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ドラマ『心がポキっとね』 の世界観

2015-06-09 | 日記

 

心がポキっとね 第一回目の低視聴率から、さらにじわじわと下がり、予定よりも早く最終話を迎えることになりました。

但し数字とは裏腹に、必ずしも視聴者からの評価が低からず、ネットの評価によれば一定の視聴者から高評価を得ているドラマのようです。

言ってみれば、好みが極端に分かれるドラマです。

特殊な性質の登場人物に共感できるか、役者に好感が持てるか。

このどちらかに該当する視聴者から支持を得ているのではないでしょうか。


まず、このドラマは優しいドラマです。

どんな人にも優しい。現実の世界では生き辛い変わった人達ばかりが登場し、彼らが時に鬱々したり癇癪をおこしながらも、ありのままに生活ができる、頑張って普通のフリをして空気なんか読まなくてもいい世界。

反して現実は違います。学生にしろ社会人、ママ友仲間、ご近所の人々など、皆多かれ少なかれ仮面を被って、『変な人に思われないよう、常識人に見られるように』演じています。最近では、LINEや他のSNS でのコミュニケーションまでも気を遣って、コメントを書く始末。

もちろん、器用な人々にはなんてことはないでしょうが。

それでも、現実はいつの間にか見えない有刺鉄線(昭和にあった立ち入り禁止の網)がアチコチに張り巡らされているようです。


話はそれましたが、このドラマの登場人物はかなりデフォルメされた私達自身のような気がしてなりません。誰しも、少しは変わった所があるものです。普段の生活では、調和を重んじるために、この変わった部分が隠れていますが、そういう隠された性質を身近な人だけには見せて、ありのまま認めてもらえればいいね、というメッセージが作品から伝わってきます。


主人公の春太(阿部サダヲ)は、かつてバリバリの営業マンで出来る男。頑張りすぎて、ある日突然キレて、壊れてしまった。オマケに出来る男時代はDVで妻(山口智子)を傷めつけ、離婚。壊れた後は、ホームレスをしている所を家具店社長の心(藤木直人)に拾われて、家具の修復にあたる。
まぁ、こんな人生を歩む人はいないでしょうが…頑張りすぎて、ある日プツッと鬱病を患うケースあるいは、その予備軍は潜在的にわりといるのではないでしょうか。

そんな春太が、壊れながらも無理して回復しようとせず、経済的に成功者としての復帰をあえて目指さずに、人に時には甘えながらも何となく幸せかな?と感じられるほど元気になっていく姿が、とっても優しい。


ヒロインのみやこ(水原希子)は、元ストーカーの不器用な恋愛しかできない危険な女。モデルのような恵まれた容姿とは裏腹に、何をやってもヘマしてばかりのバイト先を転々とする超不器用なガサツ娘。ストーカーが原因で、仕事もクビになり住まいも追い出され途方に暮れていたところをまたもや、社長の心(藤木直人)に拾われて、春太(阿部サダヲ)との共同生活が始まる。

世の中には、『ルックスが良いために内面も素晴らしいんだろうと皆から当たり前のように期待されて、その期待に応えられず、ガッカリさせてしまう残念な人』っているはずです。

現実の世界なら、一生懸命頑張って、皆の期待に応えられるように内面も磨くとか、するかもしれないけど、このドラマでは『駄目だ~』と言って挫折しても、春太や心、静から『ごめんね…無理させてしまって。』と温かく迎えてもらえる。

頑張ってもできない人だっているのだから、みんながみんな、頑張る必要なんてないんだよ!というメッセージが聞こえるよう。


アンティーク家具店社長の心(藤木直人)は、ノーテンキに見える悩めない男。人でもモノでもなんでも拾ってきて、『壊れたら直せばいいんだよ。』と声をかけてくれるイケメンで寛容すぎる男。だらしなくて、自由奔放な母親の元に育った心だからこそ、この性格なのでしょうか。
心はもしかして子供時代に、怒りのSwitchや深く思考するSwitchを切ることにより、母親と共存しようとしたのかもしれません。
電気のSwitchを切るみたいに、プツッと。そうすることで、怒りや矛盾などの思考を遮断して、より神に近い寛容を手に入れるようになったとか。

それにしても、最も共感しにくいのが心というキャラクターなように感じます。

心の恋人であり、春太の元妻という複雑な関係の静(山口智子)は、45歳と主要人物の中で最年長でありながらも、イタイ程の自分探し女。バブルを経験した者に染みついているステレオタイプの成功至上主義。成功して認められるまで、例え逆走のエスカレーターさえも、必死に歯を食いしばって上り続ける。まるで、立ち止まったら最後!と言わんばかりに。空間コーディネーターとしてのオシャレな生活、凝った手作り料理、イケメンの恋人と『私は今最高に幸せ!』と世界に発信(SNS)し、リア充を見せつけブログのアクセス数が慰めになるというイタタ…な肉食系女。
山口さん、あっぱれなイタタ具合でした。

ここまではないけど、以前参加していたSNSではリア充自慢な人、イイネが欲しそうな人沢山お見かけしました。
また40半ば以降は、頑張っちゃう女性が多いのも事実。頑張らない自分=ダメな自分 と学生時代から脳内にインプットされていて、これはなかなか治りませんね。
この静は、頑張ることで救われるタイプなので、独自に頑張って成功をつかんでほしいものです。

また、家具店で働いているふみ(徳永えり)は、可哀想な人がほっとけなくて、困っている人に手を差し伸べることで自分の価値(存在)を確かめたい女。可哀想な人が好きなのではなくて、可哀想な人に手を差し伸べる自分が好きな、ちょっと押し付けがましい面がある。そういう優しさは、だぶん本当に困っている春太のような人のココロには響かない。偽りだから。

さらに、家具店のやる気無し、職場の雑貨を勝手に持っていっちゃうセコいパート、バツイチ、子持ち女に加代子(池津祥子)。彼女は、アイドルの追っかけをしているめんどくさがりの夢みる中年女。同僚の若きイケメン、涼(永瀬匡)と年の差カップル誕生か?と思いきや、加代子は『現実の恋は疲れるし、めんどくさい。やっぱり、アイドルとかなわぬ片思いをしている方が幸せ』と、あっさり身を引く。
これもある程度の年齢になったら、ちょっと分かるかも。最近では、男性アイドルではなくて、宝塚の中高年追っかけもいらっしゃいますよね。ただひたすら、美しい物だけ見ていたい!という。


いかがでしょうか?皆さん、心あたりはありますか?



最後に、このドラマで毎回趣向を凝らしたタイトルバックを写真で振り返ってみます。

春太がこけた時、靴の裏からタイトルが。

 

椅子のカバーからタイトルが。

部屋のブラインドからタイトルが。

共同生活している外壁から。

豚の吹き出し。

マットの上にタイトルが。

家具店の看板がタイトルに。

春太のスウェットが突然色が変わって、タイトルが。

春太の作業部屋の天井からタイトルが降ってきた。

 

ちょっと道から外れてしまった人も、外れないように頑張っている人も、ココロが弱い人も、挫けそうな人も、ありのままで自分なりの幸せが見つけられますように。


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