サンズ・トーク

竹久夢二の宵待ち草

八重洲で、竹久夢二の「宵待ち草」 の歌碑があるのを見たのは、月のない夜だった。

待てど暮らせど 来ぬ人を 宵待ち草のやるせなさ 今宵は月も出ぬさうな

場所は、呉服橋交差点の角、安田信託のビルの前。
安田信託というのは今風でない。みずほ?信託?になっているようだが、私の中では、安田信託なのでした。
夜で、特に照明はないので、フラッシュを焚いて写した。まともにカメラを向けると、大理石の石がてかるので、角度をつけたのです。



大正ロマンの寵児、夢二は、昔、このあたりで港屋絵草紙店というのをやっていたそうなのだ。
自分の詩、絵、色紙、短冊などの作品レプリカを販売したらしい。
いまでいうと、タレントショップというのか、とにかく客が買いに来るほど人気のある作家、文化人だったらしいのだ。


先月、友人と犬吠埼にいったとき、地球の丸く見える展望館のかたわらに「宵待ち草の碑」があったのを写したことがあります。
その碑の写真はこれ。





夢二は、ある夏、犬吠埼を訪れ、気に入った女性に出会って、思いを伝えたそうです。
でも、そのアプローチは不成功に終わり、翌夏、再び会えるかと再度この地へきたのだが、彼女はすでに他に嫁して、会うことができなかった。
女性の親が、うちの娘、変な男に引っかかっては困るというので、縁談を纏めて嫁にやってしまったらしいのです。

東京では、引っ張りだこの文化人だったかもしれないが、犬吠では、どこの馬の骨だかわからなかったのだろう。
または、この女性、あるいはむしろ賢明な選択だったのかも、と思えてくるのだった。

私は、この月のない夜、横浜のKさんと八重洲で一杯やることができたのです。
今宵は月も出ぬさうな

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