サンズ・トーク

浜町の弁慶像

このあたり一帯は、江戸文化の色濃い郷愁の地です。

浜町公園に隣接して、明治座がありますが、これはすっかり近代的なビルになってしまって、興趣を削がれます。ビルじゃしょうがないので、横のお稲荷さんを写しました。



その先の緑道に弁慶の勧進帳の像があります。
このあたり、江戸時代、中村座と市川座が歌舞伎をやっていました。人形浄瑠璃も数座で演じられていました。
人形の細工師が多く住んでいたのが今の人形町です。

勧進帳は、歌舞伎の十八番、頼朝に追われ、山伏に変装して出羽へさして落ち行く義経と弁慶、加賀の国、安宅の関の関守の富樫がこれを見咎めて誰何、尋問します。
弁慶は、東大寺大仏が治承の乱で焼失したものを再建するための勧進であると言って、架空の勧進帳を読み上げます。
富樫は、義経の一行であるのを見破ったが、主従の心中を察し、同情の涙をこらえつつ、あえて関所を通るのを見逃します。

 浜町緑道が細長く続く

冠木門が背後にしつらえられていて、関所の雰囲気を出しています。
冠木門を向こうへ通ると、そこには、数奇屋造りみたいなトイレがありました。

この像の前を右へずっと行くのが甘酒横丁で、その先が人形町です。
人形の店はありませんが、人形焼はここらの名物お菓子です。

以前、山中温泉に行ったときのこと、小松空港を降りると、ほど遠からぬあたりに安宅の関があり、義経、弁慶、富樫の像を見たのを思い出します。

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