サンズ・トーク

いわて銀河鉄道について

東北新幹線が八戸まで開通した平成14年から、盛岡以北の東北新幹線の在来線は、「いわて銀河鉄道」 という第三セクター会社がやっていたのでした。
そして、路線のうち、青森県側は、新青森までの新幹線の延伸を期に青い森鉄道という第三セクターが運行しはじめたのです。

いわて銀河鉄道というの、とてもブンガク的な雰囲気の鉄道なのでした。
銀河鉄道というのは、岩手を愛した花巻出身の宮沢賢治の童話にあります。
銀河鉄道999というアニメもありました。

駅名をつらつら見ますと、渋民というのがあります。
これは、今は盛岡市に含まれて居ますが、石川啄木の出身地だったのでした。

  かにかくに 渋谷村は恋しかり おもひでの山 おもひでの川



おもえば、啄木の短歌は、今でもひとつひとつ胸をゆさぶられる味わいのある歌なのでした。

それはさておき、路線をどんどん北へ走り、青森県にはいる手前の駅に金田一温泉というのがあります。
盛岡出身の言語学者、金田一京助というのが有名です。
アイヌの言葉を研究し、叙事詩ユーカラというのを発表しました。
博士論文に書いて提出したのですが、当時は、アイヌ語についての論文を審査できるような先生が皆無だったので、すっかりたな晒しにされ、あげくのはてに関東大震災で焼失してしまったというエピソードがありました。

金田一温泉の由来をみると、キンダイチというのは、アイヌ語で山野の地形を示す言葉なのだそうです。
だから、金田一というのは、ローカルな名前ですが、人の苗字としても古くからあったらしいのです。
余談になりますが、金田一京助は、石川啄木と交友関係があり、啄木が浪費で困窮すると金田一に援助を願い、その度に随分せびられたそうなのでした。

それはともかく、われわれ、新幹線ができてしまうと、中間省略で遠くまでゆけるのですが、途中のローカルだが人間味の深い話題にはかえって疎くなり、平板な旅になってしまうなとつくづく思うのでした。

鈍行の旅にも賛成したい気持ちでこのブログを書きました。

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