セーラの独り言2

お年寄りの独り言・・・・

雨の日のいちにち

2018-05-20 | 日記
 雨の音で目が覚めた。午前3時25分。
ラジオをつけると、島倉千代子の細くふるえるような歌が流れて来た。
そして天気予報によると今日は一日中雨降りのこと。
雨の日は落ち着いて静かにしみじみと過せるので私は好きなのです。
今日はどのように過そうと雨音を聞きながら時計を見ると午前4時少し前。
もう一眠りしたいとおもったけれど、すっかり頭が冴えてしまった。
毎朝の読書として枕元にある本の続きを雨音をバックミュウジックとして
読みながら朝を迎えることにした。
 随分と昔に愛読していた詩人・三好達治の詩集と彼を描いた本の二冊。
詩人・萩原朔太郎を心より尊敬し愛し慕った達治。その妹に恋焦がれ
叶えられなかった達治の純粋な切ない思いを描いた本に何度涙したことか。
昔、お気に入りのところに印をつけたのを見つけた時、その若さの自分が
いとおしく思えたり、その時は気付くことなく読み過ごしていた所に
時を越えた今だから心が止まったりして朝の読書を楽しんでいる。
ときどき耳を澄ますとまだ降り続く雨の音。
やっばり今日は雨は上がらないのだわと時計を見る。午前6時少し前。
本の続きに心惹かれながらもそろそろ起きなくっちゃぁね。
 昔も今も変わらず好きな詩。
      「桐の花」  三好達治・歌集 艸千里より
   夢よりもふとはかなげに
   桐の花枝をはなれて
   ゆるやかに舞ひつつ落ちぬ
   二つ三つ四つ
   幸ある風に吹かれて
   おん肩にさやりて落ちぬ
   色も香もたふとき花の
   ねたましやその桐の花
   昼ふかき土の上より
   おん手の上にひろはれぬ

 小さな川の橋の傍に一本の桐の木が立っていた。
うすむらさきの花が風にかすかに揺れている
桐の木が太く大きく育ったら花嫁の箪笥になるという。
10数年前に見かけたその桐の木も大きくなり
いつの日かどなたかの花嫁の元に・・・・・
 そんなことを想い出した雨の日はなんだかとてもよい一日となりそう。


     


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