goo blog サービス終了のお知らせ 

頑固爺の言いたい放題

森羅万象なんでもござれ、面白い話題を拾ってレポートします。

「週刊ポスト」の謝罪

2019-09-05 16:55:24 | メモ帳

93日の産経新聞に大略次のような記事が掲載された。 

“小学館が発行する「週刊ポスト」(92日発売)に掲載された「韓国なんて要らない」「怒りを抑制できない韓国人という病理」という見出しの二つの記事の内容が「差別的」だという批判があり、同誌編集部は「誤解を広めかねず、配慮に欠けていた」というコメントを発表した。批判したのは、同誌の常連執筆者である深沢潮、内田樹、柳美里の3氏。”(写真)

私は「週刊ポスト」最新号が韓国特集であることを新聞広告で知っていたが、そこに目新しい情報があるとは思えず、買う気はさらさらなかった。しかし、この謝罪記事を読んで内容に興味を抱き、急いで買い求めた。この号は回収されるのではないかと懸念したこともある。

では、「週刊ポスト」編集部は、何が「差別的」だったと判断したのか。

表紙の「韓国なんて要らない」という見出しは過激だが、今書店に並んでいる「WILL別冊」の表紙にも「さようなら、韓国!」という赤い大きな活字が躍っている(写真)。なので、表紙が特に「差別的」と批判される主な理由にはならない。

記事の「GSOMIA破棄なら半島危機へ、ソウルが金正恩に占領される悪夢」の部分はセンセーショナルだが、この程度の主観的予測は週刊誌として珍しいものではなく、「差別的」とは思えない。

一方「怒りを抑えられない韓国人の病理」は癇癪持ちの韓国人の気質を分析したもので、「差別的」と言えなくもない。しかし、この記事は韓国の中央日報に掲載された韓国人の学者のレポートを引用したもので、「週刊ポスト」編集部が謝罪する筋合いのものではない。

では、なぜ「週刊ポスト」は謝罪したのか。クレームをつけたのは同誌の常連執筆者らしいから、彼らの顔を立てるために大手マスコミを利用したのだろう。謝罪したものの、市中に出回っている雑誌を回収していないから、さほど重大視していないことがわかる。

ところで、このクレーマー達は「月刊WILL」とか「HANADA」などの保守派論壇誌を読んだことがあるのだろうか。もし読んだら、韓国を批判する語調の過激さは「週刊ポスト」の比ではないことにびっくり仰天するだろう。そして、関係出版社に苦情を言うのだろうか。苦情を申し立てても、日常の取引がないから、相手にされないと思うが・・・。

こうして考えると、出版社に対して、自分の作品に関係ない記事にクレームするとは、常連執筆者たちはずいぶん傲慢だと思えるが、それが出版業界の常識なんだろう。そして、謝罪した「週刊ポスト」編集部は、簡単に謝る日本人の悪癖をはからずも露呈した、ということになる。

ともあれ、第三者がとやかく批判することではないから、私は「あぁ買ってバカみた」ということでthe endと思ったが、念のためYouTube で“週刊ポスト謝罪”で検索すると、「なぜ謝罪したのか、わけがわからぬ」という趣旨の多数の投稿が見つかった。私と同じように感じた人が多いということがわかり安堵した次第である。

そのYouTubeへの投稿の中に、朝日新聞のある記者が「謝罪は当然。この号は回収されるべきだ」と主張しているのを見つけた。どうでもいいことだが、そのやりとりが面白いので、興味ある方は下の画像をご覧頂きたい。

https://www.youtube.com/watch?v=cFHkbAy52rs&t=295s

ところで、9月4日の朝日新聞の時事川柳欄に次の一句を見つけた。

“マスコミの 嫌韓合戦 矩(のり)を越え”

この句を詠んだ方は、「週刊ポスト」の記事を読んでおらず、朝日新聞の記事だけを読んだのではないだろうか。ちなみに、読売新聞はこの件を報じていないが、同紙は小学館から謝罪の案内を受け取った時、ニュースバリューなしと判断したのだろう。それで正解だったと思う。その他の大手紙がどう報道したがどうかは調べてない。

というわけで、「週刊ポスト」がなぜ謝罪したのかは、納得できないままになっている。ことによって、同誌は謝罪することで話題性を創り出し、私のようなオッチョコチョイに買わせようという高等戦術を展開したのかもしれぬ。(笑)