1日講習・全国出張!職長教育・安全衛生責任者教育ブログ

全国を渡り歩き、職長教育・安全衛生責任者教育を1日講習で行う愛知のRSTトレーナー。

リスクアセスメントの実施とその結果に基づくリスク低減措置 (part5)

2017-12-25 10:04:54 | 日記
1 リスクアセスメントとリスク低減措置
(3)リスクの見積り
【数値化の具体的事例】
リスクの見積りを数値化による方法で行うことのメリットは、具体的な見積り値が数値で示されるため、誰にでもわかりやすいということ、
リスク低減の優先度が明確になることなどがある。
また、死亡災害など致命傷となる災害の防止を重視する場合には、その観点から配点することによって、優先度の決定にメリハリがつくことになる。

1 リスク要素の配点とリスクレベル
「負傷又は病気の深刻度」や「発生の可能性の度合い」の区分を設定したら、次の2で書き出す「リスクの算出」を前提にして、
以下の例のように各区分の配点を行う。

①重篤度の配点例
重篤度 点数
致命的 10
重大  6
中程度 3
軽度  1

②危険状態が発生する頻度の配点例
頻度    点数
頻繁    4
時々    2
滅多にない 1

③危険状態が発生した時に災害に至る可能性の配点例
可能性    点数
確実である  6
可能性が高い 4
可能性がある 2
ほとんどない 1

④リスクレベルと対応措置
 リスクレベル  リスクポイント   リスク低減措置
Ⅳ 重大な    12~20  リスク低減措置を直ちに行う。措置を講じるまで、  
  問題がある         作業を中止する。十分な経営資源を投入する。  
Ⅲ 問題がある  8~11   リスク低減措置を速やかに行う。措置を講じるまで、
                作業しないことが望ましい。
Ⅱ 多少の    5~7    リスク低減措置を計画的に行う。措置を講じるまで、
  問題がある         作業を適切に管理する。
Ⅰ ほとんど   3~4    費用対効果を考慮して、リスク低減措置を行う。
  問題がない

2 リスクの見積り事例
リスクの見積り計算方法

リスクの大きさは「負傷又は病気の深刻度」と「発生の可能性の度合い」の組み合わせである。組み合わせには、足し合わせることが一般的である。
リスクポイントは、この組み合わせによるリスクの見積りを数値化したもので、リスクの大きさを表すリスクレベルとなりリスク低減の優先度が決定する。

{たとえば}足し算によりリスクポイントを求める場合は、次の計算式により算定する。
 重篤度 + 危険状態の発生頻度 + 災害に至る可能性 = リスクポイント
(6点) +   (2点)    +   (4点)   =   12点
リスクポイント12点を④の「リスクレベル」に当てはめると、リスクレベルは重大な問題があるⅣとなり、最も優先して対応措置が必要となる。
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リスクアセスメントの実施とその結果に基づくリスク低減措置 (part4)

2017-12-22 13:04:02 | 日記
1 リスクアセスメントとリスク低減措置
(3)リスクの見積り 

②リスクの見積り
リスクの見積りは上に書いてある要素を考慮して行うが、代表的な見積りの例としてはマトリクスを用いる方法、
数値化による方法、リスクグラフによる方法などがある。ここでは、数値化による方法を紹介する。

ア 負傷又は病気の深刻度
負傷又は病気の深刻度は、休業日数等を目安に、一例ではあるが次のように設定をするとわかりやすくなる。



イ 発生の可能性の度合
「発生の可能性の度合い」は次のように設定をするとわかりやすい。



また、「発生の可能性の度合い」を「危険状態が発生する頻度」と「危険状態が発生した時に災害に至る可能性」に
分ける場合には、次のように設定をするとわかりやすい。



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リスクアセスメントの実施とその結果に基づくリスク低減措置 (part3)

2017-12-22 09:59:10 | 日記
1 リスクアセスメントとリスク低減措置
(3)リスクの見積り 

①リスクとは
ここでいう「リスク」とは「危険性又は有害性によって生じるおそれのある負傷又は病気の深刻度及びその発生の可能性の範囲」と定義される。
「負傷又は病気の深刻度」とは、たとえば、「致命的」、「重大」、「中程度」、「軽度」など、その程度を示している。
また、「発生の可能性の範囲」は、「極めて高い」、「比較的高い」、「可能性あり」、「ほとんどない」といったように、可能性の範囲を表している。
このそれぞれの要素により、リスクの大きさを見積り、低減のための優先順位の決定がされる。

中央労働再開防止協会では、この「発生の可能性の範囲」をさらに2つの要素
「危険状態が発生する頻度」
「危険状態が発生した時に負傷又は病気の深刻度(以下「災害」という。)に至る可能性」
に分けられている。
このうち「危険状態が発生する頻度」は色々行われている作業の中には危険状態が発生しやすい作業とそうではない作業があるため、
作業そのものの危険性を考慮したものである。
したがって、作業が行われる頻度をいうものではない。

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リスクアセスメントの実施とその結果に基づくリスク低減措置 (part2)

2017-12-21 13:02:15 | 日記
1 リスクアセスメントとリスク低減措置
(2) 危険性又は有害性の特定
危険性又は有害性の特定で重要なこととは、まず、職場に潜在する危険性又は有害性をどのように発見するかである。
そのためには、法令、社内規則をはじめ、職場の機械設備、作業環境、作業に関する安全衛生に関わる情報を入手することであり、
それらの情報をもとに正常な状態や、基準から「ズレ」ているならな危険性又は有害性の洗い出しの手掛かりになり、
リスクアセスメントを進める切り口となる。
なお、事前に入手をすべき情報源の例を下の図に示す。







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リスクアセスメントの実施とその結果に基づくリスク低減措置 (part1)

2017-12-21 10:02:17 | 日記
事業者は、設備、原材料、作業方法、作業手順を新規に採用もしくは変更をしたときや、
機械設備等の経年劣化や新たな安全衛生にかかわる知識・情報・データの蓄積などにより、
リスクに変化が生じたり生じるおそれがあるときは、
これらを除去・低減をする措置を論ずるように役目をはたさなければならない(安衛法第28条の2、安衛則第24条の11)。


職場の安全衛生水準の向上のためには、法律で求められている実施時期のほかにも、
一度もリスクアセスメントを実施していない既存の設備や作業について計画的に実施することが必要である。


厚生労働省では、リスクアセスメントの考え方、実施方法等について
「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」(平成18年3月10日公示第1号)を公表している。
本章では、法律およびこの指針に基づいてリスクアセスメントが最適かつ有効に実施されるように解説をするものである。


また、同指針に基づく詳細な指針として「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」(平成18年3月30日公示第2号)および
「機械の包括的な安全基準に関する指針」(平成19年7月31日基発第0731001号)が公表されているので参考にすると良いでしょう。


リスクアセスメントの実施には、職長が一番現場を知り得る立場にいるだけに、職長の役割が重要な鍵になるともいえる。
それでは、リスクアセスメントの基本的な考え方と具体的な手順について説明をする。


1 リスクアセスメントとリスクの低減措置
(1)リスクアセスメントとは
リスクアセスメントとは、
①危険性又は有害性を特定して
②リスクを見積もり
③そのリスクを低減するための優先度を設定して、リスクを低減させるための措置を検討をし
④リスク低減措置を実施することを組織的に進める手法である。
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