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内分泌代謝内科 備忘録

内分泌代謝内科臨床についての論文のまとめ

Liddle 症候群

2023-10-31 16:57:20 | 循環器

Liddle 症候群

Int J Mol Sci 2018; 19: 812

 

1963年に Liddle らは低レニンの抵抗性高血圧(180/110 mmHg)、低カリウム血症(K 2.8 mEq/L) 、アルカローシスを呈する16歳白人女性の症例を報告した。

 

アルドステロンは低値でスピロノラクトンは無効だった。epitherial Na channel (ENaC) の阻害剤であるトリアムテレン 100 mg 8時間毎内服と塩分制限で血圧は正常化(拡張期血圧 80 mmHg) し、血清K は 5.0 mEq/L に上昇した。

 

Liddle 症候群は常染色体優性遺伝の遺伝形式をとる。1994年に Botero-Velez らは連鎖分析を行い、ENaC のベータサブユニットの遺伝子変異が Liddle 症候群の原因であることを報告した。

 

ENaC はアルファ、ベータ、ガンマの3つのサブユニットからなる。現在、Liddle 症候群の原因となる遺伝子変異は31種類報告されている。ベータ、ガンマサブユニットの細胞質側のユビキチン結合部位が欠損する変異の報告が多く、タンパク質の分解が抑制される結果、遠位尿細管の管腔側に ENaC が蓄積する。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5877673/

 

Liddle 症候群のシステマティックレビュー

Clin Exp Hypertens 2018; 40: 107-111

 

54症例の Liddle 症候群の確診例についてのシステマティックレビューの結果、発症年齢についてはばらつきはあるものの一般に30歳未満であることが示された。

 

Liddle 症候群のスクリーニングは30歳未満に対して行うことが提案されている。

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28718682/



Liddle 症候群のケースシリーズ

J Clin Hypertens 2017; 19: 524-529

 

12症例(うち11症例は ENaC のβまたはγサブユニットの変異を確認している)を後方視的にまとめた。診断時の年齢は 15.5±3.3歳だった。ほとんどの症例は血圧コントロール不良で、血清K 3.0 mEq/L 未満、起床時のレニン/アルドステロンは抑制されていた。いずれも、トリアムテレン内服で血圧はよくコントロールされ、血清K は正常化した。

 

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/jch.12949

 

Liddle 症候群の家系に対して遺伝子スクリーニングを行った結果についての報告

J Clin Endocrinol Metab 1997; 82: 1071-1074

 

K176 変異は ENaC のβサブユニットのC末端のフレームシフトを起こし、軽度の高血圧と軽度の低カリウム血症、低レニン血症を来す。

 

この変異をもつ家系で遺伝子スクリーニングを行ったところ6人の保因者が同定されたが、このうち高血圧を認めたのは2名、低カリウム血症を認めたのは2名だった。

 

LIiddle 症候群の臨床症状は同一家系内でもばらつきが大きく、診断されていない例もあるのかもしれない。

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9100575/

 


高血圧に関する WHO の報告書

2023-09-27 05:34:23 | 循環器
高血圧の壊滅的な影響とそれを止めるための方策: 世界保健機関初の報告書

世界保健機関(world health organization: WHO)は、高血圧が世界に与える壊滅的な影響に関する初の報告書を発表した。この報告書によると、高血圧患者の 5 人に 4 人は適切な治療を受けていないが、もし各国が治療を拡大できれば、2023 年から 2050 年の間に 7,600 万人の死亡を回避できるという。

高血圧は、世界中で成人の 3 人に 1 人が罹患している。 このありふれた疾患は、脳卒中、心臓発作、心不全、腎臓障害、その他多くの健康問題につながる。

高血圧症(血圧 140/90 mmHg 以上、または高血圧治療薬を服用している)の患者数は、1990 年から 2019 年の間に 6 億 5,000 万人から 13 億人へと倍増している。世界の高血圧患者の半数近くは、現在自分の状態に気づいていない。成人の高血圧患者の 4 分の 3 以上が低・中所得国に住んでいる。

高齢と遺伝は高血圧のリスクを高めるが、塩分の多い食事、運動不足、アルコールの飲み過ぎなど、修正可能な危険因子も高血圧のリスクを高める。

より健康的な食事、禁煙、より活動的な生活などのライフスタイルの変化は、血圧を下げるのに役立つ。一方で、高血圧を効果的にコントロールし、合併症を予防するために薬が必要な人もいる。

高血圧の予防、早期発見、効果的な管理は、医療における最も費用対効果の高い介入のひとつであり、プライマリ・ケアレベルで提供される国民医療給付パッケージの一部として、各国が優先的に実施すべきである。高血圧治療プログラムの改善による経済的利益は、コストを約 18 対 1 で上回る。

「高血圧は、簡単で低コストの薬物療法で効果的にコントロールすることができますが、高血圧患者の 5 人に 1 人しかコントロールできていません。」

WHO 事務局長のテドロス博士は述べている。

「高血圧対策プログラムは、依然として軽視され、優先順位が低く、莫大な資金が不足しています。高血圧対策の強化は、プライマリー・ヘルス・ケアの基盤の上に構築された、十分に機能し、公平で弾力性のある保健制度に基づく、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ (world health coverage: WHC, 誰もがどこでも医療保健を受けられる社会にしようという世界保健機関のスローガン) に向けた各国の歩みの一部でなければなりません。」

この報告書は、パンデミックへの備えと対応、結核の終息、WHC の達成に関する保健目標を含む、持続可能な開発目標の進捗状況を取り上げる第 78 回国連総会の中で発表された。高血圧の予防と管理を強化することは、これらすべての目標達成に不可欠である。

高血圧の治療が効果的に行われている患者数が、治療成績の良い国で観察されるレベルまで増加すれば、現在から2050年までの間に、7,600万人の死亡、1億2,000万人の脳卒中、7,900万人の心臓発作、1,700万人の心不全を防ぐことができる。

WHO の非感染性疾患・傷害担当世界大使であるブルームバーグ氏は次のように述べている。

「今日、世界で起きている心臓発作や脳卒中のほとんどは、手頃な価格で安全かつ利用しやすい医薬品や、ナトリウムの削減などの介入によって防ぐことができます。プライマリーヘルスケアを通じて高血圧を治療することは、命を救うと同時に、年間数十億ドルを節約することになります。」

高血圧は、HEARTS のようなプログラムを利用すれば、安全で広く入手可能な低コストのジェネリック医薬品で簡単に治療することができる。WHO のプライマリーヘルスケアにおける心血管疾患管理のための HEARTS テクニカルパッケージと成人における高血圧の薬理学的治療のためのガイドラインは、プライマリーヘルスケアの場で効果的な高血圧治療を提供するための実証された実践的なステップを提供している。

HEARTS
https://www.who.int/publications/i/item/9789240001367

地域社会や国全体で効果的な血圧管理を行うことは、あらゆる所得水準の国で達成可能である。バングラデシュ、キューバ、インド、スリランカを含む 40 以上の低・中所得国が、HEARTS パッケージによって高血圧治療を強化し、1,700 万人以上を治療プログラムに登録した。カナダや韓国などの国々では、包括的な高血圧治療プログラムが実施され、両国とも高血圧を有する成人の血圧コントロールが 50%の大台を超えた。持続的で体系的な国家的高血圧管理プログラムは成功する可能性があり、高水準の血圧管理は、脳卒中や心臓発作の減少、より健康的な長寿につながる。

この報告書は、WHO が推奨する、命を救うための効果的な高血圧治療を実施することの重要性を強調している。効果的な高血圧治療を実施するためには以下の要素が重要である。

プロトコール:
コントロールされていない血圧を管理するための具体的な行動手順が記載された、用量や薬剤に応じた実用的な治療プロトコールは、治療を効率化し、アドヒアランスを向上させる。

薬と器具の供給:
効果的な高血圧治療には、手頃な価格の薬を定期的かつ継続的に入手することが必要である。現在、必要不可欠な降圧薬の価格は、国によって 10 倍以上の開きがある。

チーム医療:
チームが協力して、医師の指示やプロトコールに従って血圧測定レジメンを調整し、強化することで、患者の転帰は改善する。

患者中心のサービス:
服用しやすい薬物療法、無料の薬物療法、自宅近くでの経過観察、血圧モニタリングの容易な提供などにより、治療への障壁を減らす。

情報システム:
ユーザー中心のシンプルな情報システムにより、患者レベルの重要なデータを迅速に記録し、医療従事者のデータ入力の負担を軽減し、ケアの質を維持または向上させながら、迅速なスケールアップを支援する。

Resolve to Save lives の社長兼 CEO であるフリーデン博士は次のように述べている。

「1 時間毎に 1,000 人以上が脳卒中や心臓発作で亡くなっています。これらの死因のほとんどは高血圧であり、そのほとんどは予防できたはずです。優れた高血圧治療は手ごろな価格で、手の届くところにあり、プライマリー・ヘルス・ケアを強化します。今の課題は、"手の届く範囲にある " 状態から "いつでも利用できる " 状態にすることです。そのためには、世界中の政府のコミットメントが必要です。」


日本の高血圧症のプロフィール

·30-79歳の成人のうち、男性の 40%、女性の 23%が高血圧症。

·高血圧症のうち、診断されているのは 67%、治療されているのは 48%、コントロールされているのは 26%。

·コントロールされている高血圧症患者の割合が 50%を越えるためにはさらに 610万人の高血圧症患者が効果的に治療される必要がある。

·高血圧症に対する対策を強化できれば、2040 年までに 388,000 の死を回避することができると推計されている。

·2019 年の心血管疾患による死は 364,000 件。

·2019年の 25歳以上の平均塩分摂取量は 10 g (男性 11 g, 女性 9 g)。

·2019年の 15歳以上の喫煙率 21% (男性 31%, 女性 10%)。

·2016年の 18 歳以上の肥満の割合 4% (男性 5%, 女性 4%)。

·2019年の 15 歳 以上の一人あたりのアルコール消費量 7 L (男性 11 L, 女性 3 L)。

·2016年の身体的に不活発な人の割合 35% (男性 34%、女性 37%)。


韓国の高血圧症のプロフィール

·30-79歳の成人のうち、男性の 32%、女性の 21%が高血圧症。

·高血圧症のうち、診断されているのは 71%、治療されているのは 71%、コントロールされているのは 53%。

·2019年の心血管疾患による死は 64,400件。

·2019年の 25歳以上の平均塩分摂取量は 12 g (男性 13 g, 女性 11 g)。

·2019年の 15歳以上の喫煙率 21% (男性 37%, 女性 6%)。

·2019年の 18 歳以上の肥満の割合 5% (男性 4%, 女性 5%)。

·2019年の 15 歳 以上の一人あたりのアルコール消費量 8 L (男性 13 L, 女性 4 L)。

·2016年の身体的に不活発な人の割合 35% (男性 30%、女性 41%)。







編集者への注記

WHO は、非営利団体 Resolve to Save Lives と提携し、HEARTS テクニカルパッケージ(プライマリーヘルスケア環境における高血圧ケアを強化するための戦略的、段階的アプローチであり、スクリーニングや治療プロトコルを含む)の実施を世界各国で支援している。2017 年以来、ブルームバーグ・フィランソロピーは WHO と Resolve to Save Lives の命を救うための世界的な取り組みを支援している。

ブルームバーグ LP とブルームバーグ・フィランソロピーの創設者であるマイケル・R・ブルームバーグは、2016 年から WHO の非感染性疾患と傷害の世界大使を務めている。ブルームバーグ・フィランソロピーによる公衆衛生への投資には、15.8 億ドルの投資によるタバコと青少年の電子タバコの使用削減、健康的な食品政策の支援、溺水の削減、交通安全と妊産婦の健康の改善など、命を救うための主要な取り組みが含まれる。 2022 年 7 月、ブルームバーグ・フィランソロピーは心臓血管の健康イニシアチブに 1 億 1500 万ドルを追加投資し、2017 年からの投資総額は 2 億 1600 万ドルに達した。

https://www.who.int/news/item/19-09-2023-first-who-report-details-devastating-impact-of-hypertension-and-ways-to-stop-it

SGLT-2 阻害薬の 2型糖尿病における心血管イベントの抑制効果

2023-09-19 22:40:27 | 循環器
SGLT-2 阻害薬の 2型糖尿病における心血管イベントの抑制効果: メタ分析
J Am Heart Assoc 2020; 9: e014908
https://doi.org/10.1161%2FJAHA.119.014908

·EMPA-REG OUTCOME と CANVAS Program, DECLARE-TIMI 58, CREDENCE の結果を統合

·心不全の予防効果が特に高いことが分かる。二次予防だけでなく、一次予防効果もある。一方、全死亡、心血管死、心筋梗塞については二次予防効果のみ認める。脳梗塞は減らないが増えもしない。

·骨折と下肢切断のリスク上昇はあってもごくわずかだが、糖尿病ケトアシドーシスのリスクは 2.46 (95%信頼区間: 1.43-4.24) 倍とはっきりと上昇している。

図1. SGLT-2 阻害薬の心血管イベントおよび死亡の予防効果


図2. SGLT-2 阻害薬の有害事象




アントラサイクリン系抗がん剤の心毒性による心不全をメトホルミンが予防するかもしれない

2023-09-06 01:53:26 | 循環器
アントラサイクリン系抗がん剤の心毒性による心不全をメトホルミンが予防するかもしれない
J Am Coll Cardiol Cardioonc 2023. DOI: 10.1016/j.jaccao.2023.05.013

図: 研究の概要
https://www.jacc.org/action/downloadFigures?id=undfig1&doi=10.1016%2Fj.jaccao.2023.05.013


背景:
アントラサイクリン系抗がん剤に関連した症候性心不全(HF)の有病率は約 3%であるが、心機能障害の発生率はより高く、一部の研究では 40%に達する。アントラサイクリン系抗がん剤による HF 患者の心血管死亡率は高く、最近の研究では5年で9%、10年で24%であった。

マウス心筋細胞を用いた in vitro 研究では、メトホルミンがドキソルビシン誘発アポトーシスを減少させることが示されていた。


目的:
本研究の目的は、アントラサイクリン系薬剤を投与された糖尿病患者において、メトホルミンと症候性HF の発現との関連を検証することである。


方法:
3 次医療機関において 2008 年から 2021 年の間に新規アントラサイクリン療法を受けた計 561 例のDM 患者を対象とし、傾向スコアマッチングを用いてメトホルミン治療の有無を比較した。主要アウトカムは、アントラサイクリン治療開始後 1年以内に新たに発症した症候性 HF とした。


結果:
315例( 65±11 歳、男性 33.7%)が組み入れられた。メトホルミン投与群と非投与群では、年齢、性別、がんの種類、投薬内容、心血管危険因子がよく一致していた。メトホルミン治療を受けた 6人の患者とマッチさせた 17人の患者がアントラサイクリン投与開始後 1年以内に HF を発症した。

メトホルミン治療を受けた患者におけるアントラサイクリン投与後 1年以内の HF 発症率は、メトホルミン治療を受けなかった患者よりも低かった(累積発症率: 累積発生率:3.6% vs 10.5%;P = 0.022;HR:0.35;95%CI:0.14-0.90;P = 0.029)。メトホルミンの使用は死亡率の低下と関連していた(HR:0.71;95%CI:0.50-1.00;P=0.049)。


結論:
メトホルミンの使用は HF の発生率および総死亡率の低下と関連していた。


備考:
アントラサイクリン系抗がん剤の代表的なものとしてはドキソルビシンがある。これはびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫の治療の第一選択である R-CHOP を構成する抗がん剤のひとつである。

所感:
規模が大きくない後ろ向き観察研究の結果なので、前向きコホートやランダム化比較試験で検証する必要がある。メトホルミンは安価で低血糖の恐れも少ないので、糖尿病がない患者でも有効かどうかを調べると良いだろう。

https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jaccao.2023.05.013

減塩教育と塩分計量でどの程度塩分摂取量が減るか?

2023-08-30 18:26:54 | 循環器
中国における減塩のための家庭料理介入の効果:クラスター無作為化比較試験
BMJ 2023; 382 doi: https://doi.org/10.1136/bmj-2022-074258

目的:
家庭で調理をする人や家族向けに考案された減塩介入の効果を明らかにすること。

デザイン: クラスター無作為化比較試験

セッティング:
2018年10月15日から2019年12月30日まで、中国北部、中部、南部の6つの省

対象:
6省 60コミュニティ(各省 10コミュニティ)が無作為化され、各コミュニティは 26人( 13家族から各 2人)で構成

介入:
介入群の参加者は、減塩のための支援環境構築、減塩に関する 6回の教育セッション、塩分と塩分の多い調味料の 7日間の計量記録による塩分摂取量モニタリングなどの 12ヶ月間の介入を受けた。対照群は介入を受けなかった。

主要評価項目:
12ヵ月の追跡期間中の24時間尿中ナトリウム測定による食塩摂取量の変化における両群間の差

結果:
788家族の 1576人(男性 775人(49.2%)、平均年齢 55.8歳(標準偏差10.8))がベースライン評価に参加した。ベースライン評価後、786人が参加した 30地域が介入群に、790人が参加した 30地域が対照群に割り付けられた。試験期間中、157人(10%)の参加者が追跡調査不能となり、残りの介入群706人、対照群713人が追跡調査を完了した。

12ヵ月の追跡期間中、尿中ナトリウム排泄量は介入群で24時間あたり 4368.7 ± 1880.3 (標準偏差) mg から 3977.0± 1688.8 mgに、対照群で24時間あたり4418.7 ± 1973.7 mg から4330.9 ± 1859.8 mg に減少した。調整線形混合モデル解析によると、対照群と比較して、介入群では24時間尿中ナトリウム排泄量が 336.8(95%信頼区間: 127.9-545.7) mg/24時間減少した(P=0.002)。

収縮期および拡張期血圧はそれぞれ2.0(0.4-3.5)mmHg(P=0.01)および1.1(0.1-2.0)mmHg(P=0.03)低下し、介入群の知識、態度、行動は有意に改善した。

結論:
家庭の料理人や家族を対象とした地域ベースの減塩パッケージは、食塩摂取量と血圧の低下に有効であった。この介入は、家庭料理が食塩摂取の主要な原因である中国やその他の国々で広く適用される可能性がある。

所感:
24時間尿ナトリウム排泄量が 1000 mg 増加すると、心血管イベントのハザード比が 1.18 に増加し (NEJM 2022; 20: 386) 、脳卒中や心不全のリスクも心筋梗塞のリスク上昇と同程度上昇する (JAMA 2011; 306: 2229) ことから、24時間ナトリウム排泄量が 336.8 mg 減った場合はそれぞれのリスクを数%程度下げられるかどうかというくらいか。

減塩の重要性は疑いないが、いくつかの介入を組み合わせなければ臨床的に有意な効果は得られないのではないか。

https://www.bmj.com/content/382/bmj-2022-074258