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ふくいんちょのつぶやき

山形県 米沢市 笹生歯科医院 副院長Kazuyoshiの
日常を通してのつぶやき

「勤勉さ」と「道徳心」

2008-08-01 07:41:35 | 日常
 
 「勤勉さ」と「道徳心」 
 
 
 昨今の経済状況は不透明感が強いが、さすがに「バブル」とか「不良債権」
という言葉は聞かれなくなった。とはいえ、バブル時につくられた“負の遺産”
は、まだ清算されていない。経済面での不良債権ではなく、“心の不良債権”
がそれだ。

かつて日本人と言えば、世界が呆れるほどの勤勉さが“売り”だった。一国の
経済力を示すのは国内総生産(GDP)だが、もし「国内総勤勉量」という指標
があれば、日本は圧倒的に高い値を間違いなく叩き出していたことだろう。
その成果として、世界でも例のない高度経済成長を実現したのである。おかげ
で「エコノミック・アニマル」「働きバチ」などと揶揄(やゆ)されたものだ。


ではなぜ、それほどよく働いたのか。もちろん「豊かになりたい」という欲求
はあったはずだが、それだけではない。世のため人のために真面目に努力する
「道徳心」、働くこと自体を楽しいと感じる「美意識」、それに、廃墟と化し
たこの国を復興させたいという「愛国心」が相まって、猛烈な勤勉を支えてい
たのである。


ところが、これらの特性をバブル経済が破壊した。世の中はカネとモノであふ
れ、飢えや貧しさを心配する必要はなくなった。不動産を転売するだけで、一
気に何億円も稼ぐことができた。有り余ったカネは、さらに不動産や株、ある
いは実体のない事業に注ぎ込まれ、儲けを膨らませた。

こうした“好循環”が当たり前になると、真面目にコツコツ働くことがバカバカ
しく思えてくる。その結果、いかに努力して社会の期待に応えるかではなく、
いかにラクをして儲けて遊ぶか、というマインドが広く蔓延するようになった。
時代の空気が勤勉さを放棄させた、と言えるかもしれない。

今日、バブル崩壊で大きな影響を受けた金融機関の業績は、税金による補填と国
民に低金利を強いることで回復しつつある。だが一方、同じく失われた勤勉さや
道徳心、美意識は、手つかずで放置されている気がする。

例えば、昨今の企業不祥事の多さは尋常ではない。ニュースを見ていると、ほぼ
連日のようにどこかのトップが頭を下げている。

日々の仕事を「楽しい」と感じている人がどれほどいるだろうか。前回も触れ
たが、心の病に苦しむビジネスパーソンはきわめて多い。また学校に目を向け
れば、いまや世界でも珍しいほど勉強しない生徒や学生が闊歩している。
「蛍雪」や「四当五落」といった言葉は、もう死語かもしれない。

                         2008年2月15日 日経  

 楽して手に入ればそれはもちろん楽ですよね。苦労せず富を得ることは
誰もが理想とするところかもしれません。ですが、労せずに手に入れては
そのものの有難さがわからず、感謝の気持ちを忘れてしまいがちになって
しまうと思います。

 イチローが楽をして3000本安打を達成したでしょうか?
 野茂が楽をしてメジャーでの好成績を残せたでしょうか?

 彼らでさえも、日々の努力というものを怠ることはないのではないでしょうか。
 そして周囲への感謝の気持ちを、忘れたことはなかったのではないでしょうか?

 「真面目にコツコツ」は格好が悪いという時代かもしれません。

 ですが、全力で取り組まないことは格好いいとは思えません。


 山形県 米沢市 笹生歯科医院 副院長のKazuyoshiでした。

  
 熱意は力なり
 花よりも

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