は咀嚼筋すごく固いです~
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