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法律・司法試験研究室

法律・司法試験について考察します。

答案に用いる接続表現

2008年02月05日 | 論文式試験の答案
今日は、かなり細かい話になる。

答案に、どのような接続表現を用いるべきか。

基本的には、どんなものでもよい。
しかし、接続表現を用いる趣旨は、文章の論理構造を明らかにして採点者の理解を助けることにある以上、①論理構造が不明確となるもの、②採点者に理解されないものは、やめた方がよい。

たとえば、「この点」。
ある商法学者(元司法試験考査委員)によれば、「『この点』と書いてある場合、どの点を指すのか不明なものが多い。」とのこと。これでは、かえって①論理構造が不明確となってしまう。

絶対に用いてはいけないということではないが、「この」で指示される部分が直前で明らかにされていない限り、用いるべきではないということだろう。
また、一般的には「この点について」などの形で用いられることから、「この点」だけだと奇異な印象を与えかねない。

そこで、自分の場合、必ず「この点について」とした上で、問題提起の直後の限られた場合にのみ用いることにした。

それから、「思うに」。
ある刑法学者(元司法試験考査委員)が「そんな接続詞は日本語にない。勝手に思ってろ。」と、尋常でない違和感を述べられていた。
また、別の刑法学者も「見解を書く場合には『私は~と考える』という形式を用いるべきだ。」として、「思うに」に否定的だった。これでは、②採点者の理解は得られない。
これでは、答案の印象は悪くなること請け合いである。
書いたからといってただちに不合格となるわけではないだろうが、わざわざ自分を不利な状況に置く必要はない。

そこで、自分の場合、「思うに」を全廃した。


さらに、「蓋し」と「畢竟」。
最近は答案例ではたと見なくなったが、当然だろう。
このような、日常会話で全く用いられない接続表現が②採点者の理解を得られるわけはない。

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