セーラの独り言2

お年寄りの独り言・・・・

秋の七草

2018-09-28 | 日記
 萩、薄(すすき)、葛花(くずばな)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、
 藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)

秋の七草はどの花もひかえめで美しく、もの寂しさを漂わせている。 
秋の七草は古くは万葉の時代に歌人山上憶良が万葉集に二句詠っている。
  萩の野に 咲きたる花を 指折(およびおり) かき数ふれば七種の花
                             (万葉集 八巻 1537)
  萩の花 尾花(すすき)葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花 
                              (万葉集 八巻 1538)                       ※ 朝貌(あさがお)とは桔梗のこと。  
こうしてみるといにしえの時代から親しまれていたのですね。
 七草粥は春の七草を炊いて食するもので、正月料理で疲れた胃を休め、野菜不足を補い、
また、邪気を払い万病を防ぐという意味がこめられているという。
正月明けに食べるおかゆはさっぱりとして美味しそうですね。
昔の人の知恵にはほとほと恐れ入ってしまいます。
秋の七草は観て愉しむというのが主で、なんと風流なことでしょう。
秋の七草のほかにも秋の野原を飾る野菊や竜胆(りんどう)、吾亦紅(われもこう)等々
夏の花のような華やかさは見られないものの花野の中をやさしい秋風が吹き渡って行く光景は
なんと風情のあることでしよう。
うたびとであれば、ここで一句どころか二句三句と素晴らしい句が生まれてくるでしょうが
残念なことに私にはそのような歌心がありません。
 でも、穏やかで優しい気持ちが体中に沁みわたり、私を包み込んでくれそうです。
澄み渡った夜空に浮かぶ月、チカチカと煌めく星々、その下にひっそりと咲く秋の草花たち。
そんな上品な落ち着いた秋を思いきり親しもうと思う今年の秋です。