八王子市散田町在住のスポーツ好き親父の戯言!

八王子市の学童野球チーム散田ドラゴンズ元管理人(2007年3月~2016年2月)のブログです。

二宮清純著『プロ野球の一流たち』講談社現代新書

2008年05月24日 20時58分42秒 | プロ野球・高校野球
著者は言わずと知れたスポーツライターの第一人者です。少年野球の選手にはちょっと難しいかもしれませんが、真剣に野球に向き合っている中学生・高校生には参考になる本ではないかと思います。タイトル通りプロ野球の一流たちのインタビューを中心にまとめられています。
 
西鉄の全盛期の中心打者だった中西太は、監督としての実績はそれほどではありませんが、打撃コーチの腕は確かだったらしく、教え子をはじめ多くの人がその理論と指導力を認めています。曰く、バッティングで重要なのは、軸足の付け根にためた力ををうまく下半身に伝え爆発させることであり、そのためには内転筋を鍛えることがことが必要だとのことです。
 
土井正博は、内角を打つには足を開いてもいいが、左肩を開いては絶対にいけないと言います。一般的には、体を開くなと言いますが、それは普通左足をアウトステップして開くと自然に左肩も開いてしまうからで、左肩を残せるなら足を開いてもいいということを論理的に語っています(いい例が、長嶋茂雄や落合博満だそうです)。
 
投手では、大野豊や東尾修が指先の感覚が大切だということを言っています。指先の神経を集中させて投げるとしっかり球に指がかかり、伸びが違うのだそうです。それほど投手は繊細なものだということですが、最近はそういうことに神経を使わずただ思いきり投げればいいと思っている選手が多いと指摘しています。工藤公康は「タテ回転」と「軸回転」というおもしろいことを言っています。長身の投手は上からがばっと投げおろす縦方向の回転で投げることで力が出て、工藤や桑田のようにそれほど大きくない投手は、身体をコマのように回転させる軸回転で力が出せるという考え方です。
 
いずれもプロの世界で一時代を築いた選手たちの考えですから、重みがあります。すぐに活かせるかどうかは別にして、大切なのは、才能に恵まれた人たちがこれほど考えて考えて考え抜いていたということを知ることです。管理人だって、野球をやっていた時に考えて練習をしていなかったわけではありませんが、ここまで考え抜いていなかったですね。才能はもちろん大切ですが、やはり自分で考えて、自分のためにどれだけ練習したかが一流と二流の違いだと思い知らされます。野球がうまくなりたくて、読解力がある部員はぜひ読んでみてください。


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