と、イメージが行くのは、無理のないところかもしれない。
確かに、新宿というと、西新宿の超近代ビル群。あるいは、新宿歌舞伎町の喧騒。
そして、それを繋ぐように、青梅街道が通っている 「新宿おおガード」 が目に浮かぶだろう。
だけれど、新宿には、昔からの、ほかの土地には見られない、文化が匂っているのだ。
例えば、文豪 夏目漱石 この日本文学の金字塔は、新宿に生まれ、育ち、そしてその生涯を閉じた街なのだ。
漱石は、1867年(慶應3年)、いまの地名でいうと、新宿区喜久井町に生まれた。
その後、家の事情で東京で成長して、学校教師となり、文学者を志し、晩年は、早稲田南町に居を据えて、生涯を閉じたのである。
あるとき、私は、漱石の旧居だったところを訪れ、 「漱石山房秋冬」 という記念誌を手にして帰ったのでした。