歯周病が改善する8つのステップ

2006-05-26 21:09:08 | 歯科
1、歯周病精密検査
慢性疾患である歯周病は、現状の把握から治療が始まります。検査は必須項目であり、いかに詳しく検査するか、どの歯のどの部位が歯周病がどれだけ進行しているのかがわからなければ、治療は不可能です。

2、歯石の除去
歯周病は歯肉縁下歯石が主な原因です、歯の表面の汚れ(プラーク)はとりあえずは問題とはなりません。歯肉を傷つけると歯肉が退縮してしまうので、できるだけ歯肉を傷つけないように縁下歯石を徐々にとっていきます。

3、歯周病を悪化させる外力の除去
歯周病を憎悪させる因子として歯にかかる外力(無意識の食い縛り)をとります。自己暗示とリンパマッサージが有効です

4、生活習慣の改善
歯周病は慢性疾患であり、それを改善させるには生活習慣の改善は必須条件です。特に唾液の分泌は口腔内環境に大きく影響します。朝良く水分をとり良く咬むことで一日の唾液分泌量が増えると口腔内フローラは良い状態で安定します。

5、プラークコントロール
一般的な歯周病治療ではプラークコントロールは歯周病治療の初期の段階でします。これは出血しやすい歯肉を傷つけ歯肉の退縮を助長します。1から4のステップを経過し、1と2を繰り返し歯周病の改善が確認できたところで始めてプラークコントロールをすると歯肉の退縮を最小限に留めることができます。悪影響を最小限にするには歯周病治療を始めて3~4ヶ月しポケットの数値の改善を確認てからプラークコントロールをすることが望まれます。

6、唾液検査
環境因子の把握

7、細菌検査
フローラの把握

8、維持管理
歯周病は慢性疾患であり生活習慣病であるので、維持管理=治療ということになります。
目標をクリアした後も、常に維持管理をし検査をし問題があれば改善していきます。
数値目標は歯周ポケットが6点法ですべて3mm以下、プラークコントロールレコードが20%以下を維持することです。最終的には2mm以下10%以下に管理していきます。
7mmまでのポケットであれば9割が殆ど歯肉退縮することなく3mm以下に改善して行くことが可能です。

月見歯科ではこの様に具体的数値目標を掲げ8つのステップを踏み改善し維持管理していくことを『歯周病治療』と呼びます。



歯周病が治らない3つの理由

2006-05-26 01:08:38 | 歯科
歯周病、治らない徐々に進行していきどんどん歯が抜けていく病気
恥ずかしながら歯医者である私でさえ治るとはおもっていなかった疾患です。慢性疾患であるこの病気は進行性であり。これを治療するには生活習慣から改善し口腔内の菌の叢を変えていく必要があります。歯周病を治療するには非常にシンプルな3つの問題をクリアしなければなりません。

1、歯周病の状態の把握ができていない
歯周病とは歯の周りに歯周ポケットという溝ができます。その深さによって進行度合いが違います。それを把握するには経時的6点法以上の歯周病精密検査が必要です。ダイエットするのに頻繁に体重や体脂肪率を測ってチャートをつけるのと一緒です。いわゆる基本検査(1点法)では再現性がなく病態の把握が全くできません。

2、歯周病を悪化させている因子の除去に注目しない
歯周病は歯に過大な力がかかって、歯が揺らされて進行する病気です。細菌や歯石の除去だけに注目していては歯周病は改善していきません

3、生活習慣が改善できない
慢性疾患である歯周病は、生活習慣病でもあります。歯周病の方は口腔内の常在菌の状態(フローラ)が歯周病菌が活動しやすい状態に安定してしまっています。これらを改善できないとすぐにフローラは元にもどり歯周病が進行してしまいます。

以上3つの問題をクリアしないと歯周病は改善していきません。これは我々が歯周病治療に取り組んできて、なかなか改善できなかった問題点です。

1つ1つの問題点をクリアしてくことによって歯周病が改善するようになってきました。
病状及び生活習慣の把握、歯石の除去とともに歯周病を悪化させる因子の除去、生活習慣の改善とフローラの改善。

歯周病の改善といっても程度があります。一般的に6mm以上のポケットに関しては歯周外科が適応賭されていますが。問題点のクリアによって当院では7mm以下のポケットなら9割以上が改善可能です。9mm以上のポケットが改善する症例は1割ほどですが、それでも歯周外科することなしに3mm以下に改善していく症例があります。今までの歯周病治療では歯周病を構成する歯石や細菌の機械的除去(歯周外科、Pcure、 SRP、プラークコントロールを含む)のみのアプローチでした。
これによって改善しないと技術的な問題だと考えどんどんマニアックになっていきます。それでも少しずつは改善していくのですが限界があります。世の中にはかなりの歯周病治療マニアがいます。マニアの先生にはマニアの衛生士が集まりさらにマニアの患者様が集まります。

今後マニアでなくても改善することができる
『歯周病を改善する8つのステップ』に関して、記載して行く予定です。

日本の将来は?

2006-05-24 13:45:14 | 歯科
 今日小学校へ歯科検診に行ってきました。口の中を見るには背筋をピンとしたまま前屈して頭を後屈させて口を大きく開くと非常にみやすいです。ところがこれができない!どう背筋をのばしていいのか分からない子供がたくさんいる、さらに手を添えてその形を作ろうとすると大抵の子はなんとかできるのだが、何人か猫背のまま固まってしまって、延ばすことすらできない。
顎関節症の子供も多い、首から肩にかけてバンバンに凝っている、「体操座りがいけないんですよね~、立たせておけば良いのです」というと、「立たせておくと10分で倒れるんですよ、それもしゃがむとかじゃなくて、危険な倒れ方をする子がいる」と先生、、、、10分立ってられないって、、、

子供たちは寝たきりの方向に進んでいるのか?5分や10分立つ練習しろよ!脳のトレーニングも一日5分で良いのです。5分や10分立ってる練習できないの?

猫背になると胸腔や腹腔が狭くなり心臓や内臓の動きも悪くなります。成長途中で崩壊の方向にすすんでいく子供たちを目の前にして、それで良いと思っている、親や先生を目の当たりにして
かなり不安になってきました。

少子化だけでなく役にたたない人間と体をつくっている今の教育、、、これから日本は大変な方向に行きそうです。

凝りや痛みを感じるのは何故体の後方なのか?

2006-05-22 22:08:33 | 歯科
首、肩、背中、腰と筋の痛みや凝りを感じるのは体の後方ばかりです。何故なのでしょうか?
特に首の筋肉は前方に集中しています。なのに主に痛みを感じたり凝るのは後方の筋のみ、、、おかしいと思いませんか?

頭は重くさらに一番高いところにありますので力学的モーメントはかなり大きく、それを支えるのは骨と筋ですが、バランスをとるのは関節と筋です。頭には関節が3カ所(第一頸椎、左右顎関節)
重い頭を支える最も多く重要な筋は前頸筋(舌骨上筋群と下筋群)です。これらの筋は太く強いのであまり凝りを感じることがありません。太ももなどは凝りを感じることはあまりありませんよね。これらの血流障害は貧乏ゆすりや歯ぎしりなどで代償されます。
前頸筋のバランスがわるくなると頭が前に引かれ、背骨の後方の薄い筋が無理をします。

よって後方の筋に痛みや凝りを感じるのですが、いままでの多くの場合アプローチが痛みや凝りを感じている筋に対してのものです。
我々のアプローチは前頸筋に対してのみおこないますが、作用は体の後方、首の後ろ、肩、背中、腰に現れます。
体の後方の凝りや痛みに関して、その部位は全く触ることなく解決することが可能なのです。触る必要がないばかりか、触るより確実に、瞬時に血流障害を改善することが可能です。

捨てる神、拾う神

2006-05-20 13:26:22 | 歯科
2つの有名な歯科医院をずっと見学にいきたいと思っていました。いままで何件かの一流の歯科医院を見学させてもらいました。すごく勉強になります。自分は「そこそこ」だと思っていましたが一流の先生の医院を見学させてもらうと、見事に打ち破られてまたそこから「俺も頑張ろう!」と気になります。

見学したい先生は有名な先生で、自分にはつてがありません。いつかはと思っていたのですが、たまたま知り合いの先生のところで働いていたことがあり、「○○君なら良く知っているし、見学すると良いよ」ということで紹介頂け見学できると思ったのですが、結局今の段階では見学できませんでした。世の中そんなに甘くないな~と実感していたのですが、、、

もう一軒の見学できないと思っていた先生のところに駄目もとで手紙を出してみたところ、お返事を頂き従業員もつれて見学できることになりました。

本当に捨てる神あれば拾う神ありです。一流の方というのは存在そのものが大きく、そのエネルギーが刺激になります。ある分野では絶対に追い付けないのですが、アプローチやステージを変えればなんとかなると思います。あらゆるところにヒントは隠されている!多くのことを吸収してくるつもりです。

歯科ができること、我々ができること

2006-05-20 11:33:31 | 歯科
消化を良くして生活のリズムを整え体をちゃんと支え循環を良くする。
我々歯科医師のできることは予想以上に大きいものだと考えています。またこれは歯科だけの分野ではなく、より多くの人の認識と協力が必要です。

歯科治療の場だけではなく、より多くの人の健康に関わるように活動をしていきたいとおもっています。

歯科の可能性その2

2006-05-20 08:00:59 | 歯科
首の前の筋肉は前頚筋といって、喉仏の少し上にある小さな骨『舌骨』を中心に舌骨上筋群と舌骨下筋群にわけられます。これらの筋肉は頭を支えると同時にそしゃく筋、、、すなわち咬む筋肉です。これは意外に知られていないことですよね。

前頚筋、、すなわちそしゃく筋が緊張し続けたり、衰えると頭が前に出ます。猫背になり腰も曲がってきます。お年寄りが腰が曲がってしまうのは歯が無くなって、咀嚼筋が衰えることと大きな関係があるのです。

お年寄りにならなくても、ストレスによる筋の緊張でそしゃく筋が凝ると頭が前にでます。そしゃく筋や太ももなど太い筋肉は『凝り』をあまり感じません。血流障害がおきると「貧乏ゆすり」や「くいしばり」「歯ぎしり」などで無意識に筋を動かします。
重い頭のバランスが悪くなり『凝り』や『痛み』を感じるのは首の後ろの薄い筋肉なのです。

太い筋肉が緊張し体が前にひっぱられ、体の後方の筋が常に緊張します。
我々が『凝り』や『痛み』を感じるのは圧倒的に後方の筋ばかりです。

首、肩、背中、腰

これまで、歯科医師は噛み合わせとこれらの痛みの関係があることはわかっていました。ただその因果関係がわからないままだったのです。重い頭を支えるのは『筋』だけではなく。関節です。

頭には3つの関節があります。3つしか関節はないのです。
一つは背骨(第一頚椎)と頭の関節
あと二つは顎の関節です。

この3つの関節と筋が頭を支えています。頭の位置やバランスが崩れれば、
首 肩 背骨 腰 膝の負担は大きくなります。

下顎は上顎にぶら下がって、ジャイロスコープ(宇宙ゴマ)のように頭のバランスをとっているのです。

顎周辺の筋(そしゃく筋)の緊張をとくと、体は自然に良い状態に戻ろうとします。

それが我々のやっているさとう式リンパドレーン療法です。

歯科の可能性

2006-05-20 00:28:27 | 歯科
兵庫県の歯科医師会が70歳以上に人を対象に歯が20本以上ある人とそうでない人の医療費を比べたとこと、5倍の差があるという発表をしました。
歯科医療費ではなく医療費全体です。「健康な人は歯があって、病気になると歯が抜けていく」という考えもできなくはありませんが、やはり健康と歯には密接な関係があるのでしょう。

皆さん胃腸障害って胃と腸の問題だとおもっていませんか?胃と腸に問題が起こるのは脳の指令がうまくいっていないからです。では脳は何に刺激をうけて指令を出すのでしょうか?
それは「噛む」ことです。口で噛むことによって消化が始まります。唾液が出ます。ある程度口で消化してから、脳の指令で胃に入った食べ物を消化し始めるのです。

良く噛まないといきなり消化されていないものが、胃に入りさらに胃は脳の指令がこないので慌てて胃液をたくさん出して消化しようとします。胃腸障害は胃や腸の問題ではなく「口」の問題なのです。


院長の休日

2006-05-10 23:31:57 | 歯科
昨日は忙しい一日でした。
まずはレセプト(保険請求)を出しに、中区と黒川


名古屋駅の老人ホームでリンパマサージのボランティアを始めるため、今日は老人ホームで打ち合わせをしてきました。職員の方3人にリンパマッサージを施術全員効果が認められました。興味はもっていただけたと思います。今後は入所者やご家族にも体験して頂きたいと思っています。

昼に3mixとリンパマッサージについて企業の方と打ち合わせ、いかにこの素晴らしい方法を広め世の中に役立つか話していたところ、興味をもって頂いた方が現れお話をさせてもらいました。JRのタワーズの51階霞が流れる角の一番良い席でお茶をしながらだったのですが、非常に有意義な時間が過ごせました。

5時に春日井に戻って、往診

7時に大学の医局で医局の同門会の打ち合わせ、非常にいそがしく充実した休日でした!凄く重要な方々と知り合いになれてなんか恵まれているな~と実感しました。