りりあんのめーぷるしろっぷ

季節感あふれる身辺雑記。

ランチ at ダイナー

2019-08-14 | Weblog
なんでも年齢のせいにするのはよくないと思いますが、
それでも、認めざるを得ない能力の衰えというものは
はっきりとあって、映画にしても画面の切り替わりが
はやいタイプの作品だと、一回の観賞で記憶に残る情報量は
以前にくらべて確実に減ってきています。
最近は、演劇でも記憶に残る台詞が少なくなり、
小説も読んだ後に思い出せる描写が少なくなって、
仕方のないこととはいえ、ちょっと悲しくもあります。
と、まあ言い訳じみた前置きが長くなってしまいましたが、
ここから『ダイナー』の話です。

結局、二回観にいったのですが、
一回目は、予想外の初体験となりました。
観る予定にしていた上映回が、ゆったり座席でランチ付きという
まったく知らなかった(遅れてますよね?)上映スタイルの回でした。
その日は予定をずらすだけの時間の余裕がなかったので、
仕方なく入場。
映画の内容が内容だけに、ともかく映画が始まるまえに食べなければ・・・と
選んだメニューがフレンチトーストにオレンジソース添え。
ランチをゆっくり味わう気分でもなかったので、
コーヒーでそそくさとフレンチトーストを流しこみました。

映画を観るまえには少しばかり不安がありました。
不安のもとは、ひとつにはあの世界観についていけるだろうか、ということ。
そして、もうひとつは監督の作品の特徴である、
原色、とくに赤を基調にした色彩に満ちあふれた画面に
ちょっと苦手だなあという感じがあったことでした。
というわけで、ともかくボンベロのビジュアルを楽しめればいいか、
と、そんな感じで映画は始まりました。

映画は、血が飛び散り、殺伐とした場面が多々ありながらも
やさしい映画だと思いました。
カナコという生き悩む女の子の背中を押して、
新しい生き方へと一歩踏み出させてあげる
ボンベロはなんでしょうね、
ネットのどこかで、どなたかがレオンに似た構図の映画だと
評していて、なるほどと思ったのですが、
そう考えると、カナコにとってボンベロは足長おじさん?
白馬の王子様ではなくて足長おじさん、かっこよくて素敵でした。

映画は全体が亡き演出家へのオマージュとなっていて、
とくに身毒丸を思わせる場面が多かったですね。
監督にとっては昇華されてあの形だったのでしょうが、
ちょっとわたしにはまだ生々しくて、
自然に受けとめるのが難しかったです。
あとは、あれだけ画面に情報量が多いと、二回観ても
ごく一部しか頭に残っていまい感じが強くて、
横尾氏の美術なんて贅沢さ、ほぼ咀嚼できずじまい・・・。
懐かしいですね、横尾さん。
ヒマラヤのふもとの小さな村に滞在したことが思い出されます。
一緒に旅行した友人ともども、彼の本からその村のことを知って
旅行先に選んだのでした。数十年前のことですけど。
話が変な方向にそれてしまいました・・・今夜はここまで。