いじめによる自殺…って、今年の教育のキーワードになりそうですが、
いじめは昔からあったのに、なぜ今年だったんでしょうね。
自殺が報道され、そこから模倣(?)して連鎖。
もう誰もそれを見ないふりはできなくなってきた…。
その後の学校は変わっただろうか?
…いや…そんなに急激に変わることは無いだろうと思う。
「いじめをなくそう」をスローガンにしたところで、何がどんな風にかわる?
とりあえずイジメに対する意識が変わるだろうか…。
でも…
具体的にどうすればなくなる?
大人はそれを明確に言えるだろうか……
で…
現場にいる先生は「いじめ」をどう認識しているのかな。
Mの娘は中学三年生。
家にいると、テレビのボリュームより大きな声で喋って
「うるさいってば~」とMに苦情言われるくらい、
底抜けに明るい子です。
でも、中学一年生の頃イジメにあってました。
ある日突然「学校に行きたくない」と言うので
Mは「行きたくないなら行かなきゃいいじゃん…」と。
そのかわり「なぜ行きたくないのか」を、きちんと自分の口で説明しなさい…と。
暫くためらった後、2~3人に嫌がらせをされている…とのこと。
Mから見た娘は確かに明るい。
でもたまに、シンデレラになりたがる傾向もあるのです。
例えば、嘘ついてたのがバレて親に叱られると
「叱られてる自分はなんてかわいそうなんだろう…」と、自分を憐れんで泣いてるの
Mは娘を見ているとよ~く分かるので、
「反省して泣いているなら許すけど、自分がかわいそうで泣いているなら許さないからね!」と、
反省を促すけれども、いつまでも「ごめんなさい」を言わない。
強情な子だったりするのです。
学校のことは本人の話だけでしか分からない。
しかも、本人が話さなければ親には永遠に分からない。
そのためにもPTAの活動にマメに参加する必要はあるんだと思う。
とにかく学校で活動していると、色んな噂を小耳に挟むことがある。
学校や先生に任せっぱなしだと、青天の霹靂のように「イジメ」「自殺」と、
騒ぐんじゃないかなぁ。
学校に協力しないくせに、何かあったときは特別に自分の子供をかまってくれ…
ってのはお門違いじゃないか…と思う。
PTAの活動を無視する親は、学校での子どもの様子が分からなくて当たり前。
そういうMは、娘が中学校に入学してからというもの、PTAの活動は全くしていない。
時間給で働いていると、PTA活動のために休みはとりにくい。
自分が熱を出しても、重たい体を引きずって仕事に出なければならない環境。
そういう事情で、世の母親はPTAの活動ができないってのはあるんだよね。
子どもと仕事のどっちが大切なの? とナンセンスな問いかけをする人もいるけど、
日々の生活に問題がなければ仕事に行くと思う。
一旦問題が浮上してくれば、もちろん仕事なんかより子ども優先だわよ。
で、話がそれちゃったけど、娘はとりあえず学校を休ませることにした。
担任の先生に「今日、学校へ行きたくないと言うので休ませて様子を見ます」と言い、
学校で最近変わったことが無かったか聞いてみると。
先生は何もないと言ってた。
本人が学校に来たがらないのなら、今日は一日娘さんとゆっくり過ごしてあげてくださいとのこと。
そしてその日は、JRに乗って娘と函館に行ってみた。
学校の話はしなかったけれど、二人とも観光気分でおいしいものを食べ、
有名な観光スポットを見て楽しんだ…のに、
帰りのJRに乗った時、娘が「明日も休んだらダメ?」と。
休むのはかまわないけど、何も解決しないでいたらいつまでも同じことだよ。
嫌がらせしているのは2~3人なんでしょ? それは絶対に解決できないこと?
娘にいろいろ聞いてみたけれど、とにかくそのコ達の居る学校には行きたくないらしい。
次の日「クラスの2~3人に嫌がらせをされてるみたいなんですが、
私も具体的にどういう状態なのか、まだ娘から聞いていませんので、
とりあえず今週はお休みさせてください。」と先生に電話をかけた。
先生は「そうですか、気付きませんでした。今後は少し気をつけて見てみます」と。
Mも担任の先生も、イジメとしてとらえていなかったのは、
娘には友達が沢山いたからなの。
友達に相談することなく、ただシンデレラになってたと思う。
今になって「あの時の自分は本当にバカだったと思う。
友達が心配してくれていたのに、友達の存在をすっかり忘れてた…
今なら嫌がらせしてた奴等はどうでもいい存在だけど、
あいつらに嫌がらせされて、メソメソしてた自分が信じられない…
本気で自殺も考えた…」と。
なんだなんだ…? 穏やかじゃないねぇ…
6年間、少林寺をやってたくせに、なんでそんなに弱かったんだか…。
ただ、そこにひとつの落とし穴があった…。
仲の良い友達は沢山いたけれど、全員別のクラスだったってこと。
自分のいるクラスには友達がいない。
しかも女の子特有の粘着性についていけない我が娘。
Mも学生の頃は、徒党を組むのは好きじゃなかったので、
休み時間に、わざわざ友達とつるんでいるよりは、本を読んでいたかった。
自分からは行かないけれど、友達は誘いにくるので
Mの場合は、仲間はずれとかいじめとは縁遠かった…。
しかし、今の娘はそれとはまたちょっと違うようで、
ひとりでいることがものすごく孤独だという。
Mの娘なんだからさ、もっと気が強くなきゃ……ダメやん…
娘のクラスの女の子の数は奇数。
先生がペアになって○○をしなさい、と言うとき、
必ず娘は余る。
出席番号も一番後ろなので、やっぱり娘ひとりが余る。
ずっとその繰り返し。
それが中学三年の今になって、またも再燃………。
昨日、久々に「明日行くの嫌だな」と言うのを聞いた。
英語のテストを受けたくない…と。
「勉強してないから?」と聞くと、そうじゃない…という。
ペアになって練習をするんだけど、同じクラスには相手になってくれる人がいない…と。
英語の先生は、好きな人同士でやっていいと気軽に言うけれど、
私は同じクラスに仲の良い子はいない…。
奇数だから、どうやっても一人余るのに…と。
たしか、男の子も奇数だったはずなので、
「余った男の子と一緒にやれば?」 と言うと、
「先生は男子のほうは3人まとめたのに、女子のほうはやってくれなかった。
それで先生に、一緒にやる子がいないって言ったら『誰かいるでしょ、探しなさい』って言うし」と、悔しそうに言う。
…ま、確かに悔しいわな。
で? 英語の授業を休めば問題は解決するわけ? とMが聞くと
娘は「たぶん…」と。
…ったく、我が娘ながら、本当になんて頭の悪い子どもなんだろ。
「明日学校に行ったら、すぐ職員室に行って英語の先生に会って、
『女の子は奇数なので私とペアを組んでくれる相手がいません。
しかも私は仲のいい子がクラスにいないし。』って、周りの先生にも聞こえるように言いなさい。
先生にそれを言わないで、英語の時間に保健室に逃げ込むのは禁止だからね!
で、『どうしてもっと早く言わないの? 誰か自分で見つけなさいって言ったでしょ』
なんて先生に言われたら、すぐ帰っておいで。
それとも自分で言えないなら、お母さんが明日の朝先生に電話しようか?」と。
すると、「分かった。学校に行ったらすぐ自分で言う。」という結論を出し、
今朝、娘はトボトボと学校へ向かいました。
その背中に「先生がアンタのせいにしたらすぐにでも帰っておいでよ!」と叫ぶと
「分かったよぉ~~~!」と。
これじゃあ、勉強どころじゃないのよ。
勉強以前に悩むことがあるってのは、本当に問題だと思う。
しかもその問題を教師が作っていいのかぁ??
そうでなくても娘は頭が悪いのに、余計勉強できなくなるじゃん!
…というのは、体のいい言い訳だ……
で、さっき娘が帰ってきて「先生に言ったら『それじゃ、先生と一緒にやろう』って言ってくれた」と。
男子は3人にまとめたのに、どうして女子はそうしてくれなかったか、先生に聞いたの?
と、娘に聞くと「うん、『気がつかなかった』って言ってた」と。
ま……英語の先生(大人)にしてみたら、「その程度」のことなんだよね。
でも、「その程度」のことで、娘は金曜日の夜から月曜日の朝まで悩んでたのよ。
昔の娘なら、この自殺の連鎖に乗じて自殺してたかもよ??
親に相談するまでにも、子どもなりの葛藤があるのよね。
「事を大きくしたくない」っていうのが先ずその一。
そして次に「親に心配かけたくない」
でも、Mから言わせると「親に心配かけたくない」ってのは、
子どもの大きなプライドなんだと思う。
「そんなつまらないプライドは捨てなさい!」って、全ての子どもに言いたい。
Mは、娘が弱音を吐いても慰めない。
慰めたら余計惨めになるだろうから。
そのかわり、色んな方法を一緒に考える。
で、選択させる。
学校は子どもが主役でいる場所だと思うから、
親がアレコレと口を挟んでしまうと、子どもを主役の座から引きずりおろすことになる。
それをしないためにも、主役がどう立ち回るかを辛抱強く見ている。
子どもがひとりでどうしようもなくなったときに学校へ出向く。
親が出るのは最終段階だと思ってる。
そして、今後もそんな場面が来ない事を祈りつつ
今はクラスの中では孤独かもしれないけど、
選択授業になると、友達とワイワイやってるみたいだし、
もう少しで冬休み。
ソレが終わると受験も本格的になるから、クラスで馴染めないなんて言ってられない。
今度は高校に向けて……
本当に入れる高校はあるのだろうか??
で、また…
入学したらまたイロイロあるんだろうなぁ。
お兄ちゃんのときはゼンゼン問題なかったのに、
この娘はなんでこう不器用なんだ??