さるぶつGOO

宗派や宗教団体の壁をガン無視して、自由な「信仰のある生活」を楽しみたいと思います。

【死と成仏 その2】

2020-06-19 19:18:31 | 仏教講座
今回は、人間側の都合から、「成仏」を考えてみたいと思います。
そもそも、死んだ後のことがわかる人間などいません。
臨死体験だとか言う人もいますが、臨死は生の一形態であって、死ではありません。
同じ系列で付け加えるなら、仮死も生であって、死ではありません。
死んだ後のことは、生きている人間には確かめようのないことなのです。
当たり前か?・・・・・だね。


どうなるかわからない。
どうなったかわからない。
そんな状況は不安ではないですか?


だから、「死」に思いを馳せる時、人は不安を感じます。
人間は不安に弱い生き物なんだと、今回のコロナ騒動を見ていても思います。
なぜ、デマ一つで、街からトイレットペーパーが消えてしまったのでしょうか?


「死後」についても、様々なデマゴーグが溢れています。
「地獄に堕ちる」
「この世で迷っている」
「どこかで生まれ変わっている」
理性が否定しても、煩悩がそれに囚われてしまうのです。


大切な人が死んでしまった後でも、その人を大切に思う気持ちは変わりません。
失ってしまったものに思いを募らせるのは執着ですが、人間は執着するものです。


大切な人は、大切なまま。
その大切な人が、
「地獄に堕ちて苦しんでいる」
「あの世に行けずに苦しんでいる」
なんてことを言われたら、どう思いますか?


理性で否定することは簡単です。
でも、気持ちが邪魔しませんか?
気にしないつもりでも、どっかに引っかかりませんか?
嘯く必要はありません。
素直に考えてください。


引っかかるんですよ、当然。
ですよね?
体験的に否定することができないんですから。
死んだことが無い、という弱みを、どんな人間も持っています。
「あんた、死んだら地獄に堕ちるよ。」
と、言われたらどう思いますか?
そんなわけないと思っても、気持ち悪くないですか?
その気持ち悪さが、理性が貫徹していない証拠です。
「おみくじなんてくだらない。」
と、思っていても、「大吉」が出たら、なんとなく嬉しくないですか?
その気持ち良さが、理性が貫徹していない証拠です。
私は引きますよ、おみくじ。
コレクター気質の私は、レアアイテムの「大凶」一点狙いですけど。


虚勢を張る必要はありません。
人間は弱くて良いのです。


体験したことのない問題をぶつけられれば、揺さぶられるようにできているのです。
それもこれも、煩悩があるからです。
だから、絶対に未体験である「死」を考えると、必ず不安になるのです。
他人の死、自分の死、死はワンダーランドです。


死んだ人の安否(安否というのもおかしな話ですが)は気になるし、自分の死(行先)を思うと不安になります。
そんな不安には「成仏」をぶつけましょう。
理性が相手ではないので、理屈はガン無視でかまいません。
「成仏するから大丈夫!心配ない!」
と、「成仏」をカウンターで叩き込みましょう!
そうすれば、少しは不安がなくなるのではないか?
というのが、「死(死後)の不安を解消したい」という需要に対する「対処療法」だったりもするわけです。
「死んだらどうなるの?」
「(きっぱりと)成仏する(仏に成る、でも可)。」


理性を育てることが根治療法だとすれば、対処療法は「刷り込み(洗脳とも言う)」です。
根治療法はシンプルに論理ですが、対処療法はドンキの品揃え並みにバラエティーに富んでいます。
それらが、ごっちゃごちゃに混在しているのが、「仏教」です。
だから、「信仰は理屈じゃないんだ!」と切れる教学者が後を絶たないわけですが、そこは、切れるところではありません。
楽しむべきところです。
対処療法だけを学んでいると、最終的に切れなくてはならなくなります。
矢吹丈vs力石徹です。
つまり、ノーガードの殴り合い。
体力(HP)が落ちていた力石徹は死にました。(わからない人はググってね)


逆に、根治療法に拘り対処療法を否定すると、誰にも相手にされない「原理主義者(嫌われ者」になってしまいます。
私は、たぶん、原理主義者だと思われていそうなのですが、そんな私でもわかります。
対処療法は大切です。
対処療法のことを「方便」と言います。
「真実(根治療法)」と「方便(対処療法)」が両立してこその医療、じゃなくて「仏教」です。
「方便」は「真実」を隠してしまうほど、度が過ぎることも、間々あります。
でも、真実を無視しちゃだめだよねえ、ふふふ。


嫌味な私ですが、今後も引き続き嫌味です。


というわけで、本日は、「成仏」の方便性を考えたわけですが、次回からは、いよいよ、「往生・浄土」ということについて考えていきたいと思います。


実は浄土も・・・・・・ふふふ!
(見真塾サルブツ通信Vol.0013)