「評論家」という最悪最低な職業の、更にその真似事

事象を己自身の価値判断で論じることはとても恥ずかしい事である。
ましてや一文にもならないのに書くなんてただのバカ

推定無罪は日本では無いんですよ。

2011-02-15 08:47:01 | 政治関連
まるこ姫さんのブログ(まるこ姫の独り言)を読んでいたら、小沢氏がクロだと毎日新聞の岸井氏が発言したとかで、証拠もなくクロ認定なんて推定無罪の原則から外れているのでは、と憤っていらっしゃるようで。
まあ、こう言うときに怒れなくなったわたしの方がどうかしているのは重々承知していますけど、TBSって言ったら石原慎太郎のコメント改変とかに政治家への言及に限らず、清掃業者には「死体運んだの」やら「映ってますよ」だの暴言やら、冤罪って言うのなら不二家なんて最たる例だろうというか捏造VTRを作ったのを未だに認めていないくらいな局なんですから、むしろ悪く言われても平然としていたって良いような気がする、ような?
馬鹿相手に怒ってもねえ。
わたしみたいに週刊金曜日に牙を剥いて噛みつくみたいのは、世間的にみたら「狂犬」とか「キ●ガイ」と扱われるもんですけど。

で、その上でお話ししますがどうやらブログ主さんによって消されてしまったらしいコメントに書きましたことを繰り返します形になるのですけど、推定無罪とは国家による国民の権利の規制を無制限にしないために99%の確率で犯人と思われる場合であっても、100%犯人とは言えない場合は処罰しない、と規定してされているそうです。
これは人権に配慮している、という上等な理由でもなんでもなく、国家にそこまでの権限を与えてしまうと国家の暴走を止められなくなるのが歴史的に明らかであるから、だとか。

ここら辺の話は門外漢のわたしとしてはドラマにもなった「ホカベン」でおなじみの中嶋弁護士の本をお勧めするのに留まりますが。
罪と罰、だが償いはどこに?
中嶋 博行
新潮社


推定無罪の原則がなければ国家が一方的な思想を根拠として「あいつは疑わしい」で処罰する、という可能性が否定できないんです。
うちも、共産思想があるわけでもなかった祖父がアカだとレッテルを貼られて投獄され、それが原因で死亡するという過去があるんで、これって判るんですよね。
これが壁になって裁判では無罪判定になったような事件での犯罪の被害者となってしまった方や、そのご遺族の無念もわかるのですが。

で、です。
小沢氏は推定無罪とか言う前に立件するだけの根拠はないから検察は諦めているけど、民間の審議会が真偽不十分、としているだけで、ここまでは別段、この日本ではあまり珍しい話では無いですし。
岸井氏の物言いはかなり不十分だと思うし、一定方向へのベクトルをかけているかもしれないけど、国家の中枢にいる者に推定無罪を持ち出すと、それはそれで推定無罪の原則が逆方向へ、つまり国家権力への規制は排除する、という方向へと繋がったりはしませんかね。

判りやすく言いますと、「俺の空 刑事編」では明らかに田中角栄をモデルにしたキャラクターを立件しようとした時、指揮権の発動をするしないで法務大臣が自殺してしまうという筋まであるんですけど、いまは民主党の問題だから反発もするんでしょうけど、これが自民党だったり、例えば宗教団体と懇意の政党が推定無罪の原則を持ち出したりとか指揮権発動をしだしたら、やっぱ、それはそれで反発するんじゃないのでは?
(※作者の本宮ひろしは後に田中角栄をモデルにした立身出世物語を書いていますので、俺の空は別段思想的にどうこうではなく、単にロッキード事件で起訴された田中氏をネタにした程度なのでしょう)
何しろ、休日にゴルフに行っていた森首相をさも罪人扱いする程度の国ですから、小沢氏がクロ扱いされるのも等しく平等って感じしかないのですけど。

と、ここまではまだ前振り。
ようやく本文。

その上で申しますが、日本には推定無罪の原則はありません。
そしてそれは最高裁の指針でもあります

この事件を取り上げるのは非常にわたしとしても不本意なのですが。

「御殿場事件」はえん罪か 長野智子のドキュメンタリーに注目
わたしがあまり好いてはいない鳥越氏のドキュメンタリーなんですけど。
鳥越氏は冤罪の方向で取材をすすめていますが、わたし個人としてはどちらが正しいのかは判断不能との視線で見てます。
が、あくまで裁判の話になると、推定無罪の原則で考えるのなら明らかに無罪です。
検察側は有罪を証明するだけの根拠を持ち出せてはいません。
いくらなんでも供述が変わりすぎています。
それは、被害者とされる女性の発言が作為であっても本当に勘違いであっても、判決の根拠にするには問題だったでしょう。
ですが、最高裁は有罪との判断を示しました。

警察や検察との間、あるいはもっと裁判官との間に、この事件で有罪にした方が良いという力学でも働いていない限りは(被告人の少年達には警察から目を付けられるだけの理由があったそうで)なかなか、ここまで慎重とはほど遠い判決が出ないような気がしますが、まあ、それはそれとして。

以上の事から判る通り、日本には推定無罪の原則はないんです。
何しろ最高裁がそれを認めた以上はない。
検察ににらまれたらその瞬間に犯罪者。
しかも有罪率は9割を超えている。
裏を返せば有罪に出来なさそうな事案は起訴しない(ために、事件性が疑われる死亡事故でも起訴しないという事がままある)という、それが日本という国です。

どうも、政治を真剣に考える人ほど、なにか事があった時に誤解している理想を打ち出すのですけど、そう思うんだったら最初から、現実が理想と乖離していないかチェックするなり指摘するなりしておけば良いと思いますがいかがでしょう。
小沢氏にだけ「推定無罪の原則から外れる」なんて言い出すのは、まあ、読んでいて微笑ましいというか。「よしよし、そうだねえ」と頭をなでて欲しいのか、ちょっと判断に困ってしまいます。
まあ、自分の元の仕事がマスコミの餌みたいな職だったので、ねえ。
「小沢さんはいいな。だって、冤罪とかマスゴミのミスリードとか言ってくれる人がいるもの。そういう事を言い出す人だって、例えば某ブロガーみたいに口蹄疫は汚い牛舎や豚舎のせい、とか見もしないで冤罪をかぶせてフルボッコにされるのが食品産業だから」とか書いてみる。
自分も、ほんと、この手の事、絶対忘れないからなあ。
マジにいつまで経ってもわたしってキ●ガイのままだなあ。

ついでに。
小沢氏を否定するのはアメリカとか自民とかよりも、寧ろ民主党の構成員の方だと思っていますよ。
上層部の一部が小沢氏に拒否反応を示していると思っているんでしょうが、元連合系組合員にして民主党の一部になっている民社党の選挙活動を手伝ったわたしが思うには、社会党、民社党からは小沢氏の支持はあり得ません。
あまりに思想が違うんです。

むしろ、小沢氏を応援するのは皮肉なことに自民党員だったりもします。
「菅よりも鳩山よりも、小沢の方が優れている」とか言うのは、どっちの方にもお会いしますけど民主党員よりも自民党員の方が市井には多いですよ。


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