サンズ・トーク

街にギンナンの匂い

自転車で公園の脇を過ぎてゆくと、プンと例の匂いがしている。
この時期、ギンナンが稔って、落ちて、果肉が匂うのである。

ははあ、ここの公園に実のなる銀杏があるんだな。
銀杏の木は雄雌があって、雌の木だけに実がつくのだ。銀杏といってもギンナンの稔る木は少ないようなのだ。

昔というか、随分前というか、ギンナンを拾い集めたことがある。
そのときは、臭い果肉を除去する方法が判らず、拾ったけれど捨ててしまった記憶がある。
あるいは、ネットに入れて土に埋めて置いたら外側が腐るに違いないと思って、空き地に埋めた。
そのうち寒くなって、掘り出すのもばかばかしくなって、放置してしまったりした。

わざわざ、佐倉城址公園まで拾いにいったこともある。
ああいうところは、ほかにも拾う人がいたりして、こっちもその気になったりするけれど、ものにならなかったのだ。

大阪へ行ったとき、御堂筋の日航ホテルに泊まって、目の前にギンナンの木があり、実が落ちていたので、ビニール袋に集めた。結果どうしたかというと、どうもしない。
部屋に置いたまま帰ってきたのでした。

どう考えても、自分で拾ったギンナンを食べたことはない。
あれは、あんまり素手でさわると、かぶれるのだそうだ。

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